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【開催報告】初代スポーツ庁長官 鈴木大地氏が登壇! 第6回川淵三郎キャプテン企画・早稲田2020講演会

川淵三郎特命教授(日本トップリーグ連携機構会長)が監修し、スポーツ界の第一人者の方々をゲストに2017年から行われてきた連続講義「早稲田2020講演会」。その第6回が、11月16日(月)にオンライン上で行われました。今回は、ソウル五輪競泳金メダリストであり、2020年9月30日まで5年にわたりスポーツ庁初代長官を務められた鈴木大地氏がゲストスピーカーとして登壇されました。

講演に先立ち、本企画のコーディネーターである川淵三郎氏によるビデオメッセージが紹介されました。川淵氏は、「スポーツでは、応援を通じてアスリートと観客が一体となることが大切です。来年開催予定の東京2020大会は、感染症対策を十分に実施した上で、ぜひ観客を動員して開催してほしい」と、来夏に開催予定の東京2020大会にかける思いを語りました。

続く鈴木大地氏の講演テーマは、「スポーツが変える。未来を創る。」。前半ではご自身の競技生活や引退後の活動、後半では初代スポーツ庁長官としての取り組みやスポーツの未来に対するご自身の思いを語られました。

鈴木氏がオリンピックに初出場したのは、1984年のロサンゼルス大会。高校2年生の時に受けたコーチのアドバイスが、五輪を目指すきっかけになったといいます。個人種目では準決勝にとどまったものの、400mリレーでは決勝に出場。オリンピックという場での緊張・プレッシャーは尋常ではなく、この大会でのメダル獲得はなりませんでしたが、次はメダルを取りたいと思ったと当時を振り返ります。

しかしその後、けがにより寝たきりの生活を余儀なくされます。その中でアスリートはけがとうまく付き合っていくことが大切であると学んだ鈴木氏。復帰後は健康のありがたさを実感し、厳しいトレーニングにも逃げずに取り組み、強くなることができたといいます。そして1987年のユニバーシアード競技大会では100m背泳ぎ・200m背泳ぎで金メダルを獲得、翌年のソウルオリンピックでは100m背泳ぎで日本競泳界16年ぶりとなる金メダルを見事獲得されました。日本人がメダルを取ることは不可能と考えられていた当時、メダル獲得を成し遂げることができた要因は作戦や執念、また日々の努力やトレーニングの積み重ねによって生まれた自信であったといいます。

そして、金メダルを取った以上にうれしかったのは「世界中に友達ができたこと」と鈴木氏は語ります。同じ志を持った者同士の友情を意味する、“Camaraderie(カマラデリー)”という言葉を紹介いただきました。

現役を引退した鈴木氏は、アメリカ・ハーバード大学水泳部にコーチとして留学、世界オリンピアンズ協会理事や日本水泳連盟会長を歴任、また医学の博士号を取得するなど、指導者・研究者として活躍をされました。東京2020大会の招致活動にも尽力され、見事成功を収められました。選手時代は自分のことばかりを考えていましたが、引退後は社会に役立つことをやろうと考えてきたといいます。

2015年10月から2020年9月にかけて、スポーツ庁初代長官を務められた鈴木氏。ご自身の活動を踏まえ、講演の後半ではこれからのスポーツについて語られました。

現在大切なのは「スポーツ参画人口の拡大」であるといいます。その根拠として、運動不足が原因で年間約5万人が死亡していることや、医療費の増大にもつながっていることなどを挙げられました。スポーツへの参画の仕方は、「する」・「みる」・「ささえる」の3つがあり、その中でも「する」には、競技として参画する形もある一方で、健康や仲間との交流などを目的に楽しく、レジャーとして参画するという形もあるといいます。鈴木氏は、競技者以外の多くの人が当てはまる、後者の形をより広めていきたいと語ります。しかし、特に若い世代は仕事や家事が忙しく、時間を取ってスポーツに取り組むことが難しいのが現状です。そこで通勤時間や休憩時間など日々の生活の中にスポーツを取り入れる「スポーツ・イン・ライフ」の実現が求められると指摘しました。そのためにはスポーツの価値や魅力、人々の意欲を向上させる必要があり、実際にスポーツ庁では従来の枠にとらわれない様々な箇所との連携を行ってきたと実例を紹介いただきました。スポーツの力でドラスティックそしてダイナミックに社会を変え、国民を健康にする。これがスポーツのやるべきことだと鈴木氏は力強く語りました。

来年開催予定の東京2020大会のレガシ―は、まさに「スポーツ・イン・ライフ」と設定されています。アスリートに刺激を受けて多くの人がスポーツに取り組むようになって欲しい、そのためにも東京2020大会を開催したいという熱い思いを伺うことができました。現在大会は延期されていますが、「コロナ禍の今だからこそ、健康の要となるスポーツをする意義を考える必要がある」と述べました。

最後は本講演のタイトルであり、スポーツに対する鈴木氏の思いが込められた、「スポーツが変える。未来を創る。」という言葉で講演は締めくくられました。

ソウルオリンピックにおける金メダル獲得の裏側にあった困難や、出場したからこそ実感できたオリンピックの魅力など、貴重なお話を数多く伺うことができました。また、今スポーツが果たすべき役割を熱く語る鈴木氏の姿は強く印象に残っています。「スポーツ」に対して一人のアスリートとしての視点、そして初代スポーツ庁長官としての視点と、二つの視点からお話を聞き、スポーツの魅力やポテンシャルに改めて気づくと同時に、東京2020大会を通じより多くの人へスポーツが広まることへの期待が高まる会となりました。

 

文:VIVASEDA広報部門 政治経済学部 2年 山本 皓大

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