Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早大生リポート

ミュージカルサークルによる演劇公演 上野樹里主演で映画化『サマータイムマシン・ブルース』

どらま館動員500人 早稲田から舞台芸術を盛り上げたい

pic1SEIREN(公認サークル)
教育学部 4年 一柳 貴洋(いちやなぎ・たかひろ)

「演劇」という言葉を聞くと、どこか自分とは遠い世界、堅苦しくて難しい、暗いイメージ…そんな印象を持つ方が多いかもしれません。しかし、演劇は英語で表記すると「Drama」です。「ドラマ」と聞くと、テレビドラマが思い浮かぶように、少し身近なものに感じられないでしょうか?

私は、そんな「演劇」の堅苦しい固定概念を払拭し、まずは早稲田から「演劇」をもっと広めたいという思いを強く抱いていました。そこで“ミュージカルサークル”に所属する私は、あえて「演劇(ストレートプレイ※)」に挑戦し、今年の5月に「どらま館フェス2016」で公演を行いました。そしてこの作品の企画・演出、出演も務めました。

この思いを体現すべく、私が考えたことは主に以下の3点です。

本番公演の様子。「SF研」のメンバーがタイムマシンを発見した場面

一つ目は、「著名かつ明るい作品の選出」です。2005年に、瑛太、上野樹里主演で映画化もされている『サマータイムマシン・ブルース』の版権を人気劇団「ヨーロッパ企画」から取得し、上演しました。有名作品を扱うことで、演劇を見たことがない方々も足を運びやすくなることを狙いました。

二つ目は、「演出におけるエンターテインメント性」です。私たち「Seiren Musical Project(以下SEIREN)」は、年3本のミュージカルで5,000人以上の観客を動員するサークルです。そのミュージカルで培ってきた、他の演劇サークルでは珍しい「エンターテインメント性」を演出に取り入れることで、お客様が作品をより楽しめるように心掛けました。具体的には、冒頭に曲中で登場人物紹介をしたり、タイムマシンの仕掛けで用いられる音響照明を派手なものにしたりしました。

『サマータイムマシン・ブルース』の参加メンバーで、新入生を対象に行った芝居ワークショップより

そして三つ目は、「他劇団とコラボレーションすることで、役者の意識を高め、作品のクオリティーを上げる」ことです。同じく早稲田演劇を盛り上げるべく活動している「(劇団)森」の役者の方にも出演していただきました。SEIRENの役者は、演劇畑の役者に触れることで実力向上が図れ、一方で(劇団)森の役者は、SEIRENの稽古の質と意識の高さに刺激を受けたそうです。この交流は、早稲田演劇を盛り上げるために不可欠な「役者としての基礎能力」向上につながったと確信しています。

この結果、5日間で500人以上のお客様を動員し、初めて演劇を見た方にも「またSEIRENの公演を見に来たい」、「演劇のイメージが変わった」などの声をいただくことができました。

日本で演劇が一般的になるのには時間がかかるかもしれません。しかし、今回の公演で早稲田演劇周辺において「演劇のイメージ」を変えるきっかけづくりはできたと信じています。「学生ができる最大限のパフォーマンスを演劇やミュージカルで届け、早稲田界隈(かいわい)から舞台芸術を盛り上げていきたい」。この思いがまた一段と強くなったプロジェクトとなりました。

※ストレートプレイ…伝統的な演劇の一形態で、主にミュージカル以外の演劇のことを指す。

◆どらま館フェス2016

どらま館フェス_アイキャッチ開催日:2016年5月12日(木)~30日(月)
会場:早稲田小劇場どらま館
2015年4月に早稲田の南門通り商店街にリニューアルオープンした、早稲田小劇場どらま館の開館1周年を記念して行われた演劇フェスティバル。公認サークルの「SEIREN」による『サマータイムマシン・ブルース』、「(劇団)森」による『ジャッジインディスコ』、「演劇倶楽部」内のユニット「the pillow talk」による『グランメゾン・アカシア』の3公演が、全て学生の企画・演出により上演された。

 

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