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ASD?ADHD?分かっておきたい発達障がい

身近な人が、そうかもしれないと思ったら…
分かっておきたい発達障がいのこと

スペクトラムには連続体という意味があり、障がいの特性が濃い人から薄い人まで境目なく存在していることを表しています。

学問や研究、サークル活動など、多彩に活動できる環境が用意された大学では、高校までとは異なり、自分で状況を判断しながら主体的に行動することが求められます。発達障がいのある人は情報の取捨選択やコミュニケーションが苦手なため、さまざまな場面で困難を感じているようです。最近では、発達障がいのある学生の存在が多く認識されるようになりました。あなたの周りにも悩みを抱えた仲間がいるかもしれません。発達障がいを理解することで、誰もが自分らしくいられる環境をつくりませんか。

まず、発達障がいについて知る

発達障がいは、情報処理や行動の計画・遂行などに関わる中枢神経系の機能障がいです。代表的なものに、自閉症スペクトラム障害、注意・欠如多動性障害、限局性学習障害があります。障がいは先天性のものですが、成人になって診断されることも少なくありません。

自閉症スペクトラム障害は、想像することやコミュニケーションが苦手で、相手の意図をくんだり暗黙の了解を察することに困難を伴います。注意欠如・多動性障害は、段取りや集中が苦手で、複数の課題を同時にこなすことが苦手であったり、忘れ物が目立つなどの特徴があります。限局性学習障害は、知的な遅れはないにもかかわらず、読み書きや計算などに困難がみられる状態を指します。

どんな学生生活を送っているの?当事者の声から読み解く

※本コラムの2事例はフィクションで、これまでに出会った当事者の声をまとめたものです。

①自閉症スペクトラム障害(ASD)のあるAさんの場合

私は高校時代までは成績優秀で、勉強で苦労したことはありませんでした。また、ルールを厳密に守るので周りから「優等生」と言われていました。

ところが、大学に入学してからは、生活面や修学面で戸惑うことが多くなりました。感覚が過敏で、ざわざわしたり人混みが激しい場面は大の苦手です。昼休みは、静かな空きスペースで食事をしています。

私にはマニアックな趣味があるのですが、運よく共通の趣味を持つ仲間が集まるサークルが見つかりました。ここでは、一方的に話し過ぎて相手に敬遠される心配がないので安心です。語学のクラスでは、気の合う同級生と出会いました。その友人は私が気付かない暗黙のルールを教えてくれるので助かります。

修学面では、板書の少ない授業で書くべき要点を捉えることが難しく、ノートが取れなくて困っています。これについては、障がい学生支援室に相談しました。心理検査から、「聞くことと書くことの同時処理が苦手」と分かりました。そこで、支援室を通じて科目担当の先生に私のことを相談してもらい、授業の録音許可を得ました。それでも、録音を聞きながら授業の復習をするのは大変な作業です。ノートを貸してくれる友達がいたら、とてもありがたいです。私には人一倍の努力が必要ですが、頑張って卒業を目指します。

②注意欠如・多動性障害(ADHD)のあるBさんの場合

私は捉えどころがないとよく言われます。レポートが提出期限に間に合わないことが多いのですが、試験直前に追い込みをかけて、何とか単位を取っています。ある時は、彼女の誕生日プレゼントを買おうと複数のアルバイトの予定を入れたのですが、ダブルブッキングして、アルバイト先から叱られてしまいました。

こんな自分に落ち込み、保健センター学生相談室でカウンセリングを受け始めました。経過を振り返り、「多くの物事に関心があるが優先順位をつけるのが苦手。その結果、着手したことを最後までやり遂げることが難しい」という行動パターンが分かりました。そこで、To Doリストの活用の仕方を学び、優先順位を見極めながら生活する習慣が徐々に身に付いてきました。

これまでの経過を踏まえて保健センターこころの診療室を受診したところ、ADHDと診断されました。診断されたことで、これまでうまくいかなかったことが「怠け」や「故意に」ではないと分かり、安心しました。

修学状況については「欲張って科目登録した結果、レポートが重なってしまい、提出し切れない」など、自分の傾向がつかめてきました。保健センターに紹介された障がい学生支援室では、現実的な科目登録やレポート作成の段取りについて自分に合った方法を見極め、進捗(しんちょく)を確かめながら課題に取り組んでいます。

友人が、発達障がいかもしれないと思ったら…

困っている様子の友人がいたら、声を掛けてみよう

発達障がいの特性は、一般の人々にも多かれ少なかれ認められ、特別珍しいものではありません。その程度が強く生活に支障が生じるときに診断されます。本人や周囲が特性を理解し工夫を施していくことで、ハプニングを予防し、適応的に生活を送ることができます。クラスやサークルに気になる仲間がいたら、診断の有無ではなく、「困っていることは何ですか?」と確かめるようにしましょう。普段、関心のあることをよく話す人でも、肝心なときに必要なことを言い出せない場合があるので、配慮が必要です。

困り事は個々に異なります。ASDタイプの場合、あいまいな表現は理解しにくいので、「もう少し」ではなく「何分までに」など具体的に伝えましょう。また、見通しが立たないと不安になりやすいので、予定の変更は早めに伝えましょう。会話が苦手な場合、メールを通したやりとりがスムーズにいくことがあります。行動の計画遂行が苦手なADHDタイプの場合は、環境が整えば大きな活躍も期待できます。ゴールを定め、スモールステップで進捗を確かめ、意欲的に計画が進むようサポートしましょう。限局性学習障害があり漢字の想起が難しい場合には、PCなどのITの漢字変換機能が苦手を補うツールになります。

ノートを貸してあげるなど、さりげないサポートを

 

発達障がいの場合、“独り善がりな行動”の大半は、想像することの困難から生じるので、ルールや求められる行動を具体的に伝えてください。経験を他の場面に応用するのは苦手なので、場面ごとに対応する心構えでいると、サポートする側の負担が軽く済みます。

一人で対応し切れなかったり、より良い対応を知りたい場合には、障がい学生支援室または保健センター学生相談室にご相談ください。

学びを支え、共に歩む 障がい学生支援室

障がい学生支援室には、発達障がい学生支援部門と身体障がい学生支援部門があり、それぞれが障がいの特性に応じた支援を行っています。

ルールを明確に示しましょう

http://www.waseda.jp/student/shienshitsu/

 

障がい学生支援室
発達障がい学生支援部門
学生支援コーディネーター・臨床心理士 温泉 美雪(おんせん みゆき)

障がい学生支援室 発達障がい学生支援部門 学生支援コーディネーター・臨床心理士 温泉 美雪 「一人で悩まず、ぜひ障がい学生支援室に相談してください」

発達障がい学生支援部門
学習会を開催!

早稲田キャンパス25号館(大隈ガーデンハウス)1階 03-3208-0587

発達障がい支援部門 地図

発達障がい支援室

発達障がい学生支援部門は、発達障がいのある学生の多様な学び方を支援するために、2014年6月に設置されました。支援では、まず学生が修学上の困難に対して自ら対処できる方法を検討し、自分の特性の理解やスキルアップを進めます。講義の録音許可や集中しやすい試験会場などの配慮が必要な場合は、所属学部・研究科や授業担当教員と相談し、学習や評価において合理的な配慮が受けられるよう調整していきます。これまでに40名強の学生が利用し、3名の学生支援コーディネーターが対応しています。
11月19日(木)には発達障がいに関する学習会を行います(P.7参照)。

身体障がい学生支援部門
支援ボランティア学生募集中学習会を開催!

早稲田キャンパス3号館1階 03-5286-3747 [email protected]

身体障がい支援

身体障がい学生支援部門では、聴覚障がい、視覚障がい、肢体不自由のある学生が、他の学生と同様に学べるよ

う支援しています。具体的には、パソコン通訳、記録、代筆、音声教材の文字起こし、移動支援などを支援ボランティア学生が行っています。また、安心して支援に入れるよう、支援スキル習得のための講座を用意しています。支援について興味や関心を持たれた方はお気軽に支援室までお立ち寄りください。メールでも受け付けていますので、ご協力をお願いいたします。障がい学生と支援ボランティア学生の交流会や他大学との交流会も実施しています。

身体障がい支援部門 地図

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