比較文学研究室主催イベント
『オシリス、石ノ神』をめぐって
——吉増剛造インタビュー 開催報告
2024年12月21日午後2時30分より、「『オシリス、石ノ神』をめぐって――吉増剛造インタビュー」と題してイベントを開催した。
当日はそれに先立って13:30より、日本経済新聞社(桂星子記者)によるイベントの取材が、33号館6階、総合人文科学研究センター研究室にて行われた。助手の金子聖奈さんにお手伝いをいただいた。
来客は学内者約10名、学外者約40名。『オシリス、石ノ神』について、聞き手である堀内正規によるイントロダクションのあと、質問に答えていただく対話形式で、吉増剛造さんが、この詩集の成り立ち、意図、書籍化するに当たっての意識、詩集に現れた問題(縄文文化、民俗学、環状列石、アメリカ原住民文化など)について語られた。また収録された各詩についても、堀内の分析もまじえながら具体的なお話を伺った。独自の詩作法についても、普段は聞くことができない微妙な機微にわたるお話を伺えた。またこの詩集の核となる『現代詩手帖』の連載(1982年9月~1983年6月)を編集者として担当し、単行本の編集者でもあった樋口良澄氏が来場されたので、樋口氏からも貴重な証言をしていただくことができた。
後半の時間には、出席者からさまざまな発言をしていただき、さながら大規模な読書会のような祝祭的な雰囲気の中で、アカデミックな複数の声の交響が実現できたと考えている。発言者の中には、音楽、ユダヤ文学、アメリカ文学などの専門家の他、映画監督や詩人の方なども含まれる。
当日の様子は日本の現代詩を学ぶすべての者たちが必ず読み参照すると言ってよい雑誌『現代詩手帖』(思潮社)にその記録が採録される予定であり、上記のさまざまな議論の内容については、報告者の印象で雑駁な記述をして誤解を生じさせる可能性もあるため、関心のある方々には『現代詩手帖』の誌上採録を読んでいただきたい。
(報告者・堀内正規)
開催詳細
- 主催:早稲田大学総合人文科学研究センター比較文学研究室
- 登壇者:吉増剛造(詩人)、堀内正規(文学学術院教授)
- 日時:2024年12月21日(土)
- 場所:早稲田大学戸山キャンパス33号館第1会議室
- 参加者:約50名