スマートヘルスの今とこれからの課題を語るシンポジウムが開催されました
去る12月7日(金)、早稲田大学とシンガポールポリテクニック(以下SP)は合同で、今回で6回目となる「研究院フォーラム」として「スマートヘルス」をテーマに研究成果発表シンポジウムを開催しました。
過去5回は、「バイオ」「先端材料」「ロボティックス」「スマートヘルス」「IoT」をテーマとして開催しています。
今回のシンポジウムでは、マイクロバイオミクス、医療ロボット、口腔微生物、ウェアラブル技術等を用いた様々な研究に関する国際的な最新動向について、本学からは竹山春子教授(理工学術院)をはじめとする4名の研究者が、日頃の研究成果を発表しました。
また、SPからはシンガポールで取り組んでいるデジタル・ヘルスケアの取組みについて4名の研究者が発表を行いました。
西早稲田キャンパスの会場には、一般/学生等合わせて約80名が集まり、本学とSPが取り組むバイオイメージングツール、体内時計と光の動物・人体への影響、歯ブラシロボット等、最先端の研究に熱心に耳を傾けていました。
本合同シンポジウムをきっかけに、SPと早稲田大学の共同研究がより推進され、日本・シンガポール・世界が抱えている諸問題の解決に貢献につながることが期待されてます。
◇シンガポール・ポリテクニックについて (www.sp.edu.sg) ◇
1954年に設立されたシンガポール共和国初の技術専門学校。本学は、バイオメディカルサイエンスの分野における研究をさらに進展するため、SPと共同で、2015年にシンガポール共和国内に新たな研究拠点「Singapore Polytechnic-Waseda University Joint Biomedical Lab」を開設し、バイオイメージングや次世代シーケンシングなどのテーマに関する研究を展開しています。
———————————————————————
開会
———————————————————————
冒頭に本学の笠原博徳副総長(理工学術院教授)と、SPのDavid CHAI氏が挨拶。その後、記念品の交換が行われました。
———————————————————————
基調講演
———————————————————————
本学の竹山春子教授(理工学術院)は、“Approach to health care with single-cell based microbiomics”と題して、単一細胞ベースの微生物学を用いた医療へのアプローチ、微生物ベースのヘルスケア研究の事例を発表。
続いて、SPのEng Lee TAN研究員は、“SP Healthcare 2.0 – Digital Healthcare Innovation Centre”と題して、SPが取り組む新しいヘルスケアセンターを紹介しました。
———————————————————————
講演1
———————————————————————
本学の岡野俊行教授(理工学術院)は、“Effects of artificial light environments on human and animal healthcare”と題して、生活リズムに影響を与える光と人間の健康状態に関する研究を発表。
SPのKen LEE研究員は、“Near Infrared Fluorophore-tagged Chloroquine in Plasmodium falciparum Diagnostic Imaging”と題して、抗マラリア治療薬としてのクロロキンの臨床効果の実証結果を発表。
本学の石井裕之准教授(理工学術院)は、“Challenge of social implementation of new robots for medicine and health care”と題し、未来の歯ブラシの開発・実証結果を発表。
———————————————————————
講演2
———————————————————————
SPのPeng LI研究員は、“Microbiome community profiling through next generation sequencing”と題して、正常な微生物群集の組成の研究、その構成が及ぼす健康への影響を発表。
本学の三宅丈雄准教授(理工学術院)は、“Wireless-powered smart soft contact lens”と題して、次世代ウェアラブル製品として注目をあびる、エレクトロニクスを内蔵した無線ソフトコンタクトレンズの特徴と効果を発表。
SPのMark WONG研究員は、“Wearable insights – deep science behind the data”と題して、生体信号をウェアラブルデバイスにデータとして取り込み、蓄積し、健康に役立てる製品の開発・実証結果を発表。
———————————————————————
閉会
———————————————————————
本学研究院の小林直人副研究院長(研究戦略センター教授)の司会進行のもと行われた、4時間30分にわたる本シンポジウムは、本学研究院の加藤哲夫研究院長(法学学術院教授)の挨拶で閉会しました。
チラシはこちら