第16代早稲田大学総長として2期目(2014年11月5日~2018年11月4日)を務める大学院法務研究科の鎌田薫教授は2018年1月27日、大隈記念講堂で最終講義=写真=を行いました。
講義「民法(債権法)改正の意義」に入る前に、早稲田大学に入学した1966年当時を振り返った鎌田教授。「今日まで52年間、早稲田で過ごしてまだ卒業ができていない」と切り出し、主人公も作者・弘兼憲史氏も法学部の同期である漫画『学生島耕作』を題材に、早大闘争と呼ばれる学生運動が起こり、キャンパスに並ぶ警視庁機動隊の中を通って入学試験に臨んだこと、ストライキで授業が始まったのは6月だったことなどの思い出を語りました。
鎌田教授は「学生たちが真剣に物を考えて議論を交わし、非常に活気に満ちていた。これが私の早稲田の原体験で、多様な人たちが個性を思う存分に花咲かすことのできる大学だと感じた」とし、「教員になってからも高等教育の将来や日本の将来を一生懸命に考えながら行動している学生たちを見てきた。そういう学生たちとの緊張関係を維持していくことは大学人の義務だと感じている」と、教員として最後の講義に思いを込めました。