早稲田大学総合人文科学研究センター(以下、人文研)では、2018年度より、キャリア初期研究者支援の一環として、これから英語で論文を書く方を対象に「英語論文ライティング講座」を定期的に開催している。2023年春の「入門編」は、早稲田大学アカデミックソリューションのPeter Chin講師による講義を対面形式で実施し、大学院文学研究科の学生11名が参加した。
冒頭、小野正嗣・人文研副所長は、いかなる分野であっても、英語で論文を執筆・投稿することが今後ますます重要になること、そのために本講座で得た知見を将来のキャリア形成に活かしてほしいと挨拶した。
続いて、Peter Chin先生の講義では、第一に、英語論文を書くためには大量に読むことが重要であるとして、1日に1本の英語論文の読解を最低でも66日間(習慣化されるための必要日数)継続することが推奨された。さらに、英語論文を執筆するための要点を「パラグラフ(Paragraph)」、「引用 (Citation)」、「言葉遣い(Language)」、「ビジュアル(Visual)」の4点に分けて具体的方法が示された。
①パラグラフ:各センテンスを主張・根拠・説明に分類し、これらのセンテンスによって論理的なパラグラフの構築を目指す。
②引用:APAスタイルやシカゴ・スタイルの違いを理解し、適切な参考文献リストを作成する。
③言葉遣い:一つのセンテンスに含まれる形容詞、副詞、名詞節、強調表現をうまく使いこなし、断定表現を避ける。
④ビジュアル:グラフ、ダイアグラム、ピクチャーを有効的に使用するべきである。一方で、表(テーブル)の使用に関しては、「視覚的に一瞬で理解できること」が優先される学術論文においてはなるべく避けるべきである。
以上の具体的なアドバイスの最後に、英語論文の習得は日々の積み重ねが肝要であることが強調され、講座が締め括られた。
講義中はもちろんのこと、終了後にも参加者同士の交流と講師との積極的な意見交換がなされた。今後も、本講座が、英語で論文を書く意欲のあるキャリア初期研究者にとっての一助となれば幸いである。
以 上
(記:村山雄紀)
開催詳細
- 日時:2023年4月21日(金) 4限(15:05~16:45)
- 形式:対面形式 (戸山キャンパス33号館第一会議室)
- 使用言語:英語
- 参加者:11名(大学院文学研究科在学生)
- 講師:Peter Chin(早稲田大学アカデミックソリューション講師)