言語と文化のインターフェースについての研究会 報告
本研究は、第二言語習得における句法と語彙・意味のインターフェースに焦点を当て、中国語の不及物動詞に関する学習者の課題を探求の過程を紹介、成果を披露しました。従来の研究は、文法、形態、音声など言語の各モジュール内の狭義的な要素を対象に研究されがちでしたが、これらの要素がどのように相互作用するかについてはあまり注目されていません。ジャッケンドフ(2002年)やラインハート(2006年)のインターフェース理論に基づき、言語の異なる側面がどのように統合され、変換されるかが論じられています。特に、中国語の不及物動詞は、変化を伴うものと伴わないものに分類され、語順が意味的な制約を受けることが示されています。英語を母語とする学習者は、これらの動詞の語順の習得に苦労しており、文法と語彙・意味の統合に問題を抱えています。研究結果は、第二言語教育において文法構造だけでなく、言語の異なる要素がどのように連携するかを学ぶ重要性を示唆しています。この研究は、語順の理解における認知的負担や学習者の課題を浮き彫りにし、第二言語習得における新たな視点を提供します。
- 開催概要
日時:4月17日(木)18:00〜19:40
開催方式:対面(会場:戸山キャンパス第6会議室)
報告者:袁博平(ケンブリッジ大学教授)
報告題目:二语习得中的句法和语言界面问题–以汉语二语不及物动词为例
主催:中国語教育総合研究所
共催:早稲田大学総合人文科学研究センター部門「東アジアの人文知」