Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

科学的側面から見ると野球はもっと面白い!

東京六大学野球秋季リーグ戦特集

11月1日(土)・2日(日)の早慶戦を盛り上げよう!

スポーツ科学学術院教授 矢内 利政 (やない としまさ) 中京大学体育学部卒業後、米国アイオワ大学にて博士号取得。研究テーマは、スポーツパフォーマンスとスポーツ傷害のバイオメカニクス的分析。中でも野球においては、プロ野球、社会人野球、大学野球の現場に密着した学際的研究を実施し、チームや選手のサポートを行う。

 

秋の早慶戦では春の雪辱を果たしたい!そう意気込む選手に必要なのは、満員の応援席からの声援です。そこで、彼らの抜群の身体能力や瞬時の判断力に注目して、より熱い声援を送りましょう!科学的知見に基づき野球の技術指導をサポートされている、矢内利政スポーツ科学学術院教授にお話を伺いました。

 

科学で斬る野球① 飛球が滞空する3.5秒の間に外野手はどこまで守れるか?

守備の定位置からいかに遠い地点の飛球を捕れるか。これが守備範囲の広さ。打者の放った飛球が地面に落下するまでの時間は最大で約6秒、平均で約3.5秒。この間、外野手は飛球を目で追うため全力疾走は難しいが、飛球の動きが読める選手ほどスピードを落とさずに済む。100m11秒台の選手であれば3.5秒で全力疾走できるのは20 ~25m。その8割の力を発揮できれば、直径16 ~20mの円が守備範囲となる。

フットサルのピッチは「40m・0m」。外野手の多くは一人でピッチ全域を守っているといっても過言ではない!?

フットサルのピッチは「40m・0m」。外野手の多くは一人でピッチ全域を守っているといっても過言ではない!?

 

 

科学で斬る野球②  わずか“3.5秒”の攻防!? 走力vs 阻止力

P2-ボルト-ラップタイム盗塁やタッチアップは攻守のせめぎ合いを楽しめるプレー。塁間27.48mを走るのに要する時間は世界最速のウサイン・ボルトでも3.5秒程度。つまり、守備側は3.5秒以内に送球を済ませれば走者をアウトにできる。

 

科学で斬る野球③   ホームランか外野フライか!?運命のカギは打球速度と角度

ホームランには打球の速さと角度が求められる。角度20 ~35度・速度150 ~160kmの打球はスタンドに入る可能性大。ちなみに角度20度はボールの最高到ww1348_Z—¹_z12.indd達点が20 ~30m、角度35度では25 ~50mくらい。ファウルポール(18m)、照明塔(40m)を目安にすると高さが把握しやすい。

・盗塁
攻撃側走者の進塁方法の一つ。走者が守備側の隙をついて(主に投手が投球姿勢に入ったとき)次の塁へ進むプレー。投球動作開始後、球が捕手に届くまでは1.5秒前後。従って、捕手は2秒少々で盗塁先へ送球できれば盗塁阻止が可能。二塁盗塁の場合、走者は捕手が送球に入るまでに二塁から12m手前まで走れるかがカギ。

・タッチアップ
攻撃側の走塁戦術の一つ。打者が打ったフライを野手が捕ると同時に、走者が次の塁を目指してスタートするプレー。
外野手が秒速30mで返球できる場合、0.5秒を送球フォームで消費すると考え、ホームから90m地点がタッチアップ成否の分岐点。ライト・レフトなら定位置のやや後ろ、センターであれば定位置のやや前。

・内野安打(ヒット)
内野ゴロを打った打者がセーフになる状態。内野手の捕りにくい場所に打球が転がった場合などに発生しやすい。
内野安打になりやすいといわれる三遊間は一塁から40m以上。その位置からの返球は1秒以上かかるため、バッティングの瞬間から内野手が捕球、送球に入るまでに2秒以上かかるようだと際どい判定に。

 COLUMN 「球種」にまつわる驚きのトリビア!

1. 「直球=(真っすぐの球)」は存在しない!?
球種の一つ、ストレートを字義通り「直球」と解釈している人は多い。だが、実際は多少なりとも腕に角度をつけて投げ込むので、シュート回転(投手の利き腕方向に曲がる)している。下図は代表的な球種の軌道の比較。驚くことに、ストレートは他の変化球よりも変化が大きいことが分かる。

2.  球種は投手の自己申告で決まっている!?
当然ながら同じ球種でも変化の具合は投手によって異なる。だからこそ、類似した球種であれば「A投手のストレートとB投手のシュートがほぼ同じ」ということも起こり得る。丸で囲った球種同士は、質の面で差異がほとんど見られなかったもの。「球種」は、実は投手の自己申告で決まるそうだ。

 

MESSAGE  「皆さまのご支援・ご声援が最大の原動力です」

野球部 第104代主将
スポーツ科学部4年 中村奨吾

ww1348%20P2%20中村主将

この秋の早慶戦は私たち4年生にとっては最後の早慶戦となります。この舞台に向けて、4年生を中心に日々の練習に励んでまいりました。早慶戦という学生野 球の最高峰の舞台で野球ができることに感謝し、チーム一丸となり最後まで諦めず全力で戦い抜きます。皆さまの応援が私たちの力になりますので、ぜひ神宮球 場まで足を運んでください。

●野球早慶戦の概要とチケット販売について
・試合日程   1回戦11月1日(土)13:00~
2回戦11月2日(日)13:00~
・試合会場   明治神宮野球場
・応援席券(500円)販売場所
各キャンパスの早稲田大学生活協同組合店舗
・販売期間   10月20日(月)10:00~25日(土)
販売時間は店舗によって異なります。一人につき20枚まで、一般の方も購入可能。早慶戦以外のチケットも販売しています。
詳細は以下Webサイトをご覧ください。
早稲田大学生活協同組合URL

●学生部より
野球早慶戦観戦に際して
かつて、学生のマナーを欠いた行動が球場周辺や新宿歌舞伎町などで見られましたが、最近は改善傾向にあります。今後も早大生として節度ある行動を心掛けてください。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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