Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

『早稲田ウィークリー』読者モニターが行く 坪内博士記念演劇博物館&會津八一記念博物館 ミュージアムツアー

早稲田キャンパスにある二つの博物館は、収蔵作品はもちろん建物自体も一見の価値があります。そこで今回、両館の学芸員の案内で、読者モニターの学生3人が博物館を探訪しました。皆さんも、身近にある博物館の新たな魅力に触れてみてください。

教えてください!
政治経済学部4年 加藤 久幸
商学部4年 生越(おごし)友香子
法学部4年 浅井 彩香

加藤 久幸(左)、 生越(おごし)友香子(中央)、浅井 彩香(右)

私たちがナビゲートします!
坪内博士記念演劇博物館 学芸員 永井 美和子さん
會津八一記念博物館 学芸員 浅井 京子さん
會津八一記念博物館 学芸員 中門 亮太さん

坪内逍遙・會津八一はこんな人

坪内  逍遙(1859年〜1935年)  (演劇博物館)
小説家・翻訳家・評論家・劇作家。東京大学卒業後、早稲田大学の前身である東京専門学校の講師となり、文学科の設立に貢献(後に早稲田大学教授)。『小説神髄』や『当世書生気質』を執筆するなど、近代文学の先駆者として大きな影響を与えた人物です。逍遙の古稀(70歳)とシェイクスピア全訳の偉業を記念し、1928年に演劇博物館が建設されました。

 

 

 

會津  八一(1881年〜 1956年) ( 會津八一博物館)
歌人・東洋美術史学者・書家・教育者。早稲田大学文学科で英文学を学び、20歳にして新潟の地元新聞の俳句選者に。逍遙の推挙で早稲田中学校の英語教員となり、後に早稲田大学でも教鞭をとって、多くの優秀な人材を輩出しました。博物館には彼が私費で収集した、自身の研究と学生の教育のための美術品が多数収められています。

 

 

 

 

中学生の頃、海外でシェイクスピアの原書を勉強したことがあるのですが、その昔坪内逍遙が翻訳していたとは驚きました。展示品のノートに何度も赤ペンが入れてあったのを見ると、どこか自分の苦労と重なり合うようで、懐かしかったです。 (加藤)

歴史ある建物に注目!

演劇博物館 1928年竣工


逍遙の発案で、イギリスの16世紀エリザベス朝時代の劇場「フォーチュン座」を模して造られました。逍遙は建物それ自体が演劇資料となることを望み、実際に正面の屋根のある張り出した部分が舞台、建物の両翼は桟敷席になります。

會津八一博物館 1925年竣工

演劇博物館、會津八一博物館ともに、理工学部教授を務めた今井兼次名誉教授が設計しました

もともとは早稲田大学図書館(1925年竣工)だったものを改修し、1998年に博物館として再生。1999年には「東京都選定歴史的建造物」に指定されました。美しい6本の円柱のある玄関大広間から続く大階段、そして高い天井を持つ2階の展示室と優美な空間が広がっています。以前は図書閲覧室だった2階の展示室に置かれたガラスケースは、かつて閲覧室に並んでいた机をイメージし、高さを抑えた設計になっています。

・歴史ある建物だと感じさせる外観です。そのためか、かえって学生は入りづらいと感じてしまうのかもしれません。中に入ってみると、外から見ていたときよりもずっと広く感じました。ゆったりしていて、休み時間の息抜きにも良さそうです。 (生越)

見逃せない逸品は?

演劇博物館 古今東西の豊富な演劇資料
演劇に関する数多くの資料を収集し、中でも錦絵は4万7,000枚、舞台写真は20万枚、貴重な能装束も多数と圧倒的な所蔵数を誇ります。企画展は年間約10本、常設展も年2回展示替えされ、訪れるたびに違う資料が見られます。

「明暗」 横山大観、下村観山画 (會津八一博物館)

會津八一博物館 「明暗」 横山大観、下村観山画(1927年/紙 墨・金銀泥/直径445.0cm)
竣工当時の総長、高田早苗が親交のあった日本画家の巨匠、横山大観と下村観山に依頼して制作された大作です。混沌とした暗闇から読書を通して、明るい知の世界に向かっていってほしいという願いが込められています。

・この作品は、写真で見たとき、1階から見上げたとき、2階から近くで見たとき、それぞれ違った趣を与えてくれるものでした。かつて図書館で勉強していた先輩は、勉強の合間にどんな気持ちでこれを見ていたのかな、と思わず想像したくなります。 (浅井)

学芸員の私的おすすめはコレ!

演劇博物館 帝国劇場模型(2002年 縦104.0×奥行137.0×高さ59.0cm)
1911年竣工の「帝国劇場」の大型模型がおすすめです。建設時の設計図を博物館が所有しており、これを元に制作されました。100年前、赤レンガの建物が建ち並ぶ東京・丸の内で、白い壁の劇場はひときわ輝きを放っていたことでしょう。(学芸員・永井さん)

 

 

會津八一博物館 縄文土器
早稲田大学の研究チームが青森、茨城、千葉などで発掘した縄文時代の土器が私のおすすめです。細かな模様が施されたものや躍動感溢れる土器を間近で見ることができます。 (学芸員・中門さん)

 

 

 

ミュージアムツアーを終えて

・4年間素通りしてきたことがもったいなく感じられました。卒業までにぜひ友人を連れて再度訪れたいです。(加藤)

・教室棟と同じキャンパスにあるとは思えないほどゆったりした雰囲気だったので、休み時間の息抜きに利用したいです!(生越)

・「ふらっと立ち寄るような感覚で気軽に来てほしい」という学芸員さんのお話が印象的でした。これを機に、私も積極的に訪れたいと思います。 (浅井)

『早稲田ウィークリー』読者モニターに聞きました
演劇&會津八一博物館のここが好き!

坪内博士記念演劇博物館

・趣を感じる建物で、歴史を感じます。(商学3年・男性)

・演博図書室の、長年使われてきた貫禄ある机・椅子が気に入ってます。(人科2年・女性)

・想像以上に展示物がたくさんあります。(先進4年・女性)

・こんなすごい博物館が無料で入れるなんて驚きです。(教育3年)

・2階の逍遙記念室の荘厳さが好き。(文1年・女性)

場所:早稲田キャンパス5号館
開館時間:月・水・木・土・日10:00~17:00 火・金10:00~19:00
休館日:Webサイトでご確認ください
入館料:無料
http://www.waseda.jp/enpaku/index.html

會津八一記念博物館

・横山大観の絵画「明暗」には、鳥肌が立つくらい圧倒されます。(法学1年・男性)

・1階の青銅大扉の透かし窓から大隈講堂が見えるように作られていることに感動。(文構2年・女性)

・中にある美術品だけでなく、建物自体も装飾的で素晴らしいです。(文1年・女性)

・かつて図書館だった2階の展示室は天井が高く、当時の先輩がうらやましいなぁと思います。(法学3年・男性)

場所:早稲田キャンパス2号館
開館時間:月~土10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:日曜・祝日・大学が定めた休日
入館料:無料
http://www.waseda.jp/aizu/index-j.html

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早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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