「前近代イスラーム社会知識人再考」第3回研究会(2017年7月30日-8月1日開催)
◆場所:早稲田大学9号館103教室(イスラーム地域研究機構共同研究室)
◆参加人数:10名
◆内容:前回研究会で検討したザーヒリーヤ学院教授職就任の演説に続いて、サルギトミシュ学院教授職就任(1389年)にあたっての演説を検討した。ここでも、神や預言者ムハンマド、その教友たちを称える常套句の後で、マムルーク朝君主バルクークに対する賛辞が連ねられており、当時のエジプトにおける知識人と支配者の関係を示している。また、学院を設置した一世代前のアミール・サルギトミシュに対する賛辞も述べられているが、これについてはバルクークのワクフ政策とそれに対するイブン・ハルドゥーンの姿勢が反映されているのではないかとの問題提起もなされた。これについては、さらなる検討が必要であろう。(文責:佐藤健太郎)