Dormitory Desk, Student Affairs Section (Former Residence Life Center) 学生生活課 学生寮デスク(旧レジデンスセンター)

その他

富士山研修(2025年8月実施)

活動概要

訪問先:富士山 及び富士山周辺
参加学生:7名 
活動期間:2025年8月4日(月)~2025年8月7日(金) 

活動報告

特定非営利活動法人富士山クラブの協力によって実施する研修プログラムとして富士山に関わる課題などを多角的に学ぶ体験型の研修プログラム。
富士山をメインテーマに御師の家の見学、世界遺産センター訪問、ほうとうづくり体験、青木が原樹海ツアー、富士山登山を実施した。

参加寮生の体験記

「日本一高い山」と称される富士山。7人の寮生が参加した3泊4日の富士山研修では、その歴史と、現代でも多くの人に愛されている理由について学びました。
今回の研修では、特定非営利活動法人「富士山クラブ」の佐伯さんをはじめ、富士山の復古・発展を目指す一般社団法人「カノエサル」の方々、御師の「上文司家」の主、富士山ガイドの大森さんなど、たくさんの方々から富士山についての貴重なお話をいただくことができました。
1日目、富士山クラブの佐伯さんと合流したのち、富士山の「一ノ鳥居」と呼ばれる金鳥居を見学しました。富士講の信者は、江戸から富士山に登る時にこの鳥居で一礼をし、各御師の家に向かったそうです。鳥居より奥は全て神聖な場所とされているそうで、私たちも鳥居をくぐるときには一礼をして富士山登山への感謝と希望を表しました。その後、御師の家で御師料理をいただき、富士山登山への活力を蓄えました。次に訪れた御師の家(上文司家)では、昔の富士講の人たちが残した文化遺産を見学させていただきました。昔の富士講の人たちは、御師の家に対する感謝を表し、そして自分の名を次の世代にも残したいという目的で、奉納を行ったそうです。その奉納品も見学し、当時の様子を鮮明に感じることができました。1日目の最後は、富士登山の入口とも言われる浅間神社でお参りし、富士登山成功を全員で願いました。
2日目には、富士山の麓の河口湖付近で、特定外来種の「アレチウリ」という植物を駆除するボランティア活動に参加しました。最初はアレチウリを見つけるのがとても難しかったのですが、後半にはアレチウリを上手に見つけられるようになり、研修生同士で「東京に帰ってからもアレチウリを探してしまうね」などと話していました。昼食では、郷土料理である「ほうとう」を自分たちで作りました。そこでは、地元の高校生とも交流し、ご飯を食べながら会話を楽しみました。午後からは青木ヶ原樹海を巡り、富士山周辺に生息する生物のことを学びました。道中気温が急に変わる場所があったり、たくさんの生物の鳴き声を聞いたりしました。富士風穴と呼ばれる洞窟へ向かって降りていくと、いきなりひんやりとした空気に包まれ、別の世界にいるかのように感じられました。
3日目はとうとう富士登山の始まりでした。5合目でガイドの大森さんと合流し、1日目2日目で学んだことを胸に、ゆっくりと歩き始めました。長い距離を登る時に大切なポイントとして、①ゆっくり②深呼吸③栄養補給の3点があるとガイドの大森さんより教えていただいたので、徹底して行いました。富士講の人たちが抱いていた思いを考えながら、自分たちなりの思いを抱いてのぼりました。昔は、富士登山は安産祈願のために行われていたそうです。そのため私は、最近生まれた姪っ子の健康を願って頂上を目指しました。途中休憩を挟みつつ、険しい岩や風、砂埃などを乗り越え、夕方には8合目の山小屋に到着しました。道中、「まだ登るのか」と途方に暮れそうな時もありましたが、互いに協力し合いながら歩を進めていく仲間の姿を見て、一緒に登頂したいという思いがより一層強くなりました。山小屋では、夕食としてカレーライスをいただきました。富士山で食べるカレーは、達成感も相まっていつもとは違う美味しさを感じることができました。登頂を楽しみにしながら早めに就寝する準備をしていたとき、外の風が強くなりはじめ、大森さんから、「天気の関係で、もしかしたら頂上まで登れない可能性もある」と伝えられました。研修生一同はショックでしたが、翌日天気が良くなって登頂できることを願いながら就寝しました。朝の3時に起床し、同行していただいた富士山クラブの佐伯さんから、「天候がかなり悪いのですぐに下山しましょう」という連絡があり、下山の準備を始めました。下山途中に、頂上を見ると頂上付近がどんどん白くなっていき、風も大変強くなっていました。早めに下山を始めたことで、無事安全に5合目まで戻ってくることができました。「登頂」という目標は果たせませんでしたが、ガイドの大森さんや佐伯さんなどを含め、同じ目標に向かって進んでいった仲間と5合目まで戻って来れたことはとても嬉しいことでした。仲間と共に目標を達成するためには、お互いのことを尊重し合い、助け合う必要があることを学びました。そして、「自然」の厳しさ、ならびに自分たちの目標が全て達成できるわけではないという「社会」の厳しさも知りました。富士講の人は、これらの厳しさを乗り越えて富士登山を達成したのだと実感しました。「勝事ばかり知りて負くる事知らざれば害其の身に至る」という言葉にあるように、人は厳しさ・悔しさを知る必要があります。私たちは、厳しさ・悔しさを知り、それらを糧にして人生を豊かにできる人間へと成長する必要があります。私たちの登山はまだ終わってはいません。今回の富士山研修で学んだ事を見つめ直し、それらを糧にしてもう一度富士山登頂を目指すとともに、私たちの人生への登山を始めたいと感じる研修となりました。
富士山を知るということは、富士山の麓やその土地についても知ること。この研修では、上記で述べたことに加えて、たくさんのことを体験し、学ぶことができました。富士吉田の名産である「吉田うどん」をいただき、宿舎でのBBQや精進湖での花火大会なども体験することができました。それぞれの土地にはそれぞれの良い点があり、その特色を守っていくことがこれからの私たちの使命であると考えています。今回の研修全体を通して、富士山周辺の人々の想いや、富士山の良さを存分に知ることができ、「富士山」を守りたいという気持ちがとても強くなりました。加えて、私たちが今住んでいる東京、そして誇れる各自の出身地の特色も守っていく必要があるのだと、この研修で強く感じました。大学生の身として、できることは限られているかもしれないけれど、ボランティア活動などに積極的に参加することで、土地の保全・伝統の継承に少しでも協力できたらな、と感じています。
今回得た経験や考えは、WISHに入寮しSIプログラムに参加していなければ得られなかったものであると感じています。SIプログラムは素敵な学びと出会いを得られる貴重な機会です。ぜひ積極的に参加して実地研修に参加してみてください。
今回の研修をコーディネートしてくださった富士山クラブの佐伯さんをはじめ、研修に協力していただいた御師の家の方やガイドの大森さん、カノエサルの方々、地元の学生の皆さまには感謝しかありません。本当にありがとうございました。

(倉住 元悠)

学生生活課 学生寮デスク(旧レジデンスセンター)は、早稲田大学の学生寮に関する運営政策の企画立案ならびに学生サービスのための機関です。

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