Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早大生リポート

すべての道はローマに通ず―2000年の思いが詰まったアッピア旧街道

古代ローマ時代に思いをはせて

国際教養学部 2年
岡 テオドーラ さくら(おか・ておどーら・さくら)

今ではことわざにもなっている「すべての道はローマに通ず」という言い伝えを聞いたことはありますか? 英語では”All roads lead to Rome”、イタリア語では”Tutte le strade portano a Roma”と言います。イタリアでも有名なこの言い伝えは、2000年以上前の古代ローマ時代に作られたアッピア旧街道を示しているものです。1784年に新しいアッピア街道が旧道に平行して作られたため、アッピア旧街道と呼ばれていますが、そのままの形で残されている場所もあり、現在はイタリアの有名な観光スポットの一つになっています。

アッピア旧街道は、紀元前312年、既に存在していたローマとアルバーノを結んでいた道を拡大して敷設されました。その後、さらに延長され、ローマとイタリア南東のプッリャ州にあるブリンディシという都市を結ぶ一本道ができたのです。では、なぜブリンディシまで道を敷設したのでしょうか? それは、ローマ帝国にとって、アドリア海に面したブリンディシが、東洋やギリシャなどと交流し、商売取引をするために必要不可欠なスポットだったからです。ローマから商品を運び、ブリンディシで他文化の人々と交流していたのです。こうして、アッピア街道は商売人にとって欠かせない道になり、たくさんの人たちが街道沿いに家を建てるようになりました。そのため、今でもアッピア旧街道では多くの遺跡を見ることができます。「カポ・ディ・ボヴェ」という古代ローマの温泉も残っていますよ!

カポ・ディ・ボヴェ(温泉)

また、ローマのアッピア旧街道は、ある名言でも有名になりました。ローマ布教に際し、皇帝ネロによる弾圧で追われる身となった聖ペトロが、アッピア街道の途中でイエスの幻影に出会い、「主よ、どこへ行かれるのですか(Domine, quo vadis?)」と尋ねたところとしても知られています。現在その場所にはドミネ・クォ・ヴァディス教会が建てられています。

アッピア旧街道は多くの商売人が通り、今では大勢の観光客が訪れている道です。2000年以上の時を刻む中で、さまざまな出来事や人々の思いがたくさん詰まっている道だと私は感じています。これからも、多くの人の思いをあの大きな石畳に積み重ね、次の世代に言い伝えていくと信じています。

古代ローマ時代に造られた、ローマのコロッセオ(円形闘技場)。大学入学前までローマで暮らしていたときに撮影

◎ローマはこんなところ◎

イタリアの首都。紀元前753年に建国されたという記述が伝説として残り、コロッセオやフォロ・ロマーノなど古代遺跡が多数残るほか、スペイン広場やトレビの泉、真実の口など有名な観光スポットも多く、世界各国から観光客が集まる。また、市内には世界最小の国家バチカン市国があり、カトリックの総本山としても知られている。日本からは直行便で約12時間。

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