研究内容
歴史用語「鎖国」の使用は、19世紀初め、志筑忠雄がケンペルの『日本史』の一部を「鎖国論」として抄訳したことに始まる。この用語は日本の近代化の過程において、脱却すべき日本社会の旧弊を象徴するものとして使用された。また、「島国社会」などもそのような旧弊を引きずる自己完結社会を示すイメージが濃厚であった。しかし、これらは日本が国民国家の育成と国際社会の一員となることに力を注いだ時代の言説であったと見ることができる。21世紀に入ってからは国家の枠組みを相対化して世界を捉えるトランスナショナルな視点が重視され、研究分野にも大きな変容が見られる。当研究部門では、「日本文化の固有性」という視点から解き放たれたトランスナショナル社会における日本文化の究明をめざす。
メンバー紹介
部門代表者
鶴見 太郎
研究所員
- 飯山 知保
- 伊川 健二
- 小原 淳
- 川尻 秋生
- 久保 健一郎
- 河野 貴美子
- 下村 周太郎
- 城倉 正祥
- 甚野 尚志
- 陣野 英則
- 田中 史生
- 谷口 眞子
- 鶴見 太郎
- 長﨑 潤一
- 成澤 勝嗣
- 藤野 裕子
- 真辺 将之
- 森田 貴子
- 和田 修
招聘研究員
- 赤松 秀亮
- 海老澤 衷
- 小川 仁
- 佐竹 康扶
- 高橋 龍三郎
- 似鳥 雄一
- 山口 えり
研究報告
2024年度
- シンポジウム〔共催〕「柳田学の現代的意義を考える(柳田国男生誕150年記念)」(2025.03.08)
2023年度
- シンポジウム〔共催〕「警察史の可能性:近代日本国家史研究への新たな扉」(2024.3.10)*『歴史評論』(歴史科学協議会)2025年2月号(通巻898)に特集「警察史の可能性」として、パネリストによる論考が掲載された。
2021年度
- 公開講演会〔主催〕「仏日における国際日本学の研究動向と今後のゆくえ」(2021.7.10)
- 研究会〔主催〕「近世日本の海外知識、海外の近世日本知識」(2022.1.22)
2020年度
- 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」主催
研究会「近代北方史の動態を探る―北海道開拓と民衆経験―」(2020.08.02) - 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」主催
シンポジウム「日琉関係史の軌跡と展望―紙屋敦之氏の研究を中心に―」(2020.09.26)
2019年度
- 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」主催
国際シンポジウム「南蛮史料研究の新地平」(2020.01.11)
2018年度
- 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」共催
シンポジウム「朝河貫一 -人文学の形成とその遺産-」(2018.07.21-22) - 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」主催
シンポジウム「荘園調査と web 公開―備中国新見荘から美濃国大井荘へ―」(2018.09.05) - 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」主催
シンポジウム「荘園研究の現在と未来」(2019.03.16)
2017年度
- 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」「ヨーロッパ基層文化の学際的研究」共催
ワークショップ「朝河貫一の教育活動」(2017.07.15) - 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」主催
カレントモデルとしての美濃国大井荘研究(2017.09.06) - 研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」「ヨーロッパ基層文化の学際的研究」主催
ワークショップ「朝河貫一の東アジア研究」(2017.01.27)
2016年度
- 「トランスナショナル社会と日本文化」研究部門共催
主催:日本古文書学会
第四十九回日本古文書学会大会(2016.9.24~26)
→Waseda Rilas Journal 特集3 RILAS研究部門「トランスナショナル社会と日本文化」
日本古文書学会大会開催記念展示記録
2015年度
- 主催:「トランスナショナル社会と日本文化」研究部門、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「近代日本の人文学と東アジア文化圏―東アジアにおける人文学の再生と危機」、スーパーグローバル大学創成支援事業・日本文化学拠点、角田柳作記念国際日本学研究所
シンポジウム「朝河貫一と日本中世史研究の現在」
(2015.12.5) - 「トランスナショナル社会と日本文化」研究部門主催
「科研:既存荘園村落情報」キックオフ・シンポジウム 「既存荘園村落情報に関するクラスターモデルの構築に向けて」(2015.9.9)
2014年度
- 「トランスナショナル」研究部門主催シンポジウム
「近代東アジアにおける人・情報の移動と他者認識」(2014.7.12)
2013年度
- 「トランスナショナル」研究部門共催シンポジウム
「トランスナショナル社会における相互認識」(2013.11.23) - 「トランスナショナル」研究部門共催シンポジウム
「アジアの水利問題と国家・社会(その4)―水利から見た共同体と国家―」(2013.10.21) - 「トランスナショナル」研究部門共催シンポジウム
「アジアの水利問題と国家・社会(その3)―中世村落の総合的復原研究―」(2013.7.13)
※報告要旨集はこちらからご覧いただけます
- 「トランスナショナル」研究部門共催シンポジウム
「アジアの水利問題と国家・社会(その2)―日本中世の荘園空間と水利―」(2013.6.17) - 「トランスナショナル」研究部門後援講演会
「日タイ交流に関する遺跡について」(2013.4.8)