イスラーム教徒(ムスリム)の人口は他の宗教信徒と比較して急速に増加しており、近い将来にはキリスト教徒を抜いて、最大の信徒数を抱えると予測されている。このような世界的状況において、ムスリムやムスリム社会(Muslim societies)といかに共生して行くのかは、我々人文学の研究者にとっても焦眉の検討課題であると言わざるを得ない。そこにおいては、彼らの社会の在り方や宗教に基づく諸慣行について知悉し、共に生きる途を模索して行くだけでなく、ムスリム社会のあるべき姿について彼らと共に議論していくような場の設定も重視されよう。
本研究部門は、かかる課題に対して、単に時流に乗って事象の説明に終始するのではなく、ここまでに至った複雑な歴史的背景を丹念に一つ一つ解きほぐして考察し、事象の背景を深く掘り下げることを意図している。同時に、人文学に関わる様々なディシプリンに基づく研究者たちの協働作業によって、人文学なりの領域横断的研究や今日的な学際的研究の在り方を追究していくことも計画している。加えて、イスラームの拡大は今日のグローバリゼーションをある意味で背景としており、グローバルな諸問題と取り組むことも本研究部門の研究課題としたい。
メンバー紹介
部門代表者
五十嵐 大介
研究所員
- 飯山 知保
- 五十嵐 大介
- 井上 貴智
- 井上 文則
- 大稔 哲也
- 岡 真理
- 小田島 恒志
- 國弘 暁子
- 児嶋 由枝
- 小村 優太
- 佐藤 尚平
- 甚野 尚志
- 中澤 達哉
- ホサイン タニア
- 益田 朋幸
- 松前 もゆる
- 藻谷 悠介
- 柳澤 明
招聘研究員
- 荒井 悠太
- 小松 由佳
- 杉本 悠子
- 土佐林 慶太
- 中村 妙子
- 永島 育
- 堀拔 功二
- 𠮷村 武典
研究報告
2023年度の活動
・Abdesselam Cheddadi(ムハンマド 5 世大学・名誉教授)講演会“Ibn Khaldûn and his work in a perspective of global history”
日時:2023 年 10 月 2 日 17:00~18:30
場所:早稲田大学戸山キャンパス 39 号館 5 階第 5 会議室
・Tarek Sabraa 博士(マックス・プランク学術史研究所(ドイツ・ベルリン)ポスドク研究員)講演会“Historical Works of Ibn al-Zamalkani, a Damascene historian contemporary with Ibn Qadi Shuhba”
日時:2023 年 11 月 19 日 15:00~16:30
場所:早稲田大学戸山キャンパス 31 号館 307 教室
・Tarek Sabra 博士「アラビア語手稿本セミナー」
日時:2023 年 11 月 26 日 15:00~17:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス 31 号館 301 教室
・オヌル・エザータ氏連続講演会「ドイツにおけるレイシズム Ⅱ 移民、難民」
日時:2023 年 11 月 28 日 17:15~20:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス 36 号館 682 教室
・研究報告会「中世後期ヒジャーズにおけるヒストリオグラフィーとアイデンティティー」報告者:大津谷馨)
日時:2024 年 2 月 8 日 14:00~17:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス 39 号館 5 階第 5 会議室
・早稲田大学講演会&映画上映会「シリアの物語、女性、祖国」
日時:2024 年 3 月 16 日 14:00~18:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス 33 号館 132 教室
2022年度の活動
日本中東学会第38回年次大会(共催)
日時:2022 年 5 月 14・15 日
2021年度の活動
研究会「中世アラブ・イスラーム史研究の最前線」
日時:2021 年 2 月 9 日(火) Zoom 開催
・アラビア語医薬文献・本草文献研究の可能性について(橋爪烈)
・中世シリア諸都市と十字軍(中村妙子)
・マムルーク朝期エジプトのコプト農事暦と徴税:アブー・バカーゥ・ムハンマド・イブン・ジーアーン著『年 と月を繰り越すことについての満月の上昇』写本調査報告(吉村武典)
2020年度の活動
2019年度の活動