研究内容
本研究部門では、「考古学から見た社会の複雑化と階層化」を研究テーマとする。人類は初期の狩猟採集社会から農耕・牧畜社会へ複雑化の度合いを増し、さらに階層化・階級化した社会や古代都市の出現をみる場合もある。こうした社会の複雑化・階層化は、地域・時代・生態・環境等によって極めて多様であり、生業、居住形態、信仰、交易等とも密接に関連する。すべての古代社会が都市化したわけではないし、都市化の段階まで達した社会でも何らかの原因で衰退したり、大きな社会集団を形成できなくなったりする場合もある。
本研究部門では研究対象とする世界各地の先史社会・古代社会において、社会の複雑化や階層化の過程を中心的課題として、具体的な事例を扱いながら比較研究を実施していく。それは現代の社会や都市文明の諸問題がいかにして生じてきたのか、それらがいつどこでどのように生み出されてきたのかを歴史的事実の中で明らかにしたいと考える。本研究部門ではそうした諸問題について人類社会の揺籃期にまで遡って解明したい。
研究計画
社会の複雑化・階層化の研究を進めるにあたり、アフリカ大陸、ユーラシア大陸西部、ユーラシア大陸東部、日本列島そして新大陸の5つの地域研究プロジェクトを設ける。各プロジェクトでは本学他学術院、他箇所および学外の招聘研究員を交えて研究を進める。
- フィールド調査の実施
各研究員は世界各地で独自にフィールド調査を行っている。その成果を発表し本研究部門の観点から討議する研究会を開催する。 - 内外研究者による講演会・研究会
国内、国外の研究者による講演会、研究会を開催する。 - 會津八一記念博物館所蔵資料の活用
會津八一記念博物館所蔵の考古・民族資料を活用しての研究を推進する。 - フォーラム、シンポジウム
研究成果については年に1回のシンポジウムとフォーラムを開催する。 - 成果の発表
当研究センター刊行の電子ジャーナルに積極的に利用して成果の発表を行う。
メンバー紹介
部門代表者
長﨑 潤一
研究所員
- 川尻 秋生
- 城倉 正祥
- 高橋 亘
- 田畑 幸嗣
- 寺崎 秀一郎
- 中門 亮太
- 長崎 潤一
- 山崎 世理愛
- 余語 琢磨
招聘研究員
- 河合 望
- 小泉 龍人
- 高橋 龍三郎
研究報告
2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
- 「社会の複雑化・階層化の史的パースペクティブ」研究部門主催
シンポジウム「権力の誕生―儀礼・祭祀からみる古代文明形成の考古学的アプロー チ」(2016. 2.20)
- 「社会の複雑化・階層化の史的パースペクティブ」研究部門主催
第1回公開講演会「社会の複雑化と縄文時代研究」(2015.10.31)
2014年度
- 「史的パースペクティブ」研究部門後援
公開シンポジウム 「古代西アジアの食文化:ワインとビールの物語」
2013年度
- 「史的パースペクティブ」研究部門後援 公開シンポジウム
「アジアの土と炎」(2014.3.29) - 「史的パースペクティブ」研究部門共催 公開シンポジウム
「縄文時代装身具の考古学―身体の装飾をどうとらえるか―」(2013.11.16-17) - 「史的パースペクティブ」研究部門後援 公開シンポジウム
「関東甲信越地方における中期/後期変動期―4.3kaイベントに関する考古学的現象③―」(2013.4.27-28)