
近代とは不確実性を排除するプロセスだった。いや、こう言った方が分かりやすいだろう。近代とは予測可能性を高めるプロセスだった。地図アプリで検索すれば、あとどれぐらいで特定の場所に到達できるかが分かる。そして、その時間を基に行動計画を立てる。予測可能性が高まれば高まるほど、社会は効率的に動く。今風にいえば、タイパが良いというわけだ。
私はタイパという言葉が好きではない。時間対効果の効果っていったい何のことだろう。最初から効果を設定してしまえば、それ以上の効果は期待できないのではないか。人間の知恵などたかが知れたものである。最初に設定したゴールなど大したことないのだ。
人生もしかり。タイパばかり考えているような人生などつまらないではないか。
学生時代に有り余るものといえば時間だ。いや、時間しかない。学生でいる間ぐらいは時間を気にせず、とことん何かに熱中してみてはどうだろうか。
(KT)
第1184回






