2024年10月21〜25日にかけて、北米美術図書館協会(ARLIS/NA)のスタディ・ツアーが日本で初めて実施されました。これを主催する東京文化財研究所の依頼を受け、角田柳作記念国際日本学研究所では、本学の学術資源について紹介するプログラムを実施しました。
当日は、東京文化財研究所文化財情報資料部・部長の江村知子氏(本学校友)以下3名の同研究所研究員の引率で、アメリカなどの美術図書館や大学図書館に所属する16名の参加者が来校し、會津八一記念博物館、中央図書館、国際文学館(村上春樹ライブラリー)を見学しました。

會津八一記念博物館
各館助手や職員、また大学院文学研究科院生の協力を得て、大学博物館・図書館として屈指の規模を誇る本学の美術資料や蔵書の形成過程、その活用方法について解説を行いました。参加者の専門は美術史・歴史・文化史・写真史など多岐にわたり、美術専門図書館の司書・研究員として日常的に所蔵資料の収集・研究・管理と情報発信、機関連携に従事している方々でした。日本の大学における学術資料の保存・活用に高い関心を寄せてくださり、本学で所蔵する国宝や重要文化財を含む文化財や貴重書が、研究・教育資源としてどのように活用されているのかについての質問、デジタル化の方法、資料保存スペース確保の課題等について、多面的な質問が寄せられました。

會津八一記念博物館1階にて、今井兼次設計の旧図書館(二号館)であった建築の歴史や、横山大観・下村観山合作「明暗」について解説

中央図書館4階AVホールにて早稲田大学図書館の沿革を解説

中央図書館4階特別資料室にて貴重書の閲覧
当日會津八一記念博物館では「《羅馬使節》―東西の融和の美」、中央図書館では「江戸の「源氏遊び」―錦絵、香の図、双六、かるた―」、国際文学館では「山本容子版画展 世界の文学と出会う〜カポーティから村上春樹まで」の展示を開催しており、各館で展示見学の時間を取ることもでき、充実したプログラムを提供できたことは幸いでした。後日、参加者から、学生でにぎわうキャンパス内で、素晴らしい文化財と貴重書を見学できたのは印象的な経験であったとの言葉が寄せられました。
(山本聡美 記)
開催詳細
- 日時:2024年10月25日(金)10:00-12:00
- 開催方式:対面(會津八一記念博物館、中央図書館、国際文学館)
- 主催:早稲田大学総合人文科学研究センター(角田柳作記念国際日本学研究所)
- 共催:會津八一記念博物館、中央図書館、東京文化財研究所
スタディツアー報告会の様子
2025年3月に、イリノイ大学でスタディツアーの報告会が実施されました。
https://mediaspace.illinois.edu/media/t/1_fbq6894t