Chair of the State of Qatar for Islamic Area Studiesカタールチェア

カタール大学学長 Dr Hassan Al-Derham

カタールは、20年間にわたり、宗教や文明間の言語や文化にかかわる対話を推進してきました。また、イスラーム文明に関わる本事業の立上げは、文明間の更なる相互理解が求められている今日、まさに核となる戦略といえます。加えて、本事業はカタールと日本のあらゆる分野、特に文化や学術における長年の友好関係を強化するものであります。

この協定は両大学の意向に基づくもので、言語、文学、文化、宗教、歴史、政治、経済、国際関係、イスラーム文明にかかわる両国の関係に関する研究活動への支援を通じて、双方の可能性を引き出すものであります。

この度、早稲田大学に「カタール大学とのカタールチェアに係る共同事業」を共同設置し、双方の教員が、学術機関や研究センター間のイスラーム文明の諸側面に関する研究協力の促進に努めることになります。

我々は、研究プロジェクトの発展、イスラーム世界の更なる理解に寄与する人材の育成、イスラームのアイデンティティーに関する知識と理解、そして発展に寄与したいと考えています。

早稲田大学総長 田中愛治

2019年1月29日、本学の協定校であるカタール大学のHassan Al-Derham学長が来校され、本事業に関する協定書への調印式を行いました。事業の開始に至るまで、カタール政府や本学校友の方々を始めとする多くの方々に支えられてきました。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。

本事業の目的は、早稲田大学とカタール大学の連携を軸にイスラーム地域研究に関わる世界各国の研究者や研究機関と研究ネットワークを形成し、国際的、学際的な研究を推進することにあります。また、その知見を若手研究者の育成に還元することを目指します。事業を実施するにあたっては、チェアプロフェッサーを中心に研究成果の出版、研究プロジェクトの推進、国際会議開催、教育事業などを実施していきます。

10年間という長期間にわたる事業ですが、今後とも多くの方々のご理解とご協力をいただければ幸いです。また、事業の成果を反映した論文や書籍といった出版物や国際会議に趣向を凝らしていきますので、皆さまからの積極的なご参加をお待ちしております。

チェアプロフェッサー　アブドゥッラー・バーブード教授

早稲田大学における「カタール大学とのカタールチェアに係る共同事業」のチェアプロフェッサーを拝命し、誠に光栄です。事業の理念や目的は、広範囲に及んでおり、大変に刺激的かつ心躍るものであります。本事業は、現代イスラーム地域研究に関する知識の深化と、文化・エネルギー・環境・経済・歴史・国際関係・言語・文学・政治・宗教・安全保障等の分野における研究の充実を目標としています。したがって、この事業では、領域横断的・学際的なアプローチを採用し、既存の研究分野の枠組みを超えた革新的で示唆に富む研究を推進します。

イスラーム地域研究に関わる大学、研究機関、シンクタンクとの学術的な連携や協力関係を構築し、維持していくことも、チェアプロフェッサーの役割です。そのために、関連する研究を促進・運営し、様々な講演・ワークショップ・セミナー・シンポジウム・会議を開催いたします。また、日本とイスラーム世界との間の学術的・文化的な交流を促進するとともに、新しい世代の研究者や専門家を育成し、イスラーム地域についての正確でバランスの取れたより深い理解を提供することで、地域間関係の発展に努めます。本事業の活動を通じて、質の高い学術論文等を出版し、またイスラーム地域研究へのグローバルなアプローチが反映された研究成果を広く社会に還元したいと思います。

チェアプロフェッサーの重要な役割はイスラーム地域研究に関する学術的関心を喚起し、日本や日本国外におけるイスラーム世界に関する包括的な理解を育てることであると信じております。私は、自由な研究、建設的な対話、幅広い協力を推進するために積極的な役割を果たす所存です。それにより、文化・文明・地域・大陸をまたいだ相互の共感と理解の醸成に寄与できるものと考えております。

チェアプロフェッサーは、教授、研究助手、院生等たちの協力や学内に設置された各種委員会の支援のもとに、これらの広範囲に及ぶ事業を実施します。チームワークの育成や世界各地の個人や組織との協力関係の構築の大切さを信じる者として、早稲田大学とカタール大学の同僚ならびに関係各位と本、事業の使命と目的を成功させるために共に働くことを楽しみにしております。