岩佐又兵衛の源氏絵
(第14回源氏絵データベース研究会)
『源氏物語』を絵画化した源氏絵は、平安時代から現代に至るまで数多く制作された。この研究会では、源氏絵の全体像を明らかにし、源氏絵を深く理解するために、『源氏物語』を享受し再生した作品群や、『源氏物語』を享受し再生する営為、すなわち源氏文化に関する検討を継続的に行っている。
今回は公開形式で研究会を実施し、近世初頭に源氏絵に新たな構図や場面選択をもたらし、源氏絵の革新を行った岩佐又兵衛(1578~1650)の作品について集中的に議論した。又兵衛研究の第一人者である廣海伸彦氏、戸田浩之氏が登壇し、又兵衛周辺作も含めた作品紹介を行い、その特質について多角的に検討した。
特に、福井の豪商金屋家に伝来し「金屋屏風」と通称される押絵貼屏風(六曲一双、現在は掛幅装となって諸家分蔵、うち2面は現所蔵者不明)の制作年代や屏風装であった際の配列などについて踏み込んだ議論が交わされた。プログラムは以下の通りで、40名ほどの参加者を得た。
第1部(14:00~15:30) 研究発表
- 司会:稲本万里子(恵泉女子大学)
- 発表1:廣海伸彦(出光美術館)「出光美術館の源氏絵―葵巻の絵画化を中心に」
- 発表2:戸田浩之(皇居三の丸尚蔵館)「岩佐⼜兵衛筆「和漢故事説話図」(福井県⽴美術館蔵)の源⽒絵について」

研究発表
第2部(15:45~17:00):フリートークと質疑応答
- 司会:三宅秀和(群馬県立女子大学)
- 廣海+戸田「岩佐又兵衛の源氏絵―旧金屋屏風を基点に」

フリートーク
開催概要
- 日時:3月22日(土)14:00〜17:00
- 方式:対面(会場:戸山キャンパス38号館AV教室)
- 主催:科研費基盤A(代表・稲本万里子)「源氏文化ポータルを共有・活用した源氏絵の俯瞰的・創発的研究」
- 共催:総合人文科学研究センター角田柳作記念国際日本学研究所(SGU国際日本学拠点)