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心が動く日々を ~山・温泉・ビール。それが広瀬の歩き方~

早稲田大学には、さまざまな趣味や特技を持つ先生がいます。「教員のオフタイム」では、授業中は見せない、先生の意外な一面を紹介します。

スポーツ科学学術院教授 広瀬 統一(ひろせ・のりかず)

1997年早稲田大学人間科学部卒業後、2004年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門分野は、アスレティックトレーニング、外傷・障害予防、発育発達。Jリーグユースからなでしこジャパンまでフィジカルコーチとしてアスリートを支えている

心が動くことを欲する人

人の体は安定を求めます。恒常性という静かな営みがそれを支え、脳もまた、自由エネルギーを最小化することで、一定を求めています。しかし、心は常に、「動かされる」ことを欲している。人間とは、そんな生き物のように思っています。

私もそんな人間の一人として、日々、心が動かされることを期待して生きています。私のオフタイムもまた、日常に少しの非日常を重ねた時間です。

心が動く日常と非日常

心が動くのは、自分と他者や物語、風景などとの間に揺らぎが生じ、意味のあるつながりができる時です。

人との会話の中で、新しい価値観に触れる時。タイののどかな浜辺で、潮風のやわらかさに身をゆだねる時。それぞれに、今の自分を揺らす小さなきっかけが潜んでいます。そうした瞬間に、今の自分との境界が揺らぎ、新しいつながりを生み出してくれる。こうした心が動く瞬間は、私にとって研究や教育活動であり、多様な特性を持つ子どもの運動支援であり、サッカーのトレーニングサポートでもあります。

心が動く歩き方

今回は、私の心が特に動く山の歩き方について紹介します。

都内最高峰・雲取山(東京都側)から望む冬の富士山。ただ、畏敬の念を抱く

まず、山に貴賤はありません。登る高さを競っているわけでもなく、速さや難易度を競うわけでもありません。山であれば、どこでも良いと思っています。それぞれに魅力があり、それを見つけるのも心が動く機会になります。

しかし、私には一つのこだわりがあります。“山・温泉・ビール”が、必ずセットになっていることです。登る山の近くに温泉はあるか。絶対に外せない要件です。そして、クラフトビール。アンバーエールやポーター…、その日の気分で選ぶ楽しみがあります。山の近くにそんな店があるときには電車で、そして車での移動時には自宅に。これらの要件がそろっていることが、私にとっての山登りなのです。

写真左:余韻のひと時。この日は、青梅丘陵コースをハイキングした帰りに、クラフトビールの IPA(インディアン・ペールエール)を飲んだ
写真右:“広瀬の歩き方”に欠かせぬ温泉。大山へ登った後、神奈川県伊勢原市にある旅館にて

山を無心で歩いていると、さまざまなことに思いをはせ、感謝の念を得ます。日々の暮らし、これから目指すこと…。これらのことを考えていると湧き上がるのは、大切な人たちへの感謝の気持ちです。

山頂での極上の時間。調理用具のコッヘルとガスバーナーは小学生からの友

目の前の急坂や、小さく咲く花。それらを日常になぞらえて感じられる、多くの気付き。そして何より、頂上から見渡す景色。

山で疲れた体を温泉に浸す。自分をいたわる時間が、達成感を増幅させてくれる。そしてビール。一口飲んだ時の幸福感は、心の動きを最大化し、新たな自分との大きなつながりを作ってくれます。

これが、私の歩き方です。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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