【今週の相談】
夏バテを予防するためには、
どのようなことをすれば良いですか。
(文学部3年 女性)
保健センター診療室看護師 田代 須和子 (たしろ すわこ)
「バテる」とは、体が「疲れ果てる」という意味です。ほとんどの夏バテが自律神経のバランスが乱れてくることから始まります。
冷房に よる室内の低温と、外気温と湿度の変化が大き過ぎるストレスが、体の冷えや睡眠不足を引き起こし、結果として、さまざまな症状(全身倦怠感 (けんたいかん)、思考力低下、食欲不振、下痢、便秘、頭痛、発熱、めまい)が現れます。今回のお悩みの夏バテ予防方法を「7箇条」として挙げてみまし た。
冷房で冷えた体に、冷たい食べ物・飲み物を多く摂取すると、胃腸が冷えて機能が低下し、さらには食欲不振に陥ってしまいます。
食事は朝食を抜かず、豚肉(特にもも肉、ヒレ肉)、大豆食品(豆腐、納豆など)、魚(特に青魚)、野菜(枝豆、ゴーヤ、トマトなど)、酢・柑橘類 (かんきつるい)のビタミンB1 ・1B2 、クエン酸を取り入れ、疲労物質の乳酸を消費し、エネルギーに変えましょう。
水分は利尿作用のあるコーヒーや、糖分が多く喉が渇きやすい清涼飲料水ではなく、ほうじ茶やスポーツ飲料を喉が渇く前に定期的に飲みましょう。
暑さで寝苦しい夜は、頭部を保冷枕で冷やしたり、通気性の良い寝具を選び、冷房機器は2時間程度で消えるタイマー機能を活用しましょう。
早朝や夜の運動、入浴(足湯)は、冷房で衰えた汗腺の働きを活性化し、塩分の少ない再吸収しやすい「良い汗」をかくことができ、夏バテしにくくなります。
自律神経の働きを一定に保つ日常生活の工夫をし、夏を乗り切りましょう。
夏バテを予防するための7箇条
□温かい料理を積極的に食べる
□冷たい清涼飲料水の飲み過ぎに注意
□小まめに水分補給をする
□夜更かしせず十分な睡眠時間をとる
□冷房の温度は外気温差5度以内に
□涼しい時間帯に軽い運動で汗をかく
□しっかり湯船に漬かる(足湯も良い)
■参考資料:『yomiDr.』(医療専門サイト)/日本経済新聞5月25日付