2023年度で5回目の実施となった 株式会社電通×早稲田大学 のプロフェッショナルズワークショップが幕を閉じました。本ワークショップでは、広告業界の第一線で活躍されているストラテジー、クリエイティブ、事業開発など各方面のプロフェッショナルの方々が講師になって世の中のストーリーづくりを体験しました。
参加学生たちは交流会を含む全10回の公式ワークショップでプロフェッショナルの思考法や仕事に対する思いに触れ、加えて個人課題や自主グループワークに積極的に取り組むことでインプットとアウトプットを繰り返し、思考力や発想力を磨いてきました。
その様子を一部、お届けいたします。
ワークショップ概要
企業名:株式会社電通
テーマ: The Tokyo Toilet をPRする
参加学生数:24名(5チーム)
※募集時は15名を定員としていましたが、電通様のご厚意で大幅に受け入れていただきました。
活動期間:2023年7月12日(水)~2023年9月22日(金)
募集要項はこちら
公式ワークショップ活動の様子
■ 第1回 オリエンテーション:2023年7月12日(水)・対面実施
初回ワークショップでは、顔合わせ、自己紹介、職員からのワークショップ概要説明を実施しました。その後、エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターである髙崎卓馬様より「コミュニケーションの力で社会が抱える課題を解決する」という仕事の本質について、沢山の事例紹介を交えながらご教示いただきました。

エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター 髙崎卓馬様
■ 第2回 発想の方法:2023年7月25日(火)・対面実施
初回に引き続き髙崎様にご登壇いただき、講義そして課題に対するフィードバックを行っていただきました。プロフェッショナルから直接フィードバックをいただける非常に貴重な機会として、学生たちは熱心に講義を受けていた印象です。講義後は学生たちから沢山の質問が挙がっていました。
■ 第3回 課題のあぶり出し、インサイトの発見(strategy):2023年8月1日(火)・オンライン
クリエィティブ・ディレクターである佐々木亜悠様より、課題の本質を発見し戦略を立てる過程について講義を行っていただきました。あらゆる企画の入口である課題発見のヒントについてもご紹介いただき、学びの実践として次週までにワークショップテーマである「映画館に人を呼ぶアイデア」をヒントに沿って考えてみることになりました。
■ 第4回 グループ発表・フィードバック:2023年8月4日(金)・対面
学生たちが取り組んだ個人課題を持ち寄り、グループごとに戦略とアイデアを考えるグループワークを行いました。その後、ワーク内容をそれぞれ発表し佐々木様よりフィードバックをいただきました。学生たちは講義で教えていただいたヒントに沿ってアイデアを考えることで、思考が整理されていた様子でした。
■ 第5回 中間報告会:2023年8月22日(火)・対面
グループごとに中間報告(10分間)を行い、高崎様よりフィードバックをいただきました。「自分たちが心から面白いと思えるアイデアなのか?」など疑問を投げかけていただいていたことで学生たちのやる気に火がつき、この日を境に各チームのグループワークが本格始動し始めた印象です。
■ 第6回 CR・世の中の話題づくり:2023年8月30日(水)・オンライン
CMプランナー/コピーライターである水本晋平様より、「アイデアを考える仕事とはどういうことか」「アイデアを考えるコツ」について講義を行っていただきました。様々な実践例を基に”良い表現”に共通していることなど仕事のやり方や内容にとどまらず、水本様が仕事をするうえで大事にしていることなど、多岐にわたるお話をいただきました。グループでの中間報告会から息つく間もなく、次回に向けて個人課題に取り組みます。
■ 第7回 グループ発表・フィードバック:2023年9月6日(水)・対面
前回のワークショップで出された課題に対して、水本様より一人一人にフィードバックを行っていただきました。アイデアは「思いつく」のではなく、「考え抜く」ことで導き出されるものだというメッセージが印象的で、学生たちも気が引き締まった様子でした。
■ 第8回 特別講義:2023年9月12日(火)・対面
執行役員である樋口景一様より「アイデアを手に旅に出る」というテーマでお話いただきました。最終報告会直前ということもあり、学生からも多くの質問が飛び交い、最終報告前に相応しい特別講義となりました。
■ 第9回 最終報告会・振り返り:2023年9月22日(金)・対面(電通本社)
約2か月間の集大成である最終報告会では、最終報告(各グループ12分間)に対してこれまで講義いただいた樋口景一様、髙崎卓馬様、本学からは佐々木ひとみ常任理事よりそれぞれ講評をいただきました。報告会終了後も、樋口様、髙崎様、そして本ワークショップご担当者である福地秀基様と参加学生とのアフタートークの時間を特別に設けていただき、ワークショップの内容にとどまらず、社会人としての心構えや働くことの意義など学生からの多岐にわたる質問に対してそれぞれ真摯にお答えいただくなど大いに盛り上がりました。その後、学生はグループメンバー同士によるワークショップの振り返りを行い、今年度のワークショップは幕を閉じました。
参加者の声
- これはただのマーケティングの講座ではなく、プロの偉大さと暖かさを知り、大学におかんができ、おかしくて面白くて大好きな友達ができるワークショップです。
電通の方々はまさにプロフェッショナルでした。身近なあの広告の裏話の思考の複雑さに圧倒されつつも、みなさん学生の立場に立って私たちを尊重して話をしてくれます。本物を作る大人は本当にかっこいい。
大学にはおかんができました。プロプロを支えてくださる大学職員の方々です。常に私たちのためを考え、無茶を叶えてくれることもありました。
夏休みの2ヶ月間を共に過ごすチームのメンバーは、今後の人生でも絶対に会わないような不思議で面白い人たちばかりでした。彼らは、何も特徴がないと思っていたわたし自身の面白さにも気づかせてくれました。
わたしは就活時最終面接で電通に落ちた、まさに電通の亡霊のような存在でしたが、プロプロで無事成仏できました。もう一度やりたいくらいです。(商学部4年) - 約二ヶ月間ありがとうございました。
私はこの企画を通して、仕事の可能性、楽しさとグループのメンバーとの意見合わせ、アイディアを出すことの難しさを学びました。
まず、仕事の可能性、楽しさについては私の認識だと仕事とは社会人の義務であり、やらされる物だと思っていましたが、電通の方々と触れ合う中で仕事とはワクワクするもの、可能性に満ちていて、就活とは新たな世界、様々な世界に触れることができる良い機会なんだと感じ、就活へのマイナスなイメージが払拭されました。
また、グループのメンバーとの意見合わせ、アイディアを出すことの難しさについては、熱量や考え方の異なるメンバーと意見をすり合わせたり、一つの意見について吟味することは容易ではなかったし、アイディアも次第に出てこなくなるのが辛かったです。しかし、メンバーと話すことでアイディアが出てきたりしたので、煮詰まったときは人との対話が鍵になるんだなと思いました。
このワークショップに一年生から参加できたことはとても幸運であったと感じていますし、是非また機会があれば、またプロプロに参加したいと思います。(教育学部1年) - 題材こそ広告ですが、面白いアイデアを発想すること全般に共通する考え方や知識を学べました。僕は普段小説を書いているのですが、物語を作る上でも広告の発想方法が応用できるポイントは多いことに気付ける体験だったので、創作活動をしている人にもオススメです。(文化構想学部3年)
- 現在までの約20年間、私が関わってきた大人は両親と先生くらいでした。このプロジェクトを通して、第一線で活躍する社会人の方々と関わり、学校以外の世界を体感することができました。「働く」ということに対して、どこまで自分が通用するのか、何が足りていないのか。本プロジェクトは、それを知るための力試しになると思いました。(国際教養学部3年)
- このワークショップ最大のポイントはその道のトップの方々が私達に真剣に向き合って下さることです。発表に対して評価やアドバイスを具体的に頂いたり、直接質問したりする時間も十分確保されていました。
また、実際に中間発表と最終発表とで同じ形式のプレゼン、それに対するFBがあります。そのため、中間発表のFBを活かしたプレゼンをあらためて最終発表で行うことが出来ます。最終発表ではより高度なFBをいただくことができ、成長に繋がりました。(商学部1年) - 学びとアイデアの壁にぶつかって鍛えられた最高の夏でした!(基幹理工学部2年)
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教務部教育連携課
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