【今週の相談】
ネガティブな感情で頭がいっぱいになることがあります。
どうすれば気持ちを切り替えられるでしょうか?
(人間科学部2年 女性)
保健センター 学生相談室 臨床心理士
樫木 啓二 (かしのき けいじ)
喜怒哀楽という言葉があるように、私たちは生活の中でさまざまな感情を味わっています。ネガティブな感情というと、怒り・悲しみ・不安・焦り・憂鬱(ゆ ううつ)・いら立ちといったものを指すのでしょう。このような感情で頭がいっぱいになると、勉強や研究、他にもいろいろやらなくてはならないことがあるの に手がつかないといった状況に陥りがちです。
不安や焦りなどの感情は心地よいものではありませんが、無理に振り払おうとすればするほ ど、その振り払おうとする力をエネルギーにして、さらに大きくなる傾向があります。ですから、ネガティブな感情に支配されそうになったら無理に振り払おう とせず、その感情と向き合うことが大切です。
ある感情が生じたということは、その感情が生じるきっかけになった出来事や状況があると思 われます。その状況を思い起こして、何に不安や焦りを感じているのかを見つめます。その状況に対する自分の受け止め方が適切か、否定的に考え過ぎていない か、具体的な解決策はないかを検討してみましょう。そうすることで自分の考えや気持ちが切り替わる可能性があります。また、不安や焦りなどの感情は、あっ てはならないものと考えがちですが、これらの感情もまたあなたの大切な一部です。ネガティブなものとばかり捉えず、「何か大切なことを伝えようとしてくれ ている」と、受け止め方を変えてみてはいかがでしょうか。
それでもなお不安、焦燥、憂鬱感などが続く場合は過ごしづらいと思いますので、学生相談室の利用や医療機関の受診をお勧めします。
次のような傾向があるとネガティブな感情を引き起こしやすくなります。
□何でも完璧にしようとしすぎる
□「~であるべきだ」と考えがち
□何でも自分が悪いと考えがち
□きっとうまくいかないと考えがち
□「どうせ自分なんか…」と考えがち