Dormitory Desk, Student Affairs Section学生生活課 学生寮デスク

その他

福井研修(2026年2月実施)

活動概要

訪問先:福井県永平寺町(福井県立大学永平寺キャンパス)、勝山市市内
参加学生:15名 (RA含む)
活動期間:2026年2月26日(木)~2026年3月1日(日) 

活動報告

地方の代表的な地域の一つである福井県では、2024年3月16日に北陸新幹線が福井・敦賀まで延伸し、地域の新たな将来像を描くことが喫緊の課題となっています。一方で、福井県は「幸福度日本一」ともいわれる中で、少子高齢化や人口減少といった課題にも直面しています。こうした状況の中、福井県は地域特性を活かしながら、生産性の高い「稼ぐ地域」を実現できるのでしょうか。
本研修では、福井県内でも特徴的な産業経済を形成している勝山市の中核的な拠点を訪問し、今後の地方創生・地域創生のあり方や、地方活性化対策のヒントを探りました。特に、恐竜をはじめとする独自の資源に加え、産業や芸術文化を活用したブランド化を進める勝山市の地域ブランド力の強化策について、グループごとに検討・発表を行いました。
なお、本研修には福井県立大学経済学部経営学科に所属する学生6名も全行程に参加しました。

参加寮生の体験記

「幸福度日本一」といわれる福井県で、「地域のブランド力を高める“種”を見つけること」をテーマに、これからの地方創生・地域創生のあり方や、地方活性化対策の“種”を探してきました。福井県勝山市は、恐竜や産業・芸術文化などで地域のブランド化を進める都市として知られています。今回の研修では、3泊4日の期間で実際に勝山市を訪れ、15名の寮生と福井県立大学の教員や学生とともに福井県の風土、産業、地域づくりに触れながら、グループワークを通じて地域創生に向けたブランディングについて学びました。

現在の日本では、人口減少や少子高齢化問題などの諸問題が混在しています。その中で、地方においては人口減少や都市への流出が地方産業へ多大な影響を与えているのが現状です。これらの課題を解決するためには、国が推奨する地方創生に加え、地域住民が主体となって地域の強みを活かす「地域創生」に取り組み、持続可能な地域の形成を進める必要があることを学びました。地域創生を目指す上で、福井県立大学の先生方は、地域ブランディングこそが重要であると話をされていました。では、今なぜ地域ブランディングが必要なのでしょうか。日本全国の観光地域を見てみると、人口減少や人材の流動化、観光の高度化によって一部の地域のみに人気、注目が集中していることがわかります。この現状を打開するには、単なる行政施策や観光PRでは不十分でしょう。魅力を説明するだけでなく、地域そのものの価値に対する認識を変える必要があります。つまり、地域創生には、地域ブランディングで地域の価値の認識を変える“意味”を設計し、継続的に選ばれる状態をつくる必要があるのです。先生の言葉で特に印象に残っているものがあります。「No.1ではなく“only one”をつくる。」その地域でなければならないものを作ることで、多くの人から選ばれ続ける持続的な地域ブランディングとなり、それが地域社会を支える上で非常に重要な意味を持つと感じました。

2日目と3日目には、フィールドワークを行いました。勝山市では、福井県立恐竜博物館に訪れて恐竜の展示物の見学や化石研究の体験をしました。広大なドーム内には、動く恐竜模型や数多くの骨格標本が展示されているだけでなく、研究現場の見学や化石の発掘体験ができる点が大きな特徴です。建物の壮大さにも圧倒されました。老若男女を問わず楽しめる懐の広さをもつとともに、初学者から専門的な知識を有する研究者にとっても学びと楽しさを兼ね備えており、学術的にも高い意義をもつ稀有な博物館でした。日本のみならず世界でも一定の評価を得ている理由を実際に感じ、恐竜が勝山市の地域ブランディングにおける重要な柱の一つあることを実感しました。また、博物館の隣に建設途中である、福井県立大学に新設される恐竜学部のキャンパスを見学させていただきました。キャンパスを博物館の隣に建てることからも、教育がブランドの資産の一つであることを実感しました。他にも、近代化産業遺産である「ゆめおーれ勝山」を訪れ、機織り体験をしました。大本山・永平寺では、日本一厳しいともいわれる禅の修行道場、伽藍とその周囲を囲む自然が一体化しており、その荘厳な様は、目を見張るほどの素晴らしさでした。勝山市地域おこし協力隊による講話では、孤立や孤独を減らすため、空き家を活用した多機能型シェアハウスの整備を目標としているとの話がありました。そこでは、単なる居住の場ではなく、人と人が関わり合いながら生活し、住み慣れた地域で共生できる場の実現を目指しているとのことでした。住民同士の交流を通じて多様な人々が関わり合い、誰もが安心して過ごせる居場所づくりの重要性を実感しました。

最終日には、グループごとに地域ブランディング・アイデアを構想してプレゼンテーションを行いました。人口減少、過度な恐竜への注目や滞在時間の短さが消費額を減少させている現状を解決するために、私たちのグループでは、持続性と消費に着目し、「カードを集める」という企画を軸にブランディングをしました。そこに、恐竜学部生による恐竜博物館のガイドや勝山検定をつくり、そのスコアに応じて有効期限をつけた福井県で使える「はぴコイン」を獲得できる案を取り入れました。カードを集める際に各スポットを訪れ、恐竜以外の魅力の発見や消費・滞在時間を長くすることで、観光だけでない教育・産業・文化などのブランド資産を活かすことを目指しました。他のグループも研修での学びから様々なアプローチから構想を練り、勝山市のブランド力強化策を探究しました。

4日間の研修を通して、地域創生や勝山市のブランディングを実際に現地に赴き、地方が抱える諸問題を肌で感じながら検討できたこと。福井県の方々の温かい人柄に触れ、県大生と寮生との親睦を深めることができたこと。それら以外にも、多くの学びや出会いのあった、大変貴重な体験となりました。研修中は学ぶだけでなく、ソウルフードの越前おろしそばや、県大生の方々がおすすめしてくださったお寿司屋さんへ一緒に食べに行き、実り多い時間が思い出深く残っています。今回の研修で得られた学びや出会いは、すべて私の人生の財産となりました。地方が抱える問題を認識し、地域のブランド力の強化に向けた施策を構想しながら、地域づくりに向けた地域活性化の一助を担った経験は、自身の視野を広げ、新たな知見を得る貴重な機会となりました。この経験を将来に活かし、多角的な視点をもちながら、生活の中での気づきや学びを大切にしていきたいと思います。

最後に、本研修に関わってくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。特に、福井県立大学の杉山先生、北野先生には、研修を通じて温かいご指導とご支援を賜りましたこと、深く御礼申し上げます。また、福井県立大学の学生の皆さまをはじめとする関係者の皆さま、ならびにこのような貴重な機会を与えてくださった早稲田大学の関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。あわせて、本研修でともに学びを深め合い、楽しい時間を過ごせたWISHメンバーのみんなにも心から感謝しています。

   (H.O )

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