【今週の相談】
保健センター 戸山分室 保健師 畔柳(くろやなぎ)
この春、一人暮らしを始めた人の中には、家で料理の手伝いをほとんどしてこなかった人も多いことでしょう。突然一人暮らしになり、自炊しようにも何をどう調理すればいいのか困ってしまいますよね。私も途方に暮れた時がありました。かといって、コンビニ弁当、菓子パン、カップ麺にサプリメントを加えるような食生活では、栄養が偏ってしまいます。
自炊といっても、難しく考えないでほしいのです。買い置きの食材として、お勧めなのはバナナ、リンゴ、プチトマト、豆腐、納豆、卵などです。値段が安く、そのままでも食べられます。卵は5分もあれば調理できます。野菜ジュースなども上手に取り入れるといいと思います。
朝食としては、バナナとシリアルと豆乳(または牛乳)の組み合わせや、食パンにチーズを載せて焼いたり、切り餅を焼くのもいいですね。おわんに、みそ、ワカメ、削り節(または 粉末だし)をそのまま入れ、お湯を注げば、即席みそ汁もできます。少し料理ができる人は、鍋料理のように、とにかく肉、魚、野菜、豆腐などの材料を切って煮て、好みで和風・カレー・クリーム・トマト味などの味付けをすれば、立派なおかずになります。余ったご飯や冷凍うどんを入れるのもお勧めです。
これらは一つのアイデアですが、栄養のバランスを考え過ぎてもストレスになりますので、適度に好きなものや食べたいものを取り入れることも、自炊を長続きさせる秘訣(ひけつ)です。面倒なことも多いけれど、食について前向きに取り組むことは、これからの長い人生に確実に役立ちます。自分への投資と思って、楽しみながらやってみてください。
自炊を全くしない人もいると思いますが、その場合に大切なのは「選ぶ力」です。料理をしなくても、外食、中食(調理済みの食品を持ち帰り食べること)の中で、どのようなメニューを選ぶかです。最後に、選ぶ時のポイントをまとめてみました。
- 同じ物ばかり選ばず、さまざまな食品を組み合わせる(自然とバランスがよくなる)
- 味が濃すぎず、脂っこくないものを選ぶ(塩分と脂肪に注意)
- 色とりどりの野菜をとる(腸内細菌のエサになる食物繊維が入っている)
- 加熱調理されていない生野菜・果物をとる(酵素が多く入っている)
- 加工されすぎず、保存料などの添加物の少ないものを選ぶ
【おまけのポイント】
- 腹八分を心掛け、きちんと空腹を感じてから食べる
- よくかむ(消化吸収を助け、有害物質を解毒する)
- 「おいしい、おいしい」と思って食べる
- 感謝して食べる

早稲田大学学生健康増進互助会(学生早健会)で毎年5月下旬と10月下旬(予定)に期間限定で朝食を100円にて提供しています。こういった機会も利用してみましょう。写真は昨年提供されたメニュー