【今週の相談】
友人から深刻な悩みを相談されたときは、
どのような対応をすればいいのでしょうか。
「ゲートキーパー」としての役割について教えてください。
(文学部2年 女性)
保健センター副所長
金子 昭彦(かねこ あきひこ)
政治経済学術院准教授
内閣府が平成23年度に行った「自殺対策に関する意識調査」によると、「今までに本気で自殺したいと思ったことがある」人の割合は、20代では28.4%となっています。あなたの周りに深刻な悩みを持ち、自殺願望を持っている人がいてもおかしくありません。
ゲートキーパーとは、日本語で「門番」という意味ですが、自殺予防の観点では「自殺の危険を示すサインに気付き、適切な対応を図ることができる 人」とされます。ゲートキーパーとは特定の職業や資格を表す言葉ではなく、それぞれの立場から自殺願望を持っている人に対応する人たちの総称です。学生の 皆さんは、医療や福祉に関して専門知識を持っていないかもしれませんが、友人の悩みに気付き、声を掛け、耳を傾け、専門家につなぐという役割を果たすこと はできます。
あなたの友人が深刻な悩みを持ち、自殺をほのめかすような場合、以下のことに注意するといいでしょう。まず、声を掛けるときには、「はい」「いい え」では答えられないようなオープンクエスチョン(例えば、「何か困っているみたいだけど、どうしたの?」など)で問い掛けるのがいいでしょう。相手が自 分の悩みを打ち明けやすくなります。また、相手の話を聴くときは、相手の考え方を肯定することが重要です。話をそらしたり、「そんなことで」と否定した り、安易に励ましたりはしないでください。そして、適切な相談者(他の友人、家族、指導教員)や相談機関(保健センター学生相談室、学部や大学院の事務室 など)につなぐことが重要です。決して、自分一人で解決しようとはしないでください。
友人の深刻な悩みに気付いたら
□積極的に声を掛けてみる
□友人の悩みをじっくり聴く
□友人の悩みを一人で引き受けず、他の友人、家族や指導教員と一緒に対応する
□保健センターの学生相談室を紹介する