早稲田大学では、2004年9月に、学問系統ごとの学部と大学院の研究・教育組織を統合する学術院制度が導入され、法学学術院が誕生しました。そして、2011年4月には、大学院の独立研究科であった法務研究科(法科大学院)が法学学術院に加わり、現在、法学部、法学研究科、法務研究科、比較法研究所、法務教育研究センターの5つの機関により法学学術院が構成されております。
法学学術院の歴史はこのように新しいものですが、法学学術院は、1882年の東京専門学校創設当初より存する法律学科以来の140年に及ぶ早稲田法学の長い伝統を受け継ぎ、今日、現にこれを担っている組織であります。学術院を構成する各機関の設立目的や教育理念はそれぞれ異なりますが、法学学術院という同一系統の単一組織のなかで、一体的な取組みが可能となることにより、法学の教育・研究のますますの連携とその強化が図られることになります。法学学術院では、研究面ではすでに60年の歴史をもつ比較法研究所が、所属研究者の共同研究を活発に行ってきています。また、法務研究科と連携して法曹(裁判官・検察官・弁護士)志望者に体系的・効果的な一貫教育を施す「法曹コース」プログラムが2020年度から実施されており、法曹養成に関する法学部と法務研究科との連携はさらに緊密なものとなっています。そして、研究者養成に関しても、法学部と法学研究科との連携を強めることはもとより、法学研究科と法務研究科との連携を図るための検討も始められております。
法学学術院として法学系統の教育と研究が一元的に統合された現在、構成機関相互の有機的な連携を確保し、学術院全体の力を総合することで、国内はもちろん国際的にも最高レベルの法学教育・研究機関として、常に新たな課題の生起する社会の要請に応え続けることができるように、法学学術院の教職員一同、さらに努力を続けてまいります。
法学学術院長・法学部長
田村 達久