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特集

ネット時代の人間関係とは? SNSとの上手な付き合い方

スマホ、そしてSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の時代―SNSが原因のトラブルも当然日常的に起こり得ること。では、私たちはどんなことに気を付ければいい のでしょうか。今回の特集では、医師で教育・総合科学学術院教授の堀正士保健センター所長に、仲間との交流の場としての側面から、SNSの利用に当たって の心構えを教えていただきました。

sns_堀先生MG_7356保健センター所長
教育・総合科学学術院教授 堀 正士 (ほり まさし)

筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学博士(医学)。医療法人社団有朋会栗田病院医局長、筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授な どを経て、2010年4月より現職。専門は臨床精神医学(青年期精神医学、感情障害、睡眠障害)、学生のメンタルヘルス、職場のメンタルヘルス(特に教職 員のメンタルヘルス)、アスリートのメンタルヘルス。

STEP1
SNSの利点をあらためて考えてみる

―FacebookやTwitter、LINE……。
爆発的な広がりを見せているSNSですが、どのような利点が挙げられますか?

スマートフォンやモバイル端末の普及によって、“即時性”というメリットがあらためて注目されています。自分の好きなタイミングで文章や写真を投稿することができ、数十秒後には、仲間たちからのリアクションが得られるのです。私が若い頃には考えられないことでした。

―では、メンタルヘルスの観点からはいかがですか?

sns_1「仲間に認められたい」「他人に褒められたい」という他者からの評価―これを“自己承認欲求”といいますが、そういった精神的な満足を“すぐに”“手軽に”得ることができますので、メンタルヘルスを保つ上でも、十分メリットがあると考えられています。

その他の利点としては、コミュニケーションに関する“進化”でしょうか。それは何かというと、字面から相手の感情を察する能力です。SNSは、“文字のコ ミュニケーション”が基本ですから、顔色や声色から相手の感情をうかがい知ることはできません。そのため、タイムラインから会話のノリを読んだり、投稿に どんな意図があるかをくんだりと、対他的な配慮が不可欠です。SNS世代は、他の世代と比べて“文字のコミュニケーション”に長けているといえますね。

ただ、ここで挙げた利点は欠点と表裏一体の関係。SNSの利点だけでなく、欠点についてもよく理解する必要があります。

STEP2
SNSのつながりを理解する

―SNSと上手に付き合うために、注意すべきことを教えてください。

SNSは、基本的に仲間との交流の場ですから、自分と異なる意見に同調せざるを得ない場面もあるでしょう。いくら便利なツールだからといって、そうしたこ とを積み重ねていけば、誰でも精神的に疲弊してしまう。このようなSNSの欠点を避けるためにも、SNSとの程よい距離感を見つけることが重要です。

また、同じコメントなのに、時間を置いて読み返すと、受け取る印象が違うことはありませんか? 人は、そのときの自分のネガティブな感情を相手のコメントに“投影”してしまうことがあり、“投影”の程度は、内容が事務的であるほど強まるとされていま す。そのことを認識できると、コメントを気にし過ぎるということも無くなると思います。

とはいえ、「人からどう思われているか」が気になるのは、青年期特有のもの。特に、団体行動を重視する女性に、その傾向が強いといわれています。ですから、SNSへの依存に心当たりがある人も、日常生活に支障を来すようなことがなければ、問題視する必要はありません。

✔SNSとの程よい距離感って?

□SNSへの投稿が滞らないように、投稿のタイミングを計ったり、過度にネタ探しをしたりすることがある
□SNSにアクセスしてから、気付くと数時間が経過し、学業などの優先事項をおろそかにしてしまうことがある
□SNS にアップした自分の投稿に「いいね!」が付かないと不安になったり、コメントの内容によって気持ちが大きく左右される
□ほんの数 十分でも、SNSがチェックできないとイライラしてしまう
□SNSの投稿からうかがえる知人や友人のプライベートがうらやまし く、自分がみじめに感じることがある

以上の中から思い当たることが一つでもあれば、程よい距離感を見失っている可能性がありま す。

Q. SNSを利用する中で、仲間内や知り合いの間で
嫌な思いをしたことはありますか?

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  • Facebookで勝手にタグ付けされた。写真にお酒が写り込んでいたため、未成年者の私があたかも飲酒したかのような印象を周囲に持たれてしまった。(人科2年女性)
  • Twitterで「母校の~」とツイートしたのに、リプ(リプライ)をした同じ学校の友人は学校名を伏せることをせず、個人情報が特定されそうになった。(スポ科2年女性)
  • サークルの中でSNSを利用していない人が話題についていけなくなり、距離感が生まれてしまった。(商学4年男性)
  • SNSを通じて女性関連のデマを流され、所属していたサークルのうち一つは事実上の出禁、もう一つでは執拗な嫌がらせを受けた。 (社学3年男性)
  • LINEで未読のままなのにTwitterを更新していることに対して、友人から文句を言われた。 (国教1年女性)
  • 鍵をかけていない知人のTwitterで偶然、私に関する内容のネガティブなツイートを見てしまった。 (先進4年女性)
  • サークルの一部のメンバーはLINEでグループをつくっていたが、グループから漏れていたメンバーがそのことを知ってしまい、もめ事になった。(政経1年男性)

 

SNSとの上手な付き合い方については、以下のWebサイトもご覧ください。

・Web版早稲田ウィークリー 2012年12月6日News&Topics
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)との上手な付き合い方を学ぼう!

※SNSを介しての誹謗中傷やなりすましなどに気付いたら、すぐに所属学部・研究科事務所に相談しましょう。

STEP3
自分のSNSルールをつくる

―SNSに振り回されないためにも、利用上のルールは必要ですか?

そうですね。SNSに頻繁にアクセスしてしまうのは、ドアにしっかり鍵がかかっているかどうかを何度も確認してしまう“強迫性障害”のメカニズムに近いも のがあります。また、書き込みのペースは、どうしても頻繁に投稿する人に合わせざるを得ませんし、コメントの既読機能による影響も無視できません。

sns_2_SNSに依存している自覚がある人は、できれば仲間も巻き込んで、「夜12時以降は返信しなくてもOK」「誰かの誹謗中傷はやめよう」といった集団のルールをつくることをお勧めします。

さらに、自分自身でもルールを持ちましょう。SNSの利点である“即時性”を考えても、SNS上には、そのときの感情や衝動に任せて発せられた言葉があふ れているといえます。つまり、次の瞬間には発言を変えるケースも多々あるのです。人のコメントについては、とにかく深く考え過ぎないことが肝心です。

一方で、「自分が誰にフォローされ、自分のコメントが誰の目に触れる可能性があるのか」を常に意識しておくだけでも、自分の発言が誤解を招いたり、誰かを傷付けたりといったリスクを回避することができるはずです。

そして万が一、SNSで誤解やトラブルが生じたら、決してSNS上で解決しようと考えないことですね。行き違いがあれば、会ってとことん話をする。結局は、これに尽きると思います。

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