早稲田大学は、創立125周年を契機に、理工学の立場から生命科学と医工学の領域に大きく踏み込む決意をしました。その一環として、東京女子医科大学に隣接する2000坪の国有地を両大学が共同購入し、両大学の連携研究教育施設(通称:「ツインズ(TWIns)」)を2008年3月にオープンさせました。先端研究や実践的研究を展開するために必要な研究装置や設備を整備しています。
2017年には、TWInsを本拠とする東京女子医科大学先端生命医科学研究所と本学先端生命医科学センターは、世界の医療の発展に向けて医療分野の研究開発の推進に多大なる貢献をしたと認められる個人または団体に贈られる「第1回日本医療研究開発大賞 経済産業大臣賞」を共同受賞しました。2018年には、東京女子医科大学とTWIns10周年記念シンポジウムを開催しております。
今後、共同研究使用や独創的研究などにおいて、本センターの独自性や優位性が主張できる研究環境を整備するとともに、国内外からも優秀な研究者が集い、先端の融合研究を直ちに立ち上げられるようなより良い環境を目指します。国内外の医理工連携、国際連携を実施できる体制を構築し、時代のニーズをふまえ、さらなる進化を続けてまいります。
早稲田大学 先端生命医科学センター長
東京女子医科大学と早稲田大学は、人工心臓の研究開発をはじめとする医学と工学にまたがる学際的研究で、50年以上にわたり協力と交流を進めてきました。
2000年に正式な学術交流協定を締結すると、2008年4月には東京女子医科大学と早稲田大学による医理工融合研究教育拠点である「東京女子医科大学・早稲田大学 連携先端生命医科学研究教育施設」(英文表記:Tokyo Women’s Medical University-Waseda University Joint Institution for Advanced Biomedical Sciences)が創設されました。
東京女子医科大学のT、早稲田大学のW、そしてInstitution(施設)を組み合わせ、この施設の通称を、”双子”という意味を持つ「TWIns(ツインズ)」と命名し、両大学同時に「先端生命医科学センター」をTWIns内に設置しました。
人類にとって健康や福祉は大きなテーマであり、次世代に向けて医学・医療と理工学の融合による生命科学や医工学といった新領域の発展が強く望まれています。
病気の予防、診断、治療には超微小システム、画像情報伝達技術、バイオマテリアルといった最先端テクノロジーを導入し、高度な先端医療を実現させることが期待されています。そのためには医理工連携の推進は不可欠であり、医学と理工学を融合させた新たな学問領域を創出することが必要です。
TWInsで行われている研究は学際領域にあり、その学問分野は生命科学、医学、理工学、生物学、など多岐にわたります。最先端テクノロジーの導入による高度先端医療の実現を目指し、東京女子医科大学・早稲田大学の連携とともに次世代型医理工連携の推進拠点として活動をしています。
TWInsでは、修士課程・博士課程を含む大学院教育を中心に行い、学部レベルでは2、3年生が実験実習のために施設を利用する他、研究室に配属された4年生が卒業研究を行っています。
TWInsに所属し研究活動を行っているのは創造理工学研究科の総合機械工学科/専攻、先進理工学研究科の生命医科学科/専攻、電気・情報生命工学科/専攻、生命理工学専攻、教育学部理学科の生物学専修の一部または全研究室です。加えて2010年度4月からは、日本初の共同大学院専攻である東京女子医科大学と早稲田大学との共同大学院専攻「共同先端生命医科学専攻」、東京農工大学と早稲田大学との共同大学院専攻「共同先進健康科学専攻」がスタートし、教育においても益々の充実が図られています。
1965 | 東京女子医大と早稲田大学で人工臓器の共同研究を開始 |
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2001 | 日本初の大学院学際専攻生命理工学専攻開設 |
2008 | 「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設(TWIns)」建設 |
2010 | 本学先進理工学研究科に共同先端生命医科学専攻、共同先進健康科学専攻設置 |
2013 | TWIns 5周年記念シンポジウム |
2017 | 東京女子医科大学 先端生命医科学研究所と早稲田大学 先端生命医科学センターが「第1回日本医療研究開発大賞 経済産業大臣賞」を共同受賞 |
2018 | TWIns 10周年記念東京女子医科大学・早稲田大学ジョイントシンポジウムを開催 |
就任期間 | 氏名 |
2008 – 2016 | 梅津 光生 |
2016 – 2020 | 柴田 重信 |
2020 – 2024 | 武岡 真司 |
2024 – | 伊藤 悦朗 |