「COVID-19」研究会
総合人文科学研究センター研究部門「COVID-19を経験した社会の人文学」2023年度第1回研究会
COVID-19を経験した東南アジア地域の今
―文化遺産・博物館・観光産業の事例を中心に―
日時:2023年4月28日(金)18時00分~
方法:Zoomを使用したオンライン開催
報告者:白石華子(京都大学東南アジア地域研究研究所 連携研究員)
「観光立国タイの今―観光、文化芸術セクターにおけるCOVID-19の影響―(仮)」
世界有数の観光立国であるタイにおいて、COVID-19の世界的流行は国家経済の危機をもたらした。厳しい入国制限や長期間に渡る非常事態宣言の発令は観光産業やそれに従事する人々の暮らしに多大な影響を与えたが、昨年秋の規制緩和以降には国を挙げた外国人観光客の誘致が再開した。またタイを代表する観光地の一つであり、発表者が専門とする考古遺跡や博物館運営の現場では、COVID-19の流行により資料のデジタル化やオンラインによる活動が推進されたものの、最近では反動的な取り組みも見られるようになってきた。本報告では主に観光産業や文化芸術活動にCOVID-19がもたらした変化を、背景にあるタイ社会の特徴とともに紹介する。
報告者:大坪聖子(招聘研究員)
「ラオス南部の文化遺産地域の今―伝統社会におけるCOVID-19の現況とその影響(仮)」
今も伝統生活を営むラオス南部ワット・プー地域では世界遺産登録以降、観光開発に伴って近代化が進行し価値観の多様化が生まれ、伝統文化の崩壊が危惧されてきた。これに加えて世界的規模の感染症COVID-19により、伝統を継承してきた文化遺産地域では新たな局面を迎えている。本報告では伝統社会におけるCOVID-19の今を概観し、その影響で「生まれた習慣」「失われた(失われつつある)慣習」という観点から動向を考察し、さらにはポスト・コロナ社会に向けての展望を考えてみる。
コーディネータ:御子柴善之
※付記:この研究会は公開で行われますので、どなたにもご参加いただけます。研究部門にご所属でない方は、4月27日までに御子柴善之研究室に参加希望をメールでお伝えください。URLをお届けいたします。
連絡先:御子柴善之研究室([email protected])