Olympic and Paralympic Project Promotion Section早稲田大学 オリンピック・パラリンピック事業推進室

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第4回早大アスリート特集:村岡桃佳選手

4回目となる今回は、スポーツ科学研究科1年の村岡桃佳選手です。昨年2月の平昌パラリンピック大会ではアルペンスキーで5つのメダルを獲得し、大活躍された村岡選手。今年8月にはパラ陸上の種目で東京2020大会を目指すことを発表しました。新たな競技へ挑戦する村岡選手に、大会に向けた心境や大事にしている価値観を尋ねました!

 

「もう一回始めるなら今しかないと思った」

――陸上競技について伺います。今年6月に再デビューし、8月に五輪に出場すると宣言されました

以前、陸上競技からスキーに転向した際にすごく迷いました。その時はパラリンピックに出るというのが一番の目標だったので、もちろんスキーは好きでしたが陸上よりも出られる可能性が高かったのでスキーを選びました。だからスキーをしながらも、陸上競技をまたやりたいという気持ちはありました。でもなかなかその機会やチャンスはありませんでした。そして、平昌が終わって改めて考えたときに、諦めきれなかったというか、やっぱり陸上競技をもう一回チャレンジしてみたいと思いました。あとは昨シーズンにすごく考えて、環境や自分の気持ち的に、もう一回始めるなら今しかないかなと思いチャレンジを決めました。

――うまく気持ちは切り替えられていますか

陸上は昔やっていたとはいっても、ほぼゼロからのスタートなので大変な部分もありました。正直「なんで陸上を始めてしまったのだろう」と思ったときもありましたし、そういう意味では別の重荷になってしまったのかもしれません。けれど今では毎日がすごく楽しいです。練習はすごくきついですが、新たな競技ができているなと思います。

――陸上を始めたときに怖さはありましたか

すごくありました。やっぱりいろんな人からの反応が怖かったですね。自分自身競技に対する不安ももちろんありましたし、自分がその競技をできるのかという不安と、周りの人たちの反応がすごく怖かったです。

――メディアからの注目度もすごく高いですが、プレッシャーはありましたか

夏の競技や陸上競技をされている方々から、「冬で良い成績を出したからといって陸上にも足を突っ込むなんて」と思われるんじゃないかという不安は正直ありました。自分がもし逆の立場だったら「なんだこいつ」というふうに思います。自分が受け入れてほしいというのではなく、シャットアウトではないですが、「何考えているんだ」と思われるのではないかという気持ちがありました。かといってお茶の間には「冬の女王が夏にも挑戦」というふうに報道されたりします。ポジティブに、誇張して書いたりもするじゃないですか。でもポジティブな誇張とネガティブな自分の予想の差が大きかったです。実際始めてみたらものすごく批判されたことはなく、逆に成績出せたり、いろんな人と関わっていく中で自分が遊びでやっているのではないことを分かってもらえ、理解してくださる方が多くいたので、その点はすごくありがたかったです。

 

パラリンピックだけではなく、その過程を大事にしたい

――東京パラリンピックの選手に内定すると、初めての夏季パラリンピックになります。それに対する思いを聞かせていただけますか

自分は現時点で夏季パラリンピックに出られるレベルではないので、そこに対する思いというのは難しいです(笑)。パラリンピックだけに照準や目的を置いてしまうと、そこに出られなかったときに自分の中で何も残らない気がします。そうではなく、学業と両立しながら新しいチャレンジを始めたり、所属先もトヨタ自動車になったことで、学業、競技の両立と辛いトレーニングをしているこの期間は絶対無駄にはならないと思います。競技を楽しみながらその先に何かあればいいなと思います。もちろん出られたらいいなという目標はありますが、それまでの過程を大事にしたいなと思っています。

東京大会は、ホーム感がいいなと思う

――東京でオリンピック・パラリンピックが開かれますが、そこへの思いは

平昌大会へ出場した時は観客席の7~8割が日本人じゃないかというくらい、日本人の方々がすごく多かったです。応援に来ている人が別の日本人選手だったとしても、同じチーム、同じ日本人ということで応援してくださいました。「メダルを取った」「勝った」となると、すごく歓声を上げて一緒に喜んでくれたり盛り上がったりしてくれて、韓国でしたがホームでの大会のように感じました。

次の大会が日本で行われるとなると完全にホームと感じる気がします。きっと日本人がすごく多いでしょうし、そういった点ではすごく選手の力になると思います。時差の調節もないし、食べ物も食べ慣れたものだし、環境というところでは競技をするには一番だと思います。

――東京パラリンピックに向けて、現在の課題はどこですか

全部です(笑)。100メートルをメインでやっていますが、100メートルという短い距離の中でも展開があります。スタート、加速、持続という大きく分けて3つくらいあり、全て課題です。

 

スポーツが好きで、楽しむ気持ちが一番大事

――スポーツをする上で一番大事にしていることはなんですか

楽しむこと。スポーツが好きな気持ちと楽しむこと。それだけです。

――村岡選手にとってスポーツはどのような存在ですか

スポーツとは、私にとっての「世界」かもしれないですね。スポーツをやっていたからこそ自分の世界が広がって、いろんな人との関わりやコミュニケーションが増えたり、自分が行ったことのないところに行けたりして。スポーツをしていなかったら絶対にこんなに多くの人たちと会わなかっただろうな、と思います。サポートしていただいているメーカーさんとの関わりもそうですし、きっと早稲田大学にも進学していないと思います。自分の人生は今のところスポーツによって成り立っているので、「世界」かつ「人生」かもしれないですね。

記事作成者:石名遥、西山綾乃(早稲田スポーツ新聞会)

写真:手代木慶(早稲田スポーツ新聞会)

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