2021年度夏編を振り返って
新型コロナウイルスの影響により、2021年度夏編の地域連携ワークショップ(7月~9月)は全面オンライン形式での実施となりました。ワークショップ参加学生にどのような変化や気づき、学びがあったのかを以下にまとめています。
1.学修成果
ワークショップでの活動前後で本学のディプロマポリシーに基づき設定した10の質問項目について、4段階評価(4:当てはまる、3:どちらかといえば当てはまる、2:どちらかといえば当てはまらない、1:当てはまらない)で回答を受け付けました。
事前-事後の比較で特に大きな伸び(0.3ポイント以上の上昇)が見られたのは以下の4項目です(図1)。
- 新しいことに挑戦できる
- 課題の解決方法を提案できる
- 健全に批判することができる
- 公正な視点で多様性を受け入れることができる
これはワークショップにおいて、地域が抱える課題に対する解決策を作りあげるプロセスを経験できたこと、自分とは異なる他者(チームメンバーや地域の方々など)との深い関わりがあったことによるものと考えています。
2.参加学生の声
- チームのメンバーそれぞれの考えをすり合わせることで提案がより良い方向に進んでいきました。一人で進めたほうがスムーズなのは確かですし、チームの場合だとたくさんの考えが渋滞して議論が進みづらくはなりますが、それが逆に視野を広げ、解決のための新たな切り口につながることもありました。(法学部1年)
- 村の方々へのヒアリングで、相手の方が話しやすく、かつ、有用な情報が次々と引き出せるようなインタビューをすることの難しさを感じました。ワークショップを通して、グループワークの力やプレゼンテーション、オンラインでの作業の能力を伸ばせたと思います。(文学部1年)
- 受け身の学生生活ではできないような経験や出会いがこのワークショップにありました。自治体や一般市民の方々とのヒアリング作業、初対面の学生と協力してひとつの報告を作り上げる作業など、未熟な自分にとって馴染みのない経験ばかりでしたが、それ故に自分自身が成長するきっかけとなりました。(文化構想学部2年)
- 今までの大学生活で何度かグループワークを行ってきたが、あまり内容の濃くないディスカッションだった。今回のワークショップではアイスブレイクなどを通して、メンバー全員が意見を言い合える環境を作ったことによって良いディスカッションが行えて、満足のいく提案ができた。(社会科学部3年)
- 多くのヒアリングを通してWho?やWhat?、How?を突き詰めていった期間だったなと実感しています。地域に入ることの難しさと面白さ、地域を変えることの難しさと面白さを実感しながら、メンバー5人と一つの施策を提案したことはかけがえのない経験になりました。(人間科学部3年)
3.2021年度春編に向けて
2021年度春編の地域連携ワークショップ(2022年1月~3月実施)は、長野県木島平村、新潟県燕市、岡山県津山市、静岡県南伊豆町の4地域において実施させていただくこととなりました。
新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑みつつ、感染対策を講じた上で現地での調査・ヒアリングを一部再開する予定です。「地域での学び」を通して、多くの早大生のみなさんが新たな気づきや学生生活をより良いものにするためのヒントを得られるワークショップにしていきます。