公認サークルが日頃の活動成果を自由に披露する、早稲田学生文化・芸術祭(以下、文芸祭)。第8回目となる今年は、約30の公認サークル・団体が早稲田キャンパス内の各会場でパフォーマンスを行います。早稲田が誇る学生文化の祭典を、毎年陰で支えているのもまた、公認サークル放送研究会の学生たち。広報活動や舞台のオペレーション全てを手掛けています。今回の特集では、それらを統括する国富 亮(くにとみ・りょう)さんと、フライヤーのデザインを担当した羽生田 翔太(はにゅうだ・しょうた)さん、そして三つの参加サークルのメンバーに、今年の見どころや意気込みを伺いました。早大生なら絶対に見ておきたい文芸祭。学生たちの限りないパワーを一緒に体感しましょう!
開催日時: 6月5日(月)~24日(土)
会場:大隈記念講堂、早稲田小劇場どらま館、ワセダギャラリー(27号館B1F)
サークル文化の祭典をフライヤーデザイン、オペレーションで支える放送研究会

文芸祭 統括 法学部 3年 国富 亮(くにとみ・りょう)
「放送研究会」には、映像技術部、音響技術部、照明技術部、制作部、アナウンス部の五つの技術部があります。野球の早慶戦や早稲田祭の特設ステージなど、早稲田内外の団体から依頼を受け、それぞれのニーズに合わせたオペレーション、MCなどを提供しています。文芸祭では、企画・立案・実行までの統括と、フライヤーデザイン、公演のオペレーション・MC担当として、毎年協力させていただいています。決して表舞台に出ることのない黒子役ですが、学内屈指のアートフェスティバルに関わることができ、とてもやりがいを感じます。

2016年第7回文芸祭の舞台も、鮮やかな照明で演出した
文芸祭は毎年6月初旬から開催されますが、年明け1月から、主催する学生部・文化推進部の職員の方と、スケジュールやフライヤーについて打ち合わせを始めます。今年の大きな特徴は、日程をコンパクトにまとめたことです。例年は2週間ほど開催していましたが、より“お祭り感”を出したいという思いから、大隈記念講堂の公演と早稲田小劇場どらま館でのワークショップを1週間に集約したので、”文芸祭ウィーク”として毎日楽しんでいただけます。また、今年は写真部の作品を大隈記念講堂のロビーに展示しますので、公演と一緒に鑑賞できます。ワセダギャラリーの絵画会、陶芸部の作品展示とあわせ、精魂込めた力作の数々をゆっくり堪能してほしいです。
文芸祭の魅力の一つに、「この日だけの特別なコラボ演目」があります。今年は、「津軽三味線愛好会 三津巴(みつどもえ)×早稲田ベリーダンスサークル SARAH berry」「下駄っぱーず×バンカライズム」が共演します。日本伝統文化と中東・アラブ文化圏のぶつかりあい、そして予測不能なパフォーマンスは期待大です。その一方で、例年より単独公演の割合が多いのも今年の特徴です。完成度の高いパフォーマンスと、各サークル独自の世界観をじっくり楽しんでいただきたいですね。
本番当日は、私たち放送研究会からも100人以上が関わり、大オペレーションとなります。国の重要文化財でもある大隈記念講堂でのパフォーマンスは、公認サークルといえど、年に数回しか許されていません。パフォーマーにとって大事な舞台だからこそ、自分たちの働き次第で祭典に花を添えることもできれば、一瞬にしてぶち壊すこともある…大きな責務を負っていると痛感しています。舞台監督を務める中原和樹さん(2008年、第一文学部卒業)の指揮の下、時には手足となり、学生の祭典が安全に、そして最高の舞台になるよう精いっぱい努めます。ぜひ文芸祭にお越しいただき、感動を共有しましょう!
- 「早稲田祭2016」特設会場
- 照明で舞台を演出する
フライヤーの幾何学的なモチーフは、一堂に会すサークル・団体をイメージ

文化構想学部 3年 羽生田 翔太(はにゅうだ・しょうた)
「放送研究会」制作部として、フライヤーのデザインを担当させていただきました。私が意識したのは、文芸祭はみんなで作り上げるものなので、多くの人の意見を集めた、集合体のようなデザインにしたいということでした。そこで、6~7パターンのサンプルを出し、学生部・文化推進部の担当職員の方や、学生の意見をヒアリングしてデザインを絞り、何度も修正を重ねて完成したのがこちらです。
背景に配した幾何学的なモチーフは、さまざまなサークル・団体が集まりパフォーマンスを繰り広げる様子をイメージしたものです。また、表の文字は目の導線を意識して、斜めに配置しました。
ポスターは、6月5日(月)から、東京メトロ高田馬場駅からJRに乗り換える階段の踊り場に、6月7日(水)から同じく早稲田駅下り線の改札口付近に貼られます。またA2サイズのポスターとフライヤーは、キャンパス内外で掲示・配布しています。一人でも多くの方に見てもらい、文芸祭に来てもらえたら、制作に携わった者としてうれしいです。
参加サークルからのメッセージ
J-popなどのはやりの曲で、ジャンルにとらわれないダンスを~早稲田大学ジャズダンスサークルOasis(オアシス)

左から、創造理工学部 3年 別府 愛莉(べっぷ・あいり)、幹事長 先進理工学部 3年 上田 聡美(うえだ・さとみ)、教育学部 3年 香川 桃花(かがわ・ももか)、 教育学部 3年 大沼 なな(おおぬま・なな) 。話を伺ったのは文芸祭担当の大沼さんと別府さん
「Oasis」は、部員約100人の大所帯のサークルです。今年も50名の新入生を迎えました。主な活動は、自主公演やさまざまな発表会やコンテストに参加するほか、都内9大学10サークルでダンスプロジェクト「α」を構成し、合同公演やコンテストも行っています。基本のジャズダンスに、ストリート系をミックスしたり、自分たちがやりたいダンスを自由に楽しんでいます。
文芸祭は、最高学年の3年生が選曲から衣装作りまで、ステージを主体的にプロデュースします。今年の文芸祭は30分、7曲。延べ60人ほどのダンサーが大隈記念講堂を彩ります。自主公演やライブに比べると短いステージですが、それでもバレエの要素が強いスロージャズや、オールドジャズ(ミュージカルのような本格的なジャズダンス)、ストリート系、R&B、ガールズ系、そしてオリジナルの艶(あで)やかな色気系「艶ジャズ」など、Oasis の世界がぎゅっと詰まった、見ごたえのある構成になっています。

学生会館で練習に励むメンバー
専属コーチの冨田良平さん(教育学部出身)が振り付けをしてくださる邦楽ロックで踊るジャズもあります。プロのダンサーで、Oasis のOBでもあるコーチのダンスは、ジャズをベースに、音楽に合わせたさまざまなダンスジャンルをミックスした唯一無二の作品です。また、今年は副コーチでサークルOGの石黒真理さん(教育学部6年)振り付けのダンスも初披露します。石黒さんの作品は、K-popの楽曲に合わせたガールズヒップホップ。私たち3年生も初めて踊るので、今から楽しみにしています。Oasis をまだ見たことがない方も、いつもライブを見に来てくださるファンの方も、ぜひ大隈記念講堂へお越しください。
- ロック系ジャズ
- アップテンポのロック
- 「早稲田祭2016」
- 2016年夏ライブ
- スロージャズ
ジャズダンスサークル Oasis Webサイト
ジャズダンスサークル Oasis Twitter
哀愁漂う「バンドネオン」の音色に酔いしれて~オルケスタ・デ・タンゴ・ワセダ

幹事長 文学部 3年 宮崎 有紀(みやざき・ゆき)
「オルケスタ・デ・タンゴ・ワセダ」は、全国で唯一、学生によるアルゼンチンタンゴ演奏サークルです。愛好家の間では知られた存在で、依頼を受けてライブハウスで演奏をしたり、各稲門会の集まりや、ダンスのアジア選手権で演奏することもあります。年末のリサイタルには毎年500名近い方が演奏を聴きに来てくれています。
文芸祭は早稲田祭と並び、学内で私たちの演奏を聴いていただける貴重な機会です。今年は昨年より15分長い45分間の持ち時間をいただき、アルゼンチンタンゴを代表する楽曲「ラ・クンパルシータ」をはじめ、レパートリーの中から厳選した約10曲を披露します。

「文芸祭」の練習に熱が入るメンバー
楽器編成は、バイオリン、ピアノ、コントラバス、ビオラ、チェロ、ギター、フルート、そしてアルゼンチンタンゴ特有の楽器、バンドネオンです。アルゼンチンタンゴはあまりなじみがないジャンルかもしれませんが、4拍子の1番目と3番目の音を強調するリズムと、バンドネオンの美しくも哀愁漂う音色とそのメロディーラインが最大の魅力です。メンバーのほぼ全員が、大学に入ってオルケスタ・デ・タンゴ・ワセダの演奏を初めて聴き、魅せられました。
文芸祭は、新入生のお披露目の場でもあり、猛特訓してきた数曲を演奏する予定です。メンバー全員で心を込めて演奏します。ぜひ大隈記念講堂へ足を運んでください。

3月に開催した「LINK~ナカノとワセダをつなげるlive~」
- 本番前のひととき
- リハーサル中
- 4月の新歓ライブ
オルケスタ・デ・タンゴ・ワセダWebサイト
オルケスタ・デ・タンゴ・ワセダTwitter
カバの巨大アート? 個性的な20作品が集結~絵画会

幹事長 社会科学部 3年 高橋 友那(たかはし・ゆな)
私たち「絵画会」は、平面作品を中心に美術制作を行うサークルです。毎週2回学生会館内で創作活動を行い、ほぼ毎月外部のギャラリーなどを借りて展示会を開催しています。
文芸祭の期間にワセダギャラリーで行う「文芸祭展」では、あえてテーマを設けず、各会員が好きな作品を展示します。油彩、水彩、ペン、彫刻などさまざまな素材を使って思い思いに表現した、2年生以上による約20作品がそろいます。会員の中には大学から絵を描き始めた人の他、高校まで美術部だった人や美術大学を目指していた人もいて、個性的なアート作品が楽しめる展示会となっています。
私は高校まで美術部だったのですが、子どものときから動物のカバが大好きで、カバばかり描いてきました。「文芸祭展」でも、カバの巨大な油絵を出展する予定です。
授業の合間などに見ることができるので、普段アートと接点がない方や興味がない方も、気軽にお立ち寄りいただければと思います。特に、まだ入るサークルを決めていなかったり、兼任できるサークルを探している新入生は、ぜひ見に来てください。
- 落ち着く部室
- 基本のデッサン
- 制作風景
【次回特集予告】5月22日(月)公開「野球・早慶戦特集」