「現代ムスリム社会における風紀・暴力・統治についての多角的分析」第2回研究会(2017年7月22日開催)
◆会場:早稲田大学早稲田キャンパス11号館805教室
◆参加者:14名
◆内容:高尾賢一郎、髙岡豊、和崎聖日、上原潔が参加し、研究会の今後の活動について打ち合わせを行った。その後一般参加者10名が加わり、第二回研究会において高尾と髙岡による研究報告が行われた。高尾報告は、サウジアラビアの勧善懲悪委員会とインドネシア・アチェ州のヒスバ警察という、当該社会で風紀取り締まりを行う二つの公的機関の活動実態と、同機関に対する当該社会における評価について説明した。質疑応答では、それぞれの宗教警察が捜査機関あるいは司法機関としてどの程度の法的権限を持っているのかについて議論がなされた。また髙岡報告は、「イスラーム過激派」と呼ばれる諸組織が「イスラームに則ったもの」との前提で行う統治の思想的根拠や実現方法について、「イスラーム国」(ISIL)を中心的な事例として説明した。質疑応答では、一般に考えられる「統治」を前提にして「過激派」が取り組む支配・統治の方法を理解することの是非や有効性について議論がなされた。