Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

キャリアにつなげる留学をしよう!

留学は、専門知識や語学力だけでなく、キャリアに生かせる多様な能力を身に付けるチャンスです。実際に留学経験がどのように役立つのか、校友(卒業生)の方々に伺いました。皆さんも自分らしいキャリアにつなげる留学へ、一歩を踏み出してみませんか?

▼アメリカ留学と NGOでの経験を生かし国際協力のキャリアを実現

独立行政法人
国際協力機構(JICA)
ザンビア在外事務所勤務

独立行政法人 国際協力機構(JICA) ザンビア在外事務所勤務 更科 亮

更科 亮(さらしな りょう) さん
(2009年国際教養学部卒業)

【留学先】        アメリカ オレゴン大学

【留学の種類】   交換留学

【留学の期間】  2年次 9月~3年次 7月(11カ月)

 

苦手な英語克服のために留学を決意

高校生のときにベトナムの孤児院を訪れたことから、国際協力の仕事に興味を持つようになりました。英語が苦手だったため、英語力向上と希望のキャリア実現を目的に留学を決意。しかし、大学入学後も英語の成績が思うように伸びず、限られたコースの中から、政治学を中心にさまざまな分野が学べるオレゴン大学を選択しました。留学中も英語には苦労しましたが、そのような経験を通じ、自分の弱い部分や努力すべき点を明確に意識できたと思います。

留学後は、志望する国際協力の道へ

留学や NGOでの活動を通じて、国際協力の大切さ・面白さを実感し、志望していた JICAに就職しました。留学中に多様な価値観に触れたことにより、日本の尺度で物事を見るのではなく、相手国の人たちが、どのような思考・ロジックで行動しているのかを把握する心構えができました。また、留学中の授業で鍛えられた論理的思考力や、自分の考えを分かりやすく伝える能力は、プレゼンテーションを行う際などに非常に役立っています。

皆さんも、学生時代にやりたいこと・やるべきだと思っていることには、できる限り挑戦してみてください。後で振り返ると、留学に限らず、学生時代に取り組んだことが真剣であればあるほど、その後のキャリアにつながるスキルを得ることができると思います。

●更科さんのキャリアパス

国際協力NGOで孤児院を支援

国際協力NGOで孤児院を支援

大学1年次より国際協力 NGO「風の会・東京」に所属し、カンボジア・バッタンバン州の孤児院支援を行う。日本でのチャリティーコンサート主催や、孤児院内の英語教育プロジェクトの拡大などを担当。カンボジアの人々が何に悩み、何を求め、何を目指しているのかを日々考えたことで、国際協力で必要な、支援をする国に住む人の生活を想像する能力を身に付けることができた。

 

オレゴン大学で政治学を中心に学ぶ

アメリカ人がどのような考えで自国の政治や他国を動かしているのかを知りたくて、政治学を選択。授業に追い付くことに必死で、毎日図書館で予習・復習を行う日々だったが、キリスト教徒の勉強会に積極的に顔を出したり、留学生仲間とイベントに参加したり、なるべく多くの人の価値観に触れ、その考えを吸収するように心掛けた。メキシコのユカタン半島まで一人旅をしたことも楽しい思い出。

JICAに就職し、ザンビア支援に携わる

JICAに就職し、ザンビア支援に携わる

留学や NGOを経験し、あらためて世界と関わる職を志望。 JICAでは、国内勤務を経て 2年前にアフリカ・ザンビアの在外事務所に派遣され、現在は契約関連手続き、総務・経理関連の総括などを担当。今夏から教育や民間企業支援の業務に携わる。今後はアフリカでより広い視野を身に付け、ザンビアだけでなくアフリカの国々が日本のパートナーになれるような環境づくりに貢献したい。

 

▼留学をきっかけに、多くの国の人と関わる仕事を希望

TIJ東京日本語研修所勤務 
山下 直子(やました なおこ) さん
(2010年商学部卒業)

TIJ東京日本語研修所勤務 山下 直子

【留学先】     中国 復旦大学
【留学の種類】 ダブルディグリー
【留学の期間】 3年次 9月~ 4年次 7月(11カ月)

小学生のころ中国・上海に住んでいましたが、日本人学校に通っていたため中国語を話せませんでした。そこで、大学1年次終盤から本格的に中国語の勉強を始め、 2年次の夏休みに1カ月、 3年次に 1年間の留学をしました。

最初は友人もおらず、授業にも付いていけず、非常に苦労しましたが、次第に友人もでき、中国人だけでなく、さまざまな国籍の人と仲良くなることができました。

留学前は父と同じ会計系のキャリアを考えていましたが、帰国後は多くの国の人と関わる仕事をしたいと思うようになり、日本語学校へ就職しました。留学生に中国語・英語で対応することはもちろん、どちらも通じない場合でも、相手の言いたいことを想像し、伝えたいことを表現する力は、留学中に身に付いたものです。

留学で日本を離れることは、日本の良い部分・悪い部分を見つめ直す良い機会になると思います。その経験を大切にして、留学後はより良い日本をつくり、日本と世界をつなぐ懸け橋になってほしいと思います。

●山下さんのキャリアパス

中国・上海にある復旦大学で報道・広告を学ぶ

中国・上海にある復旦大学で報道・広告を学ぶ

中国における日本や海外の企業 PRとイメージ戦略についてアンケート調査を行う。報道の授業では、「言論規制」というイメージに反して、非常に自由かつ活発に議論がなされていた。大学以外では日経新聞上海支社や、企業の採用面接会スタッフのアルバイトをしたり、早稲田大学の OBOGが集まる上海稲門会にも出席。また、時間を見つけてはさまざまな場所へ旅行に行った。

日本に来た留学生をサポートする仕事に従事

日本に来た留学生をサポートする仕事に従事

業務は、日本語の勉強を志す外国人の問い合わせ対応、イベント企画、留学生の入国に関わる各種業務など多岐にわたる。私自身、留学中に現地の方のサポートを大変ありがたく感じた経験があるので、自然と留学生を助けたいという気持ちにつながっている。今後は、業務の幅を広げ、学生が日本でより暮らしやすく・就職しやすい環境やシステムをつくっていきたい。

 

▼“好きなこと”を結び付けて築いたキャリア

日本サムスン(株)勤務 谷中 謙一

日本サムスン(株)勤務
谷中 謙一(やなか けんいち) さん
(2007年社会科学部卒業)

【留学先】    韓国 漢陽大学校
【留学の種類】 交換留学
【留学の期間】  3年次 3月~4年次2月(12カ月)

1年次の韓国研修旅行をきっかけに、韓国留学を考え始めました。 2年次には友人と韓国の伝統楽器を演奏するサークルを立ち上げ、韓国語や文化を学び、 3年次に韓国・漢陽大学に留学しました。授業やサークル活動の他に、休暇になると伝統楽器を担いで農村に行き、農家の人々と交流する貴重な体験をしました。

留学を機に初めて世界に出て、たくさん刺激を受けたので、仕事をする上でも世界を相手に刺激的な仕事をしたいと思うようになりました。そこで、世界的に有名な韓国企業で、日本とのつながりも長く、いろいろな意味で注目される日本サムスン(株)に就職しました。

留学中はアルバイトやインターンシップを行わなかったので、直接業務に結び付くスキルは身に付いていませんでしたが、そのような技術面は入社後で間に合うと思います。留学で培われたことで社会で一番役に立っているのは、メンタルです。思いどおりにいかない場面や理不尽な状況をいかに打開していくか。こうした局面に立ち向かうときに留学経験が力を貸してくれると信じています。

 

●谷中さんのキャリアパス

韓国・ソウルにある漢陽大学で留学生活を謳歌(おうか)

韓国・ソウルにある漢陽大学で留学生活を謳歌

午前は語学の授業、午後は学部の授業、放課後は韓国の伝統音楽サークルの活動、夜は友人と交流する日々。「留学生」という肩書は強力で、自ら動き回れば何倍ものチャンスが巡ってくる。多少無理をして交友関係を広げていたが、特別な日常を謳歌できる高揚感が疲れを吹き飛ばしていた。また、ソウル市の環境政策に関して興味があり、授業とは別に調べたことも。

日本サムスン(株)に就職

日本サムスン(株)に就職

入社後 5年間はサムスングループ商事部門で電子関連部材や産業機器のトレーディングに従事。その後、経営企画室を経て、現在、 LEDチップの国内営業に従事。当面の目標は、サムスンの LEDを国内シェア1位にするため、目の前の問題を解決して受注に結び付けること。最終的には子どもや後輩に胸を張って語れるような偉業を成し遂げたい。

 

▼留学のことなら学生留学アドバイザーが相談に乗ります!

学生留学アドバイザー
政治経済学部 5年 飯野 花音(いいの かのん)

留学をキャリアにつなげるために

学生留学アドバイザー 政治経済学部 5年 飯野花音

私は 3年次の 9月から、フランスのリヨン第 3大学に1年間留学しました。留学中、時には友人が就職活動をしている様子を SNSなどで知り、不安や焦りを感じましたが、「現地でしかできないこと」に全力投球しました。実際にこの1年でさまざまな価値観に触れられ、希望のキャリアをじっくり見つめ直すことができました。業種によっては採用動時期が早い場合があり、留学前に帰国後のキャリアプランを意識した情報収集を行うことを強くお勧めします。採用活動に関して不明瞭なことも多いので、学生留学アドバイザーを存分に活用して、生の情報を集めてみてください。

 

よくある質問とそのアドバイス

Q.留学して「国際協力の仕事」をしたいのですが…。

「国際協力の仕事」という漠然としたイメージで、国際協力機関や外務省を希望する人もいるのではないでしょうか。実際は、多くの民間企業が国際協力事業に携わっていますし、職種も幅広くあります。まずは、動機やイメージしている仕事を整理して、希望のキャリアを明確にしてから、実現するためにどんな留学プランが最適なのかを考えることをアドバイスしています。

 

Q.どのタイミングで留学するのがいいのでしょうか?

留学には、出願・選考・準備として約 1年の期間が必要になります。そのため、国際教養学部以外では、 2年次に出願して 3年次から留学する人が多いようです。留学時期によっては、卒業が 1年延びることに不安を感じる人がいるかもしれませんが、「ポジティブな選択」と考えると良いのではないでしょうか。ただ、家族の理解・協力も必要になるので、あらかじめ相談することをお勧めします。

 

Q.留学したことで、就職活動の際に不利になることはありますか?

私自身の就活経験では、留学で卒業が延びたり、課外活動を断念していても、不利になるとは感じません。ただ、留学して語学力向上・異文化交流したというだけでは、有利になるとも感じません。苦労の多い留学生活をいかに乗り越えたか、その力を希望の職種にどのように生かすのかを自分なりに伝えることができないと、留学をキャリアに生かすことはできないと痛感しています。

 

▼Waseda Global Gateに行ってみよう!

早稲田キャンパス 22号館 1階「Waseda Global Gate」では、派遣留学に関する情報提供やカウンセリングなどを行っています。留学が気になったら立ち寄ってみましょう。

 

▼学生留学アドバイザーの Facebookをチェック!

留学をキャリアに生かすイベント情報は、学生留学アドバイザー公式 Facebookで随時発信中。その他、留学経験者の体験談も紹介されています。

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早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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