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特集

サークル文化の今に迫る! 早稲田と先輩の支えをバネに再躍進

戸山キャンパス学生会館 2階 学生掲示板前にて(左から)青柳さん、中丸さん、島倉さん、西さん

早稲田大学には、約500もの公認サークルが存在します。そのジャンルは文化系からスポーツ系、学術系など多岐にわたり、学生おのおのが個性を発揮できる場になっています。しかしコロナ禍による規制で、対面での活動は激減。オンラインでの活動に切り替えるなど、試行錯誤をしながらそれぞれの文化をつないできたサークルも多いでしょう。待ち望んでいた対面活動が本格的に復活した今年、にぎわいを取り戻した学生会館で、個性豊かな4つの公認サークルを招いた座談会を実施。対面での活動内容や大学、早稲田の街への思い、そしてこれからの意気込みについて聞きました。

繊維研究会 幹事長 文学部 3年 青柳 康太(あおやぎ・こうた)
バンザイ同盟 副幹事長 文化構想学部 3年 中丸 紗慧(なかまる・さえ)
雄弁会 幹事長 政治経済学部 3年 島倉 奏太(しまくら・そうた)
まっちワークグループ早稲田 ワセマガ局長 社会科学部 3年 西 瑛司(にし・えいじ)

ファッション、弁論、地域ボランティア、バンザイ!? 学生の個性が光る多様なサークル文化

――まずはサークルの活動内容を教えてください。

青柳:繊維研究会は、洋服作りはもちろん、会場設営から広報に至るまでの全てをサークル員で担当し、ファッションショーを開催するサークルです。具体的には、自分たちでデザインした服をミシンで縫製して作ったり、会場の演出をしたり、当日配るルックブック(※)の作成を行ったり、さまざまな活動をしています。

(※)服の世界観を表現した写真集・カタログのこと。

ショー運営の裏方として活躍する青柳さん。「高校時代から憧れていた繊維研究会に入会したものの、服作りのクオリティーの高さに圧倒され、『ちょっと自分には無理かも』と。服作りは断念しましたが、それ以外の仕事は全て引き受けています!」

中丸:バンザイ同盟はその名の通り、いろいろなおめでたい場でバンザイをするサークルです。結婚式や追いコンといったパーティー、時には政治家の当選祝いなど、依頼があると出向きます。1971年から続く活動の中で、計768種類ものバンザイを編み出していて、今も増え続けています!

島倉:雄弁会は1902年に創立された歴史ある政治・弁論サークルです。実はサークルの初代総裁は大隈重信先生! 他にも政治家など著名な卒業生を数多く輩出しています。弁論大会への出場や勉強会を活動の軸にしたり、各政党へのインターンや取材をしたりと対外的な活動もあります。

西:まっちワークグループ早稲田は地域密着型のボランティアサークルです。早稲田近辺の商店会と連携しながら、地域イベントの運営の手伝いや新たな企画の提案・実行をします。さらに、早稲田の周辺地域の魅力を発信するため、Webマガジンも運用しています。

写真左:繊維研究会の2022年ルックブック『纏(まと)う空箱』
写真右:まっちワークグループ早稲田は、2023年6月に大学の近隣の小学校で行った「ふるさと祭り」にブースを出展

――コロナ禍と現在の活動を比較して、印象に残っている活動や出来事はありますか?

青柳:コロナ禍ではショーを配信していたのですが、オンラインでの活動はかなりイレギュラーで…。会場の一体感こそが、ファッションショーの一番の魅力で大事な部分なんです。だからこそ、対面活動が再開して最初のショーを開催したときには、会場の熱気に感動しました。

島倉:本当にそうですよね。私も2022年5月の対面の弁論大会で、初めて野次(やじ)が飛んできたとき、これこそがやりたかった活動だと感じ、思わずニヤッとしてしまいました(笑)。壇上で「政策を提案します!」と言うと、会場の聴衆全員が「なんだー!」と返すんです。コロナ禍ではパソコンに向かって淡々とスピーチをするだけだったので、自分の演説に対してその都度野次が飛んでくるという双方向的な活動ができたときの感動はひとしおでした。

写真左:雄弁会はコロナ禍でもオンラインでサークル員と研究会を開いていた
写真右:2022年11月に東京農業大学で開催された対面での弁論大会での一枚

――サークル合宿やイベントへの出展など、夏以降に企画している活動はありますか。

中丸:バンザイ同盟では夏合宿を企画中です。1週間ほど宿泊しながら、グループに分かれて新しいバンザイを考えたり、今あるバンザイの練度を高めたりする予定です。

中丸さんが入会したきっかけは、バンザイ同盟のSNSを見て面白そうだと思ったからだとか。「コロナ禍以前は例年、伊豆大島や与論島など、離島に合宿に行くのが恒例行事になっていたそうで、今年久々に再開します」

青柳&島倉&西:ええ! バンザイのための合宿!?

中丸:そうなんです、面白いですよね(笑)。バンザイがいくつ増えるか私も楽しみです。まっちワークさんはいかがですか?

西:僕たちは9月に4年ぶりに開催される「早稲田地球感謝祭」というイベントに、今年も出展予定です。大学生の本離れという課題の解決と、地域の古本屋の活性化を目指したいという思いから、古本市を企画しました。多くの人に来場してもらえるよう、地域の図書館や古本屋でも広報する予定です。

「早稲田地球感謝祭」の担当でもある西さん。「元々街づくりに興味があり、地域に関われるサークルへの入会を検討していました。それぞれ違った強みがありますが、地域活動に包括的に関われる点が魅力で、まっちワークグループ早稲田への入会を決めました」

青柳:一から企画を作るのって難しいですよね…繊維研究会でも合宿を企画していますが、代替わりがあってコロナ禍以前の活動を詳しく知っている先輩があまりいなくて。手探りではありますが、みんなで楽しく服作りができたらと計画しています。

島倉:雄弁会も昨年度から合宿は行っているものの、コロナ禍以前の伝統だった卒業生訪問は実施できていませんでした。今年は沖縄の卒業生を訪問し、一緒に米軍基地などの問題について考えを深められたらと思います。また、早稲田祭では聴衆全員が審査員になる弁論大会「大隈杯」も実施する予定なので、イベントはめじろ押しですね。

活動を支えるのは「大学施設」や「人や街とのつながり」

――対面でのサークル活動が活発になる中であらためて感じた、大学や早稲田の街の良い部分があったら教えてください。

雄弁会の会旗。元サークル員の竹下登元総理(商学部卒)と小渕恵三元総理(第一文学部卒)の奥さま方から寄贈されたそう

島倉:部室の存在は大きいですね。いつでも勉強会ができる場所としても、長年引き継がれているものを保管する場所としても、とても便利です。ちなみにこの会旗も普段は部室に置いてあります。

中丸:部室には誰かしらサークル員がいるので、時間があるとつい行っておしゃべりしてしまうんですよね。

青柳:そうそう、行けば誰かがいるかもしれないのが大きくて。それと、部室のある学生会館だけでなく、大学の施設や設備が充実しているのもすごくありがたいです。ミシンが自宅にないサークル員でも、ものづくり工房(西早稲田キャンパス)にあるミシンが使えるおかげで、手軽に縫製にチャレンジできます。

また、卒業した先輩とのつながりに助けられる部分も大きいですね。特に一昨年は、先輩にショーのフライヤーデザインを頼んだりもしました。

中丸:分かります! 先輩って本当に偉大ですよね。バンザイの型は口承によって引き継がれるので、直接教えてもらうしかなく、コロナ禍では苦労したんです。そのときに助けてくださったのが、サークル内で「バンザイ神」と呼ばれるレジェンドの先輩(笑)。最上級生でも知らないようなバンザイを直接指導してくださったり、リストにまとめて配布してくださったりと協力していただき、バンザイの幅が再び広がりました。

2022年に開催された稲門祭での一枚。バンザイ同盟の法被はサークルで代々引き継がれているものだそう(後列左端が中丸さん)

西:地域密着型のサークルとしては、街と学生の距離が近い点がとても魅力的で、活動でやりがいを感じます。例えば、同じ飲食店に何度も通い詰めていると、お店の人が覚えて声を掛けてくれたりもして、すぐに親しくなれる関係性が好きですね。

島倉:キャンパス周辺に飲食店が多いこと自体ありがたいですね。ご飯を食べる場所に困らないですし、サークル員と食事を共にすると議論も弾みます。

雄弁会に入会するために早稲田を目指した島倉さん。「高校1年生で訪れた早稲田祭の弁論大会を見て『これだ!』と思ったんです」

西:それから、アトム通貨実行委員会さんや環境ロドリゲスさんなど、同じ地域密着型のサークルとイベントで交流することがあり、サークル間の横のつながりも実感します。活動内容は似ていても、それぞれに特徴があり、早稲田のサークル文化の多様さに驚きます。

青柳:繊維研究会の場合は、他大学のファッション系サークルとのつながりも強く、大学を越えて交流が生まれているのも面白いところだと思いますね。

対面活動ができる喜び ここから始まる新たな伝統

――最後に、早稲田のサークル文化をさらに盛り上げていく意気込みをお聞かせください。

青柳:まずは自分たちのファッションショーに来てくれる観客を増やしたいです。SNSなどのメディアも積極的に活用し、一人でも多くの方にショーの楽しさを伝えられたらと思っています。そして、ファッションショーそのものを開かれた存在にするのが大きな目標です。

中丸:繊維研究会さんと同様、活動の輪を広げたいと考えています。バンザイをしていると私自身もすごく楽しいので、その面白さを多くの人に知ってほしいんです。だからこそ、大学内はもちろん、学外や海外まで、いろんなイベントに参加してバンザイ文化を伝えたいですね。

写真左:繊維研究会のファッションショー。モデルの選出もサークル員が行う
写真右:2023年4月の統一地方選挙中には、大分に赴いたバンザイ同盟(前列右端が中丸さん)

島倉:脈々と続くサークルの伝統を受け継ぎつつ、ポストコロナの時代における雄弁会のあり方を考えていかなければという思いです。勉強会や弁論作成といったサークル員だけの活動だけでなく、精力的に社会へ出て現場で得られる学びを増やしていきたいです。

西:まっちワークグループ早稲田が地域とサークルの架け橋になれたらと思っています。街と関わりがあるのは地域密着系のサークルだけ、というのはもったいないので、早稲田だからできる企画をどんどん提案したいですね。学生街もサークル文化も、もっと盛り上げていけるように頑張ります!

写真左:2023年の春合宿で広島・安芸高田市の市長(中央)を訪問した雄弁会(左から3人目が島倉さん)
写真右:2022年4月に開催された早大西門通り商店街での「西門デーフェア」に参加したまっちワークグループ早稲田(右から2人目が西さん)

取材を終えて

早稲田ウィークリーレポーター 田邊

私自身もサークル活動で学生会館をよく利用するのですが、コロナ禍の静けさの中で入学したこともあり、ここ最近の活気には驚いています。今回の取材を通してあらためて早稲田大学のサークル文化の多様さや盛り上がりに感動しました。やりたいことに熱中する早大生の今後に、その一員としても注目しています!

取材後にみんなでバンザイ!

企画・取材・文:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
文化構想学部 3年 田邊 紗彩

企画・協力:社会科学部 3年 堤 壮太郎
文化構想学部 2年 浮谷 雛梨
教育学部 2年 渡辺 詩乃

今回登場したサークルの公開情報

座談会中には、中丸さんからバンザイの基本の型を教えてもらう場面も。「手のひらを内側に向けて、肘をやや曲げるところがポイントです!」

繊維研究会
Twitter:@sen_i_lab
Instagram:@seni_1949

バンザイ同盟
Twitter:@banzaidoumei2
Instagram:@banzaidoumei

雄弁会
Twitter:@yubenkai

まっちワークグループ早稲田
Twitter:@match_waseda
Instagram:@hakkenmatch

※上記サークルの情報を含む、早稲田大学公認サークルガイドはこちら

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