
2025年9月ジョージタウン大学構内にて、「Theory and Practice of Global Sport Management」を受講したメンバーと。2列目の右から5番目が吉岡さん、2列目の左端が松岡先生。中央の「JAPAN」のユニフォームを着ている方はジョージタウン大学の講師
13の学部があり、多岐にわたる学問領域で学生を育成する早稲田大学。「こんな授業!どんなゼミ?」では、どんな授業やゼミがあり、どんな学びが得られるのかについて、実際に受講した学生が紹介します。
Theory and Practice of Global Sport Management【スポーツ科学部設置科目】
スポーツ科学部 2年 吉岡 歩睦(よしおか・あゆむ)

ワシントンD.C.にて
皆さんは、野球のMLBやバスケのNBAなど米国のスポーツリーグを見ることはありますか? 古くからスポーツ市場をリードしてきた米国は、近年さらにその規模と影響力を拡大させています。世界中の人々を惹きつけるこれらのリーグの魅力は、競技レベルの高さだけでなく、マーケティングの巧みさにもあります。
松岡宏高先生(スポーツ科学学術院教授)による「Theory and Practice of Global Sport Management」は、米国・ワシントンD.C.を5日間訪問し、スポーツマネジメントの最前線に触れる機会が得られる授業です。プログラムには、現地でのスポーツ観戦やNBAのアリーナ見学、ジョージタウン大学訪問(日本人学生コミュニティーとの交流やスポーツ施設を中心とした見学)が組み込まれており、理論と実践の両面からスポーツマネジメントを深く学べる構成となっています。
写真左:現地では、MLBを2試合、サッカーのMLSを1試合観戦。MLBワシントン・ナショナルズの小笠原慎之介投手の登板も見ることができました
写真右:ジョージタウン大学の体育館を見学
現地では松岡先生に加え、コーディネーター兼講師として同行していただいたジョージタウン大学の講師から、豊富な現場経験に基づいた講義を受けました。特に印象に残ったのは、スタジアム建設によって周辺地域の治安が改善し、雇用が創出されるなどの経済的な波及効果がもたらされた点です。実際に、ワシントン・ナショナルズの本拠地であるナショナルズ・スタジアムを訪れた際には、周辺の街並みが整備されており、その実例を目の当たりにしました。
写真左:NBAワシントン・ウィザーズの本拠地であるキャピタル・ワン・アリーナにて講義を受ける様子
写真右:ナショナルズ・スタジアム周辺の整備された街並み
また、スタジアムは単なる「スポーツの場」だけでなく、ミニゲームやイベントなどさまざまなエンターテインメントが存在し、観戦以外にも観客それぞれの欲求を満たす仕掛けが施されていました。米国は日本より商業意識が高いと感じた一方で、スポーツが文化として定着し、地域の人々が集うコミュニティー形成の場にもなっているようです。
この授業には、学部生だけでなく大学院生やMBA(経営学修士)の学生も多く参加しています。さらに、ジョージタウン大学の日本人学生たちとの交流も含め、バックグラウンドの異なる人たちと文化の違いを超えたスポーツビジネスの可能性について意見を交わすことができたのは、大きな学びでした。先生や学生との交流を深めることで、スポーツビジネスを学ぶ自分の視野が広がっていくのを実感しました。

ジョージタウン大学の学生たちと撮影した一枚。2列目の左から4番目が吉岡さん、中央が松岡先生。
これまで私にとって米国は、どこか遠い別世界のような存在でしたが、この授業を通して、その距離感は大きく縮まりました。「活躍のフィールドは世界なんだ」という感覚が自分の中に芽生え、これまで漠然としていたスポーツビジネスにおける国際的なキャリアへの関心が、より現実味を帯びてきたように感じます。






