2020年度春編のプロフェッショナルズ・ワークショップ(野村證券)は、野村證券株式会社のみなさまのお力添えによりすべてのスケジュールを終了しました。
多数の応募者から選出された15名の学生が今回のワークショップに参加しました。1チーム5人ずつの3チームに分かれ、「金融をもっと身近に!若年層向けプロモーションを提案~これからの社会を支える世代に、今アプローチすべきこと~」というテーマのもと、最終提案に向けて各チームで議論を重ねました。
1月中旬のオリエンテーションでは、参加者の自己紹介、顔合わせを行った後、野村證券の担当者からテーマ設定に至った背景や会社概要などのレクチャーを受けました。初対面かつオンラインでのコミュニケーションという状況にも関わらず、学生たちはツールを駆使しながら、グループワークを中心とした活動に入っていきました。各チームに社員2名が“担当”としてついてくださる手厚い陣容で、学生たちの自由な議論を見守っていただきました。

野村證券社員の方々とのグループワーク
2月25日の中間報告会では、野村證券の役員の方々を前に各チームが設定した仮説を発表し、様々なご講評をいただきました。講評者からの前向きな反応と的確なフィードバックをいただけたことで学生たちのやる気により一層火がつき、中間報告会以降は仮説に基づいた具体案の検討を進めました。検討にあたっては社員の方々から実務経験等に基づいたアドバイスをいただきつつ、「なぜ、その提案をするのか」「自分たちの提案のターゲットをどこに設定するのか」など、自分たちのアイデアを磨き上げていきました。時には厳しいご指摘をいただくこともありましたが、参加学生たちはより良い提案をまとめるべく最終報告会の当日まで考え続ける姿勢を貫きました。
3月18日に実施された最終報告会では、中間報告会にもお越しいただいた野村證券の役員の皆様の他、本学の井上理事や商学学術院・谷山教授も交えた講評者を前に堂々と提案内容を発表しました。講評者の方々からは「中間報告会と比較して、学生の皆さんの成長や各テーマの深掘りが相当進んだことに驚いた。学生の皆さんが、今回のプロジェクトを自分事化して取り組んだことがよく伝わってきた。」「各チームで議論を深め、時間をかけて考え抜いた結論を今日の報告会に持ってきていると実感できた。」といったお言葉をいただきました。

最終報告会後の記念撮影
【参加学生の声】
●多彩な経歴を持つメンバーと、親身かつ本気で考えてくれる大学職員・野村證券社員の方々に恵まれたワークショップでした。ワークショップを終え、自己成長と大きな充実感を感じました。自分も周囲も本気だからこそ学ぶことが多く、楽しくもちょっと緊張感のある環境で、普段得ることができない出会いや学びの場になりました。(商学部1年)
●これまで自分が得意だと思い込んでいた『自分の意見や主張をしっかりして、まとめることができる能力』が、実はまだまだ足りていないことを実感しました。1年生だからといってチームのプランに対して最後まで先輩方に甘えていた部分があり、そこは少し悔しさが残る部分です。次回このようなワークショップに参加するときは、自分がチームを引っ張ることを意識したいです。(人間科学部1年)
●自分たちの案が野村證券の方々に上手く響いていないと感じる面もありましたが、案そのものは本プロジェクトの核心を最も突いていた自信があります。自分たちの思いを伝えるためのプレゼンテーションがいかに大切かつ大変であるか、いい教訓になりました。また機会があればリベンジしてみたいです。(政治経済学部2年)
●意識の高いチームの仲間たちと経験豊富な社会人の方々からたくさんの刺激を受けることができました。自分の成長を実感できる、かけがえのない経験になりました!(基幹理工学部2年)
●学生・プロフェッショナルズ・大学職員という三者が一丸となることで、他のプログラムでは体験できない唯一無二の経験ができたと思います。論理的思考力、コミュニケーション力、チームワーク力など、今後の学生生活や社会人になってからも役立つ本質的な力を身につけられました。(法学部2年)
●自分の弱みにこれほど真正面から向き合った2ヶ月はありません。しかし、試行錯誤したご褒美に、今まで他人事だった金融について自分事として考えられるようになりました。そして、心からお手本にしたくなる仲間や社会人の方々に出会えたことに感謝したいです。(国際教養学部3年)
●今回のワークショップを通じて、ビジネスに関する部分だけではなく、課題を考えていくプロセスも勉強になりました。大学で学んだ論理的な思考力を、実際の企業課題に応用することもできました。また、社員の方々からは自分の将来にとって貴重なアドバイスも頂きました。将来について迷っている人はもちろん、学生生活をもっと充実したい人にもおススメです。(基幹理工学部4年)
【企業担当者コメント】
●うまくいったこと、いかなかったこと、振り返ると多々あると思いますが、反省点は次に活かすための観点なので、決して失敗とは思わないでください。また、早めの積立運用をオススメします。
●チーム活動として、ビジネス企画についてゼロから議論をしてプレゼンまで行ったことは、楽しいと感じる反面大変な面もあったのではないでしょうか。この経験とプロセスは今後、様々な局面で活かせると思います。
●本プログラムに手を挙げてくださったように、能動的・自発的動くことを継続していただき、是非「世の中に動かされる人」ではなく、「世の中を動かす人」になってください。
●単純な学校教育の利用やインセンティブ提供などの表面的な解決策ではなく、自分たちの課題として議論を通じて深め、チームとして提案に昇華させてくれて良かったです。金融の役割理解についてグループワークを通じて端緒をつかんでくれたものと思います。本プログラムでの学びや気づきを各自がどう実践し、新たな課題に対応するか、継続して思考し続けてください。
●正解のない課題に加えて、コロナ禍によるオンライン開催という難しい状況の中で、限られた時間でよく頑張ったと思います。学生の皆さんだけでなく我々にも学びの多いワークショップでした。これからも「金融を身近に」を広めていってください。
【担当職員後記】
●若年層向けプロモーションの提案という課題に対して、「自分事化できているか?」と、真剣なまなざしで自分自身やメンバーに何度も問いかけ、最後まであきらめずに取り組んでいた姿がとても印象的でした。
●全面オンラインでの開催となり、直接社員の方々と会うことはできませんでしたが、普段はなかなか触れることのできないプロフェッショナルズの視点を生で感じられたことは、とても貴重な経験になったのではないかと思います。
●チームメンバーとの関係構築、提案をまとめるための議論の進め方、情報共有のあり方など、たくさんの苦悩に満ちたワークショップだったのではないでしょうか。それでも最後はしっかりと提案をまとめ上げた学生のみなさんを誇りに思いますし、この経験やつながりを今後の糧にしてほしいと願っています。
- ツールを駆使して議論を重ねました
- 緊張の面持ちで発表する学生たち
- 学生らしいアイデアも大切に
- 最終報告会でのご講評のひとコマ