Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

早稲田の海外留学が減っている? 学生による学生を“揺さぶる”改革が始まる

Vision 150 Student Competition総長賞座談会【後編】

学生が自由にテーマを考えて大学側へ具体的な施策を提案する「Waseda Vision 150 Student Competiton」。2016年度に同コンペで金賞(総長賞)を受賞した「W3~W-Cubed~」の提案は、早稲田大学の学生がより積極的に国際交流を深めていく制度的な仕掛けに関する提案です。チームのメンバー4名と、審査にあ たった橋本周司・副総長(理工学術院教授)と村上公一・学生担当理事(教育・総合科学学術院教授)による座談会の後編では、実現に向けた具体案についても言及されました。

前編「留学生数1位の早稲田、国際交流が盛んと思ったら意外と… 4人の早大生が始める大学改革プラン「W3」とは?」

参加者

早稲田大学副総長 橋本 周司 (はしもと・しゅうじ:理工学術院教授)
早稲田大学理事 村上 公一(むらかみ・きみかず:教育・総合科学学術院教授)

「W3~W-Cubed~」メンバー

国際教養学部 4年 黒田 千滉(くろだ・ちひろ)
国際教養学部 4年 倉林 鮎子(くらばやし・あゆこ)
国際教養学部 4年 ヨアキム・エリック・グッナル・ラーソン
教育学部 4年 イ・ヨンア

金賞を受賞し、鎌田薫総長(左端)と記念撮影する4名

留学に行く学生が減っているのはなぜか?

村上理事

近年は留学に行く学生が減っています。一時期増えていたのですが、行かなくなっている。当初、Waseda Vision 150で計画したようには増やすことができていません。特に留学センターが提供している短期留学プログラムが減っています。それはどうしてだと思いますか? 留学する学生が減っているという実感はありますか?

留学に行く人が減っているのは、日本だけの問題ではないと思います。やはり国際社会で顕著になっているナショナリズムなどがそれに影響していると思うのです。例えば、ニュースでテロ事件や紛争問題などについて繰り返し報道されると、そこから不安な気持ちが生まれ、海外留学の障壁になるのではと思います。しかし、一方で学生自身がわざわざ外国に行く必要性を感じていないという点も、留学に行く人が減っている要因の一つだと思います。日本は平和な国なので、留学に行かなくてもこのまま生きていける。学生が真に留学に行く意味を知れば、Waseda Vision 150で大学が提唱するように留学に行く学生を増やすことができるのではないでしょうか。

村上理事

こうして今まで生きてこられたら、何も外国に行く必要はないのではないか、という考え方ですね。留学に行かなければ就職に差し支えるとなれば違うでしょうけれど。

 

橋本副総長

そのままの人生でいい、と考える人もいますからね。

 

村上理事

そのままにしないのが早稲田大学ですから(笑)。早稲田大学に来た以上は、何かに揺さぶられなければならない(笑)。その揺さぶるものとしてW – ClassとW – Mentorがある。間違いなくこれで揺さぶられるだろうなと思います。

橋本

留学に行きたくなる。国際交流がしたくなる。やはり揺さぶらなければなりません。世界は面白いんだ、ということを言わなければなりません。

 

黒田

大学にシステムはあるけれども、それを利用して何かをするのは学生に懸かっています。メンターも学生同士。結局は学生が学生を揺さぶるのです。ICCや留学アドバイザーなど早稲田大学の中で、国際交流に興味のある人は多くいます。メンターに関しては、そういう学生が集まることで、結構な人数になるのではないかと思います。

 

倉林

W – Mentorは留学生と合わせて、まず40人くらいの規模で今年の9月から実現できたらと考えています。まず私たちがメンターになります。また、興味を持っている友人や後輩にも声を掛ければ20人くらいは集められると思います。

 

村上理事

それは極めて実現性のある提案ですね。今回の提案は組織や施設を造るのではなく、制度やプログラムを作るというものです。そこでは、やってみたいと思う人がいるのが一番大切なことです。

橋本副総長

40人くらいのトライアルであれば9月からできますね。

 

村上理事

メールやWebサイトで呼び掛け、「こんな制度があるのか」と興味を持った学生から始めるというのも良いと思います。とにかくトライアルをするんだと、今、橋本先生がそういう決断をされました(笑)。

 

ヨアキム

1年生が入学したときに直接、紹介してもいいのかもしれません。1年生のクラスの先生に声を掛けてもらうのも良いと思います。

 

橋本副総長

文章を作成して大学のメッセージとして、学生のボランティアで行っていることを伝えてほしいと思います。

 

村上理事

スチューデント・コンペティションから出た提案であるとし、その実現の一環として、今回は有志の活動であると示していくのはどうでしょうか。成果を見て、来年度以降、皆さんの思いが大学組織によって正規の仕組みになっていくと良いですね。最後に皆さんから一言ずつお願いします。

「目標に向かって一歩を踏み出すパワーを」

倉林

私の父が早稲田大学出身で楽しそうに大学生活のことを話すので、私も幼稚園の頃から早稲田に行きたいと思っていました。結果、15年間もの私の熱い思いを早稲田が受け止めてくれて(笑)、さまざまなことに挑戦できて、大きな成長も感じており、とても感謝しています。なので私も大学に対して恩返しができたらと思っています。早稲田がもっと魅力的な大学になって世界的にもさらに評価されるようになれば、これ以上にうれしいことはありません。私たちの提案がその第一歩になればと願っています。

 

大学の方から学生に、成長のためのプラットホームを提供することももちろん大事ですが、学生の方も、ただ受動的にそれらを受け入れるだけではなく、より主体的に考え、行動する姿勢を持つべきだと思います。大学は成長できるチャンスがたくさん転がっているところです。そのチャンスを拾うかどうかは、学生次第だと思います。なので、成長したい学生は、自分は大学で何をしたいのか、これからやりたいことは何か、と考えつつ、ぜひそのための挑戦をし続けてほしいと思います。

ヨアキム

自分としては早稲田を留学生にとって、もっと良い大学にしたいと考えています。「SILS Sempai Project」(※)に入り、僕だけじゃなく、多くの学生がより良い大学を作りたいと思っていることを知りました。でも具体的に何をしていいのか分からないでいる人も多いのが現実です。学外のボランティアに向かう人もいます。そこで大学の中に何かリソースが欲しいと思いました。僕たちの提案からプラットホームが作られ、そこから良い方向に向かうことができればと思います。

※国際教養学部が設置した新入生に対する情報提供や歓迎会を行う団体

Student Competitonでプレゼンテーションを行う黒田さん

黒田

このように、私たちは結構、考え方はバラバラなんです(笑)。応募した動機もそれぞれ違います。私は、ネガティブなものを打破し、目標に向かって一歩を踏み出すパワーや勇気を学生一人一人に持ってもらいたいと思います。留学をして大変なこともありました。その中でやり遂げたときに自分の成長も感じて、コンペにも挑戦したいと考えました。一つ一つ困難や意見衝突を乗り越えたときの達成感やチームで何かを作り上げる楽しさは、非常に刺激的だと学びました。そういう環境を作ってくれた早稲田大学に感謝していますし、そうした経験で成長すること、そのような環境にいることを早稲田大学の学生全員に知ってほしい。そのような経験はこれから社会に出ても役立つと思います。

 

橋本副総長

皆さんの熱い思いがとてもよく伝わってきました。大学としてはもっと学生に真ん中にいてほしいと願っています。皆さんのような意欲ある学生が早稲田らしさを前面に出して、積極的に他の学生に働き掛けていけば、大学も変わっていくと思います。今日は本当にありがとうございました。

(座談会撮影:商学部 5年 笹津 敏暉)

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