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次世代スターここにあり! 音楽で心の居場所を作りたい

「孤独な人に寄り添いたい」

文化構想学部 2年 橋詰 昌慧(はしづめ・まさと)

戸山キャンパス 36号館前にて

シンガー・ソングライター、トロット(※)のアーティスト、そしてNPO法人「パステル・ペッパー・マジック」 代表。三つの顔を持つ橋詰昌慧さんは、「孤独な人に寄り添いたい」という思いで、日々音楽活動やお悩み相談配信を続けています。最近では、2025年2~5月に放送された韓国発のオーディション番組『ミスタートロット ジャパン』(BSよしもと)で3位に輝き、深い感情表現力と魅力的な歌声で視聴者の心をつかみました。多方面での活躍の根底にある思いや原動力、そして気になるキャンパスライフなど、等身大の橋詰さんに迫りました。

※韓国の音楽ジャンルで演歌・歌謡曲に位置付けられる。

――現在1番力を入れている活動と、始めたきっかけを教えてください。

バンド活動を始めた頃の写真。よくX JAPANの楽曲をカバーしていた

シンガー・ソングライターとしての活動です。自ら作詞・作曲をして、現在は都内のライブハウスを中心に活動しています。

音楽に最初に触れたのは、4歳の時。ギターやピアノをしていた両親の影響で幼い頃から音楽に関わる機会が多く、クラシックピアノを始めました。小学4年生の時には8歳離れた兄の影響でギターを、また歌うことも好きだったので、ボーカルとしてバンド活動を開始しました。当時は高校生や大学生の中に小学生の自分一人が混ざってボーカルを担当し、ハイトーン系の曲をカバーしていましたね(笑)。

――いつ頃から楽曲制作を始めましたか?

初めて作詞・作曲をしたのは、小学6年生の夏休みです。きっかけは、同世代の女の子がいじめで自殺したニュースを見て衝撃を受けたことでした。同時期に僕自身もカラオケ番組への出演がきっかけでいじめられた経験があって。その時自分の周囲には助けてくれる人がいたのですが、ふと「この人たちがいなかったら自分はどうなっていたのだろう」という思いが頭をよぎったんです。この経験から、「寄り添ってくれる人がいない人」の存在を知り、自分なりにできる音楽を通して、何かしなければという使命感に駆られました。

すぐに行動に移したくて、夏休みの自由研究として手探りでオリジナルソング制作に挑戦しました。そして、いじめ防止活動の一環として、地元の社会福祉協議会ボランティアに演奏メンバーとして登録したんです。

――音楽活動を続けてきて、今まで最も印象に残っている経験は何ですか?

13歳の時に作曲家の松本俊明先生と共演したチャリティーコンサートです。松本先生はMISIAの代表曲『Everything』を作曲したことでも有名で、世界の音楽業界でも注目を集める作曲家、ピアニストです。所属していたボランティア団体からのご縁で、自殺防止の国際機関NPO法人国際ビフレンダーズから依頼を受け、共演が決まりました。当日はさまざまな楽曲を歌ったのですが、松本先生がこの日のために作詞・作曲してくださった『旅立ちの歌』を歌ったことがとても印象に残っています。

僕は、音楽はすごいツールだと思っています。言葉だけでは伝わらないことをメロディーに乗せることで、すんなりと受け取れるのが好きなところです。実際に松本先生の演奏を聞いて、「音楽をやる意味」をあらためて感じました。1音1音に気持ちがこもっていて、松本先生の演奏から音楽の特性を肌身で感じ、音楽を続けていく決心をしました。

2019年13歳の時に、作曲家松本俊明さんと共演したチャリティーコンサートにて

――一方で、橋詰さんが代表を務めるNPO法人「パステル・ペッパー・マジック」はどんな活動をしていますか?

中学2年生の頃、現在の配信につながる活動を始めた際の写真

17歳の時に、「孤独な人に寄り添いたい」という自分の思いを形にしたいと考え、設立しました。中学2年生から始めたお悩み相談の配信が主な活動です。匿名で“お悩み”を募集し、僕一人ではなく、YouTube Liveに集まった「みんなで」話しながら悩みを解決することを大切にしています。ゆくゆくはNPO法人の強みを生かして、対面での学校訪問や講演会で悩みに寄り添ったり、若者が何かしらを自由に表現できる場所を増やしたりしていきたいと思っています。

――最近では、韓国発オーディション番組『ミスタートロット ジャパン』で全体3位という素晴らしい成績を収めました。

『ミスタートロット ジャパン』は、懐メロ(韓国語でトロット)をテーマに参加者が「ミスタートロット」の座を目指す韓国発オーディション番組の日本版です。

トロットジャパンに出演した理由は、懐メロを通じて自分の伝えたい音楽を表現できると思ったからです。現代の歌の特徴として、歌詞より音のハマり方や韻を重視し、ハイトーンな歌声が求められる傾向があると感じていて。そのような歌にも魅力を感じる反面、どこかしっくりこなかったんです。そんな中で、このオーディションの存在を知り、懐メロは自分の低音ボイスや「メッセージ性を重視した音楽をしたい」という考えにぴったりで、自分の個性を生かすことができるため、まさに「自分が出るしかない!」と思いましたね。

オーディションに参加してから自分と同じ悩みを抱える参加者と出会い、時間を共にする中で、自分の個性をより認められるようになりました。前よりも素直に、自分らしく歌えるようになったと実感しています。

写真左は『ミスタートロット ジャパン』で参加者74名の中から選ばれたファイナリストの集合写真。右から2番目が橋詰さん (©︎FANY Studio)

――今後の目標について聞かせてください。

まずは、アーティストとして2〜3年以内にメジャーデビューすることが目標です。「孤独な人を救いたい」という思いを大切に、その人と同じ感情になって寄り添えるような楽曲を作りたいと考えています。そして、アーティスト活動を軸にNPO法人の活動にも力を入れ、将来的には「人に寄り添う」をより深堀りするために、現在大学で学んでいる心理学を究めたいと考えています。ゆくゆくは、公認心理師の資格取得にも挑戦したいですね。

@hashizumemasato

“君がペン先に込めた感情はもう読めなかった…” #ふぞろい #橋詰昌慧 #はしづめまさと

♬ オリジナル楽曲 – 橋詰昌慧/はしづめまさと – 橋詰昌慧/はしづめまさと

『ふぞろい』橋詰昌慧/作詞・作曲

第903回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
社会科学部 3年 米田 菜々美

【プロフィール】

大阪府高槻市出身。趣味は週3回の筋トレと料理を作ること。料理の腕前は、本格的なフレンチのフルコースを作ってしまうほど。前菜からデザートまでその完成度はシェフ顔負けで、味はもちろん盛り付けやお皿にもこだわるのが橋詰流。休日はサウナによく通うそう。

写真左:自身で作ったフレンチ料理。左にあるパフェのこだわりは、上に乗っているチョウ形チョコレート。これもお手製なんだとか
写真右:大学1年生の時に撮影した宣材写真

X:@LyriRhetoMASATO
Instagram:@masatohashizume
TikTok:@hashizumemasato
公式Webサイト:HOME│橋詰 昌慧 – Hashizume Masato OFFICIAL WEB SITE

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