
いま、学生の皆さんは、何をするにせよまずデジタルツールを用いるだろう。それは非難すべきことではないが、よく言われる通り、まだその能力が十分ではないことも多い。年明けに、思いがけず生成AIの作成物と向き合う機会があったが、筆者の学問領域(社会科学)では、誤情報が多いことを改めて体験した。
そこで、学生の皆さんには、「デジタル、時々、アナログ」をお勧めしたい。例えば、図書館で時間をかけて文献を調べ、それらをしっかり読むのは、一見、手間(?)や時間がかかるかもしれない。しかし、この「遠回り」の過程で、調べたかったそのものだけでなく、その周辺的・体系的知識も得られ、結果的に「コスパ」の良い調べ物ができている、なんていうこともある。それゆえ、特に初学者などは、「迷子」にならないために、紙媒体の「良い文献」に接する方が良いと思うこともある。
しかし、どうやって「良い文献」に出合うのか。「〇〇について知りたいが何を読んだら良いか」と教師に聞いてみてもよい。その質問をした人の学習状況を踏まえた提案をしてくれることもあるだろう。あるいは、持っている文献の参考文献を読み、さらに「芋づる式」に文献をたどるのも良いだろう。
将来、デジタルだけでは十分な知識が得られないような問題に直面した際、このようなアナログな「調べ方」を思い出して、実践してみてほしい。そして、そんなときのために、手間や時間がかかるアナログな「調べ方」を身に付けておくのは、大学でしかできないことの一つだと思う。
(MY)
第1189回






