ワークショップ概要
■企業名:株式会社電通(以下、電通)
■テーマ:今見知らぬ街を知り、その場所を彩るアイディアを
■参加学生数:15名(ワークショップ中は3チームに分かれて進行)
■活動期間:2025年8月1日(金)~2025年9月26日(金)
■公式ワークショップの回数:上記期間中、12回実施(うち3回は学生と事務局のみ)
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公式ワークショップ活動の様子
■第1回 オリエンテーション【8/1(金)】
暑い夏の日の午後、ワークショップ(以下WS)のオリエンテーションが始まりました。
学生達は初回のためか皆緊張した様子でしたが、事前に作成してきたスライドでの自己紹介など進むにつれて表情も和らいできました。
その後、大学事務局からの「WS参加の心構え」の説明の後、今回のWSの総合統括である電通の荒木伸二様と本WSのクリエーティブ・ディレクターである南木隆助様から本WSに対する狙いや今回の課題をどのように考えるかの講義をいただきました。
最後に、チーム分けが発表され、所属学部も学年も違うメンバーでの2ヶ月間のWSがスタートしました。
■第2回、3回 心を動かすクリエイティブ術:アイデア発想から実現までのプロセス 奥野圭亮様【8/6(水)、8/20(水)】
第2回、3回は汐留の電通本社にお伺いし、クリエイティブ・ディレクターの奥野圭亮様から「心を動かすクリエイティブ術」の講義をいただき、各チームへ出された課題をプレゼンしました。
クリエイティブとは?、広告の歴史と現代広告クリエイティブ、アイデアの考え方について学び、理解したところで、とある広告を作ってみようという課題が出され第2回目は終了。お盆のため約2週間空いた間に3チームとも頭を悩ませ課題を仕上げて第3回目に臨みました。
1チーム20分でどのチームとも必須の要件を入れつつ違うアプローチでのアウトプットは盛り上がり、所定の時間をオーバーするほどで奥野様からも高評価をいただきました。学生たちはアイデア発想から実現までのプロセスに気づきがあったようです。
■第4回 対面グループワーク【8/26(火)】
この日は10時~17時という長丁場のグループワークを実施しました。学生だけでのグループワークの日ですが、各チーム1時間事務局の職員も入り、中間相談会に臨むための課題の確認、アイディアの整理などを行いました。なかなかまとまった時間を取って議論する機会が無いので最初は各チームとも遠慮があり戸惑っていましたが、時間の経過とともに議論も活発になり各自のPCや教室のホワイトボードを用いて進めていました。
■第5回、6回 あなたの喜怒哀楽で社会を動かせ。石本藍子様、大重絵里様【8/29(金)、9/5(金)】
第5回、6回目は、※フェムテックを女性のみならず社会全体に関係するものとして捉え、さまざまな取り組みを推進する電通の社内横断組織「Femtech and BEYOND」から石本藍子様と大重絵里様に「あなたの喜怒哀楽で社会を動かせ」の講義をいただきました。
(※フェムテック:def. Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。 女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品(製品)やサービスのことを指す)
アイデアを思いつくための方法の1つとして、論理ではなく時には感情からスタートすることもある、データや理屈が正しくても心が動かなければ人は動かないということを石本様、大重様ご自身のお仕事や世界の例から話してくださいました。
それを元に実際に自分の喜・怒・哀・楽の感情が何で起こったかを考え、それが社会を動かすアイデアのタネになるのかを考える個人ワークをし各自発表しまました。また翌週までの課題として「男性の生きづらさを、ちょっとでも改善するアイデア」が出され個人で取り組むこととなりました。
翌週の第6回は朝から荒天だったため急遽オンラインでの実施となりました。課題を全員発表して石本様、大重様からフィードバックをいただきました。同じお題なのに一人ひとりだと全く違うことを考える面白さと、感情から社会を動かすことについて学生たち理解を深めることができました。
■第7回 中間相談会 福地秀基様【9/8(月)】
公式回での講義と各チームがこれまで議論してきた内容を踏まえ、実際にどの駅を取り上げて、どのように街を活性化するのかの方向性を発表しました。
このWSを何年も見ていただいている電通の福地様から忌憚のない意見をいただきました。どのチームも自分達ではある程度できていたつもりでも、プレゼンをすることによって、まだまだまとまっていなかったり、方向性が見えていなかったりする部分が多いことに気づいたようです。
いただいたフィードバックをもとに後半戦に向けて進み始めました。
■第8回、10回 テクノロジーとストーリーテリング 中山桃歌様、松岡佑馬様【9/9(火)、9/19(金)】
第8回、10回目は、クリエーティブ・テクノロジストの中山桃花様、そして入社1年目で中山様の元で日々学ばれている松岡佑馬様にテクノロジーとストーリーテリングについて講義をいただきました。
今回はテクノロジーを使って今までに見たことのないアイデアを思いつこうということで、AI技術、体の動きや音声などの認識、AR/VRのインターフェイス、脳波や筋肉の信号を読み取って機器などを操作する技術とその実例について説明いただき、それらのテクノロジーを使ってストーリーを作るという実例、そして、次回への課題が出されました。
目的に対してテクノロジーを使って物語を届けやすくなる「ソリューション型」、テクノロジーそのものに物語性を与え今までにないアイデアを生み出す「ナラティブ型」それぞれについて、ランダムで決めた学生ペアでお互いの悩みを聞き、それを解決するアイデアを考えるというものです。
なかなか難しく感じましたが、それぞれの発想で各自講義で聞いたテクノロジーを使い発表を終えました。
メインの課題についてもテクノロジーの視点で考える大切さを学生たちは学びました。
■第9回 対面グループワーク【9/17(水)】
全ての公式講義回を終え、第4回以来の10時~17時のグループワークを実施しました。
WSも終盤になり各チームとも実際に取り上げる駅や街にフィールドワークに行ったり、公式外のチームMTGを実施していたりしているので序盤と違い和気あいあいと進んでいきます。時には自分の意見をしっかりと述べたり、それは違うのではと健全な批判が出たりしながら長時間のグループワークを終えました。
■第11回 プレ報告会【9/22(月)】
今回は学生と事務局だけの最終報告会に向けた本番さながらのプレ報告会でした。
3チームとも練りに練ってきましたがまだまだ詰めが甘い部分があり、他のチームの学生や事務局職員からの質問や深掘りされたじたじになる場面も。
最後に事務局のGCCオフィス課長からフィードバックがあり学生達は熱心にメモを取っていました。各チームともその後、自主グループワークを実施し質疑応答で気づいたことやフィードバックをもとに今一度自分たちの考えてきた施策で良いのか、足りない部分は無いのか、元の課題からズレていないかなど考えに考えていました。
■第12回 最終報告会【9/26(金)】
いよいよ最終報告会です。汐留の電通本社にて実施しました。今回のワークショップテーマ「今見知らぬ街を知り、その場所を彩るアイディアを」について各チーム15分のプレゼンテーションです。
東横線「白楽駅」で商店街を活用した子どもの居場所について考えたチーム、田園都市線「三軒茶屋駅」で駐輪問題から利用者の感情そして街の商店の活性化について考えたチーム。東横線「日吉駅」で慶應生と街の関係について早稲田生と高田馬場を比較して考えたチームと、学生たちはこの2ヶ月間考えに考えに考え抜いた集大成を発表しました。
講評者である本WS総合統括である電通の荒木伸二様、本WSのクリエーティブ・ディレクターである南木隆助様から「他のチームを見てあっちのチームの発想が素晴らしいとか嫉妬の感情が大事」とクリエイティブに大切な感情をご教示いただき、また「どのチームもリサーチや観察はプロレベルだったので、アイデアの部分でもっと飛躍してもよかった」などとお褒めの言葉や学生へのエールを沢山いただきました。またそれだけではなく、ご専門の知見から鋭いご指摘がありながらも学生へのエールもいただいきました。
最終報告会後はチーム毎に振り返りを行いました。発表でホッとしているところですがこれは本プログラムの一番の肝であり、重要な時間と位置付けています。WS期間中の自分を振り返り、また共に走ってきたチームのメンバーからの他己評価をもらい、自分の強みを見つけたり、内省したり、参加学生それぞれが自分なりの気付きを得る時間となりました。
たくさん悩んでたくさんぶつかってたくさん考えに考えた2ヶ月間。WSを完走した15名の学生たちに拍手を送りたいと思います。この経験が今後みなさんの学生生活、社会人生活で少しでも糧になることを祈っています。
そしてご指導をいただいた電通の皆様、今年も本当にありがとうございました。

最終報告会を終えて全員でWポーズで記念撮影

完走、2ヶ月間お疲れさまでした!
参加学生の声
- 自主的にいろいろと行動することが重要だと思います。(政治経済学部1年)
- 自身の強みと弱みを再認識できる機会となりました。企業の方からフィードバックや講義を受けることは普段の大学生活ではなかなかないので、社会人の固定観念を改めることができます。(教育学部2年)
- 電通のプロの方の講義を聞けるだけでなく、自分たちのアイデアを評価までしていただける、とても貴重な、最高の機会でした。(文化構想学部2年)
- 自身の成長を圧倒的に感じることのできる2か月間です。日頃実務をこなしているプロの方からの講義は何よりも面白く、普段の大学の講義とは別の切り口で講義してもらえるので学生にとって貴重な経験です。また、グループワークを共にする学生との出会いも醍醐味です。様々な学部や学年の学生と協働する中で、自分にしかない価値や今後の課題が明確になります。そういった点で、当ワークショップに挑戦する価値は存分にあるので、是非一歩踏み出してみてください!(スポーツ科学部2年)
- このワークショップでは、自分が何が得意で何が不得意かを客観的に見つめることも可能ですし、何より普段は関わり合わない企業の方からの視点をいただけるという滅多にない機会を与えてもらえます!
また、最初はお互いに何も知らない仲間同士で課題を解決していくにつれ、どんどん仲を深めることが可能となり、大学の授業では出来ない最高の関係ができます!!(社会科学部1年) - 自分が企業で働く。社会人になる。ということへの解像度が高まりました。社会でさまざまなカタチで働いてきた方々に対して企画提案を実践さながらさせていただいたり、ユニークなアプローチ方法を伝授していただいたり、大企業だからこその規模感を痛感したり、とてもとてもいい刺激を受けることができました。ずっとワクワクが止まらないWSとなりました。(社会科学部1年)
- 普段なかなか聞けない、アイディアを生み出すプロの方々の発想法や着眼点を直接伺える、とても貴重な機会でした。考えを形にしていくプロセスに触れられ、刺激を受けました。(人間科学部3年)
- 社会の第一線で活躍している方からご指導いただく機会は、大学には多そうであまりないかと思います。周りからは「意識高いね」と言われることがあるかもしれませんが、この経験からでしか得られない知見があると思うので、思い切って参加してみてほしいです!きっと今後に活きてくる考え方を獲得できると思います。(文化構想学部2年)
- 将来の指針が定まっていない、社会人に憧れない、という気持ちを抱いてる方に非常にお勧めです!また、これまで、プレッシャーの中でグループワークをしたことがない方にもお勧めです。(国際教養学部3年)
- 夏休み明け、すごく達成感を感じられました!何かをグループで成し遂げてみたい人、自分の新たな強みを見つけたい人におすすめです!(文化構想学部2年)
- 自分のことを理解する良い機会になれた。(教育学部2年)
- アイデアが生まれ消えていく過程に身を置けば、きっと見える景色が変わります。さあ、一緒に悩みましょう。(法学部2年)
- これまでの夏休みの中でも非常に濃密な2ヶ月間となりました。アイデアがまとまらず苦しい期間もメンバーがいたから乗り越えることができました。ここでの経験は必ず今後に生きると思います。(文化構想学部3年)
- 周りのメンバーや社員の方、事務の方全員から刺激を貰い、新しい自分に出会えることが出来ました。迷ってる方はぜひ応募してみてください。(社会科学部3年)
問い合わせ先
早稲田大学GCCオフィス(Office of the Global Citizenship Center)
propro@list.waseda.jp