Organization for Islamic Area Studies早稲田大学 イスラーム地域研究機構

「前近代イスラーム社会知識人再考」第6回研究会（2017年12月17日開催）

◆場所：早稲田大学9号館103教室（イスラーム地域研究機構共同研究室）

◆参加人数：7名

◆内容：前回に引き続き、イブン・ハルドゥーン自伝における『歴史序説』のアサビーヤ論の応用例について検討した。とりわけ14世紀後半の有力マムルーク軍人ヤルブガー・ハッサキーのマムルーク軍団をとりあげた。イブン・ハルドゥーンはヤルブガーの時代に奢侈が目につくようになったとしており、ここには素朴な田舎の民が権力を握り、都会の文明になじんで奢侈に流れるにつれて、王朝の衰退が始まるという、彼の有名な循環史観の影響を見て取ることができよう。彼自身が仕えたバルクークはヤルブガー軍団の出身だが、その治世をイブン・ハルドゥーンがどう捉えていたかは、さらなる検討に値する課題であろう。（文責：佐藤健太郎）