Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

君は校歌が歌えるか

学生部長 笹倉  和幸(政治経済学術院 教授)

「都の西北」で始まる早稲田大学校歌。早稲田大学創立25周年を記念して1907年に制定された。作詞は卒業生の相馬御風、作曲は講師の東儀鉄笛が担当した。歌詞の最後に繰り返される「早稲田、早稲田」を付け加えたのは、早稲田四尊の一人坪内逍遙であった。校歌には当時の早稲田人の熱き思いが込められている。

校歌の歌唱指導を行ったのは早稲田大学音楽会声楽部。現在の早稲田大学グリークラブである。校歌は創立25周年記念式典で歌われた。そのときの出席者の中心には初代総長の大隈重信がいた。大隈は校歌を聴いた最初の総長だったのである。その後、校歌は「第二の日本国歌」とさえ言われるほど誰からも愛されるようになり、「都の西北」は早稲田大学の代名詞となった。

しかし、今、その校歌が危機的状況にある。図を見てほしい。これは昨年、学生部が学部学生1万人に対して行ったアンケート調査の結果である(回答者は4,037人)。「歌詞を見ずに校歌をどのくらい歌えますか」という質問に、「3番まで歌える」と答えたのは回答者の9.4%に過ぎなかった。回答者は早大生としての意識の高い模範的学生とみなせるので、早大生全体での数字はさらに低くなると予想される。100年を越える校歌の栄光ある歴史を振り返るとき、早稲田大学はこの結果を深刻に受け止めるべきである。

ここで問いたいのは次の命題の真偽である:校歌の歌えない早大生は本当の早大生とは言えない。私はこの命題が真だと思うが学生諸君はどうだろうか。校歌が歌えなくなった原因はさまざまに考えられるだろうが、今はそこまで考察する余裕はない。年が改まり、卒業式と入学式は目の前にある。とりあえず私が今希望することは次のことである:校歌を歌いながら母校から旅立ってほしい、校歌を歌って新入生を迎え入れてほしい、歌詞を見ないで3番まで。

参考:校歌は以下の早稲田大学Webサイトで視聴することができる。
https://www.waseda.jp/top/about/work/almamater

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