就職活動において、企業は学生のどこに注目しているのか? 多くの学生が気になるところでしょう。先週、『早稲田ウィークリー』の人気コーナー「キャリ活!」でも「内定を出したい学生はどんな学生?」で住友商事の人事担当者にその採用基準などを説明していただきました。今週はさらに、毎年の新卒大学生の就職人気ランキングなどに名を連ねる企業の中から、航空会社「全日本空輸株式会社(ANA)」と明治グループの製薬会社「Meiji Seika ファルマ株式会社」の2社の人事担当者に話を聞きました。早稲田ウィークリーは今後も、不定期で人気企業の人事担当者インタビューを紹介していく予定です。
「『自分の言葉で正直に話しているか』に注目しています」
明治グループ
Meiji Seika ファルマ株式会社
人事部人事G(グループ) 沖田 祐佳(おきた・ゆうか)さん
どのような人材を求めているのですか?
Meiji Seika ファルマは、「明治製菓」と「明治乳業」が2009年に共同持ち株会社「明治ホールディングス」を設立したのち、2011年に(株)明治(食品会社)とMeiji Seika ファルマ(株)(薬品会社)を置く新たなグループ体制に移行してできた会社です。当社は前身の明治製菓が1946年にペニシリンの開発製造に成功して薬品事業に参入し、歴史は70年となりました。「明治グループ」としては今年創業100周年を迎えました。食品と薬品を通して、赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代の生活に貢献する企業として、学生の皆さんには自ら課題を見つけて果敢に挑戦できる、気概のある人材を求めています。多種多様な人材が集まり、個性を発揮しぶつかり合うことで、シナジー(相乗)効果を期待しています。
面接で学生が注意するべきことは何でしょう?

2016年は創業100周年の節目。次の100年に向けた挑戦が始まっている
正面から向き合って、自分の言葉で正直に話しているかという点に注目しています。入社試験のエントリーシートには「学生時代に頑張ったこと」「あなたの強みを当社にどう生かすか」等を記入いただき、それを基に面接を行います。
インターネットに載っているような文言や、社名を変えたらどこの会社でも使えそうな内容を書いているケースを時折見かけますが、本人の言葉で話しているかどうかは、面接でも分かります。覚えてきたセリフを話すのではなく、緊張はすると思いますが「自身の言葉」でアピールしていただければと思います。
面接で印象に残るのはどのような学生でしょうか?
印象に残る学生は、いろいろな意味で面白い人。ありふれた言葉ではなくオリジナルの話、例えば当社の製品にまつわるエピソード等を自分の経験や言葉で語ってもらえると、心に響いてもっと話を聞きたいと思います。なぜこの会社に入りたいのか、しっかりと研究して自分の言葉で話してほしいですね。
製薬会社の職種にはどのようなものがあるのでしょうか?
募集職種は、「MR(営業)職」が最も多いです。私自身も5年前にMR職で入社しました。病院を訪ね、医療関係者とお話をすることで自分の経験値も上がります。医療用医薬品は公定価格制で国が価格を定めるので価格交渉ができません。薬の採用や処方数などは「その人の努力次第」となります。まさに人物本位で契約がまとまるので、究極の営業職だと感じます。私は文系で医学の知識はありませんでしたが、入社後の研修がしっかりしているので心配はありません。学部を問わず、一人でも多くの方にこの面白い医薬品業界に足を踏み入れてほしいです。
技術職は、創薬から開発まで幅広い視点で医薬品創造を担う「研究開発職」と、国内外にある生産拠点の製造技術、品質を管理し、継続的に向上させる「生産技術職」があります。製薬会社として、一人でも多くの患者様を助けたいという思いの下、高品質の製品を安定的に届けることに厳しく注意を払いながら、日々、製品を世に送り出しています。
Meiji Seika ファルマの強みはどのようなところですか?

新薬もジェネリック医薬品も一人のMRが扱う
明治グループでいいますと、赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代で、お客様の生活に貢献できる点が特徴です。赤ちゃんの粉ミルク、菓子やお年寄りのための流動食から薬品まで、幅広い製品を扱っています。食品と薬品の両方を扱う会社はあっても、あらゆる世代に関連する製品を扱っている会社は珍しいのではないかと思います。
Meiji Seika ファルマ単体でいいますと、新薬とジェネリック医薬品(後発薬)では担当MRが違う会社が多いのですが、当社は一人のMRが両方を扱います。幅広くさまざまな処方の提案を医療従事者に行い、医療に貢献しています。
企業風土について教えてください。
企業風土は、暖かくて、優しい人が多いと日頃感じます。みんなで助け合って仕事をしている印象です。もちろん、仕事でつらい思いをすることもありますが、そのようなとき、「もっと頑張ろう」といつも思えるのは、周りの人たちのおかげだと感謝しています。
また、「(株)明治の社員と一緒に仕事をすることはありますか」という質問もよくあります。一緒に仕事する機会は多く、私もMRをしていたころ、流動食を担当する(株)明治の社員と一緒に病院へ行ったことも何度かあります。入社式や入社研修、その後の昇格研修などで社員同士の交流があり、部活動も共通です。一緒に社会に貢献できて、面白みのある会社です。
当社は製薬業界で女性比率が一番高く、出産休暇や育児休暇などはしっかりと取得でき、復帰したあとも活躍する社員がたくさんおりますので、男女問わずに活躍しています。
学生に伝えたいことは何でしょうか?
学生時代しかできないことをしてほしいです。就職活動は、自分と向き合って、妥協せずに頑張ってほしいです。学生時代の、今しかできないことに全力投球して、素晴らしい学生生活を送ってください。
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