「前近代イスラーム社会知識人再考」第1回研究会(2017年7月1日開催)
◆場所:早稲田大学9号館103教室(イスラーム地域研究機構共同研究室)
◆参加人数:6名
◆内容:イブン・ハルドゥーンがカイロのザーヒリーヤ学院教授職就任(1386年)にあたっておこなった演説を通して、知識人と支配者との関係について検討した。この演説の中では、神や預言者ムハンマド、その教友たちを称える常套句の後で、マムルーク朝君主バルクークや、この学院の建設や管轄を任されていた有力アミールに対する賛辞が続いている。この中では、当時の為政者がいかに学問を保護していたかが強調されている。イブン・ハルドゥーンはこの演説について「当地の慣例」に従っておこなったとしており、マグリブ地域での慣例との差異をうかがわせている。この点については、さらなる検討が必要であろう。(文責:佐藤健太郎)