本学高等研究所の藤枝俊宣講師(JSTさきがけ兼任)は、理工学術院先進理工学部の武岡真司研究室(生命医科学科)と開発を進める医療用高分子ナノシート(ナノ絆創膏)に関する総説をNature Publishing Groupが発行するPolymer Journal 7月号に掲載しました。
ナノ絆創膏は2007年から本学で独自に開発を進めてきた外科手術用創傷保護材のことで、数百ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)の薄さを利用した「臓器に貼れる絆創膏」として癒着防止材や薬物徐放材への応用が期待されています。本総説では、ナノ絆創膏のこれまでの開発経緯や、新たな展開としての再生医療応用や生体エレクトロニクス分野に向けた最新の研究動向が紹介されています。
同号の表紙には、本学がスーパーグローバル大学創生支援(SGU)で連携するItalian Institute of Technologyと共同開発した導電性ナノシート「電子ナノ絆創膏」とLEDを利用して、手のひらに「夏の大三角形」を描いています。ナノ絆創膏の柔らかさを示すとともに、デネブ・ベガ・アルタイルが結ぶ三角形がナノ・バイオ・エレクトロニクスが繋ぐ先端医療技術の展望を表しています。(撮影協力:武岡研究室大学院生,山岸健人・岡本麻鈴・染谷大地)
導電性ナノシートとLEDからなる手乗りサイズの「夏の大三角形」(Nature Publishing Groupの許可を得て掲載)
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Development of free-standing polymer nanosheets for advanced medical and healthcare applications T. Fujie, Polymer Journal (Focus Review), Polymer Journal, 48(7), 773-780 (2016). DOI:10.1038/pj.2016.38
論文:http://www.nature.com/pj/journal/v48/n7/abs/pj201638a.html
表紙:http://www.nature.com/pj/journal/v48/n7/covers/index.html