Waseda Weekly早稲田ウィークリー

News

ニュース

今こそ静岡県南伊豆町へ! 早大生たちが実現した「田舎留学プロジェクト」

「つながる田舎留学」参加者全員の集合写真。南伊豆町の港町・伊浜にて。前列右から3番目が三井さん

さまざまな人が集い、多様な学びがあるキャンパスライフの一コマを、自身の気付きや成長と共に語る「早大生リポート」。今回は、早大生たちが立ち上げた新しい事業「田舎留学プロジェクト」について、三井さんがリポートします!

「住まずとも、まちの一員」になりませんか?

「田舎留学プロジェクト」事務局長
政治経済学部 3年 三井 大輝(みつい・だいき)

2025年9月18〜24日、早大生を中心とした首都圏の大学生24名が、伊豆半島の最南端にある静岡県南伊豆町に滞在する「つながる田舎留学」を実施しました。これは、「田舎留学プロジェクト」という事業の一環になります。

「田舎留学プロジェクト」は、2023年度早稲田大学地域連携ワークショップにおける、南伊豆町の関係人口(※)創出がテーマのワークショップに参加した私を含む5名のチームが立ち上げました。ワークショップ期間中のフィールドワークで触れた町の人の温かさを、より多くの人に肌で感じてもらうことが関係人口創出の鍵になると考え、2024年3月にこの事業を提案し実現させたのです。その主軸事業として立案したイベントが「つながる田舎留学」です。

※ 移住した「定住人口」や観光に来た「交流人口」ではなく、地域とさまざまな形で関わる人々を指す。

「つながる田舎留学」は、単なる観光やサークル合宿ではありません。南伊豆町の魅力も、課題も、何気ない日常も、この共同生活を通して味わうことで、「住まずとも、まちの一員」を疑似体験することができます。その運営の多くを、私が事務局長を務める任意団体「田舎留学プロジェクト事務局」と、その実働部隊である「田舎留学プロジェクト運営局」が担う、画期的な取り組みです。

期間中は学生たちが南伊豆町内で共同生活をしながら、以下のさまざまな活動を行いました。

・多様な事業者や個人宅でのボランティア活動
・町内全ての小中学校において、子どもたちの進路選択や生き方の軸を共有する特別授業の実施
・地域イベントへの参加
・活動拠点の宿に町民や子どもたちを招いた交流会
クラウドファンディング支援者の方々とのバーベキューや花火、町内の竹を使った流しそうめんなどのレクリエーション
・南伊豆町商工会とのイベント共催

写真左:コンバインに乗って稲作の手伝いをしている様子
写真右:南伊豆町商工会とのコラボレーションが実現し、町のイベントの抽選会を手伝いました

本事業は関係人口の創出を目的としており、私たちはそれを「住まずとも、まちの一員」と定義しています。「田舎留学プロジェクト」の事業立案当初、私たちの意識は「何かをしてあげる」「地方の課題から学びを得る」という考え方が主でした。

しかし、「つながる田舎留学」での体験は、関係人口としての意識を明確にしました。懇親会の際に町議会議員の方から伺った担い手不足という深刻な課題、学校での特別授業で出会った「将来はこの町を出たい」と話す児童。関わってきた方々の顔が浮かぶにつれ、町の課題はもはや人ごとではなく、私たち自身の問題へと変わっていったのです。おのおのがこうした経験を経て、町の未来を共に憂い、考える、まさに「住まずとも、まちの一員」になっていました。

「つながる田舎留学」の懇親会で、町民の皆さんとの集合写真。本プロジェクトの共催者である南伊豆町役場、スポンサー企業、町議会議員、観光協会、商工会などから多くの方々にご参加いただきました

この他にも、「田舎留学プロジェクト」ではさまざまな施策を実施。多角的に町と関わる機会を用意することで、事務局、運営局を含めた多くの学生が関係人口となる道筋を伴走できる体制を整えています。

・毎年秋に早稲田キャンパスで開催される周辺地域イベント「地球感謝祭」でのブース出店
・早稲田大学ボランティアサークルの合宿のアレンジ(宿の紹介、合宿補助金申請のレクチャー、ボランティア先とのマッチングなど)
・南伊豆町内や交流自治体である杉並区における観光PRイベントでのボランティア参加
・企業などと連携した学生以外の関係人口創出を目指したワークショップの実施

民間企業Moon Creative Lab Inc.との共催で、東京・表参道にて実施したアクティブシニア向けワークショップの様子。企業や団体との連携を今後も促進し、南伊豆町の関係人口創出に向けた新たな可能性を模索していきます

さらに、南伊豆町が発行する広報誌『広報みなみいず』や、私たち事務局が自主発行するパンフレットの配架などを通して、最近では町内での私たちの知名度も上がってきました。南伊豆町のこれからを担う可能性のある若人として、大変大きな期待、それに伴う責任を強く感じています。

「田舎留学プロジェクト」は、一度きりの華やかな思い出として消費されるのではなく、「つながる田舎留学」にとどまらず何度も足を運び、季節の移ろいを共にする中で、少しずつその土地の一部になっていく感覚があります。そうした継続的な関わり、すなわち関係人口になるプロセスの中で、「第二の故郷」としてのアイデンティティーや信頼関係を醸成します。単なる自己実現の手段としての枠を越えていく、新しい大学生活の過ごし方として、皆さんも南伊豆町へ来てみませんか?

南伊豆町の観光名所、菜の花畑。春になると一面の菜の花が私たちを迎えてくれます

【田舎留学プロジェクト】
・Webサイト:https://inakaryuugaku.com/
・X:@inakaryuugaku
・Instagram:@inakaryuugaku

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる