誰かのためになることを続けたい
SJC学生スタッフ
法学部 2年 佐藤 大起(さとう・だいき)
皆さんは、学生参画・ジョブセンター(以下、SJC)を知っていますか? おそらく知らない人がほとんどだと思います。私はそんなSJCの学生スタッフをしています。
SJCとは、学生部学生生活課に設置された組織で、中でも私は、学生生活課の厚生デスクで勤務しています。メンバーは学部、学年さまざまで、現在18名ほど。学生健康増進互助会の医療費給付申請受付業務の他、学生の声や提案を取り入れ、大学の利益、価値向上につながる企画を検討し、実施する活動に取り組んでいます。
私は入学当初、MyWaseda上でSJC学生スタッフの募集を見つけ、大学運営に携わることで、自分のモットーである、誰かのためになることが実現できるのではないかと考え、応募しました。
SJCのさまざまな取り組みの一つに、「ワセ会議」があります。毎年12月頃に開催する、早大生なら誰でも気軽に参加できるイベントです。この会議では、学生生活で日頃感じているちょっとした不満・要望などについて積極的に意見交換して、大学へ向けて改革につながる提案をしています。
2023年度に開催したワセ会議で寄せられた昼食に関する不満を解決すべく、今回「昼食プロジェクト」と銘打った企画を実施。改めて全早大生にアンケートをとってみると、「食事をする場所が混雑していて昼休み時間内に食べられない」「学内に売店・飲食スペースが少ない」など2,230件もの回答が集まり、プロジェクトメンバー6人で力を合わせて改善に乗り出しました。
写真左:アンケートはMyWasedaのメールで全学生へ送信した他、キャンパス内の各デジタルサイネージにも掲載。写真は当時の戸山キャンパス正門の様子
写真右:アンケートの回答から得た不満を改善すべく、改善案を立案し、検討を重ねた
私は2025年1月にそれまでリーダーを担っていた先輩から引き継いで、このプロジェクトを進行。その時はまだ1年生で、本当に自分が中心となり、先輩の後を継いで企画を担えるのか不安しかありませんでした。特に、アンケートで寄せられた数々の問題を改善するには私たちSJC や学生生活課の力だけでは難しく、十分な成果が出せないのでは、と心配していました。
中でも一番大変だったのは、大学の各部署とのやり取りです。関連する部署は多く、早大生の思いを伝えた上で改善策を取りまとめることは容易ではありません。しかし、どうしたら良いのか分からないときや、壁に当たってしまったとき、学生生活課の職員の方々やプロジェクトメンバーがいつでも支えてくれました。 特に、プロジェクトをスムーズに進行させることができたのは、前任の先輩がある程度の道筋をつけていたことや、その後も精力的に支えてくれたおかげです。また、私たちの熱意が伝わったのか、生協や他部署の職員の方々も協力をお願いすると、快く改善策の実行を引き受けてくださいました。
大隈ガーデンハウス(左)、所沢キャンパス(右)などの各学食やキッチンカーなどの様子を実際に視察し、生協や他部署の職員などと何度も協議した
既に食堂を利用している人は気付いたかと思いますが、2025年度から大隈ガーデンハウスでは食事スペースの通路を広くし、座席を利用しやすくするなどの改善を図っています。特に所沢食堂では、短時間で食べる人のためのスピードシートの設置や、相席への協力を呼び掛けるポスターを掲示するなど、最も多くの不満が寄せられた混雑の緩和につながる諸施策を実行できました。実際、以前より多くの人が効率的に食堂を利用できるようになったとの声が届いています。
他にも、寄せられたたくさんの意見から、所沢キャンパス全体での食事ラインアップ拡充など、今も改善に向けた動きをいくつか進めています。“全学的な昼食状況の改善”という、一見すると手も足も出ないような課題であっても、周囲にいる方々と共に取り組んでいけば、少しずつではありますが、解決を図ることができると心から実感しました。
また、アンケートでは全ての回答に目を通しましたが、自由記述欄にあふれる熱い思いを記載してくれた人も多く、その思いに少しでも応えたいと強く感じました。このことから、直接顔は見えずとも、困っていたり、悩みを抱えていたりする誰かのためになることを実行する喜びを、再認識することができました。
プロジェクトでは数々の困難に直面しましたが、地道ながらも努力を続け、関わった全ての方のおかげでなし得たということも強く感じました。今回学んだことを糧に、今後も周囲の方々への感謝を忘れることなく、何事にもひたむきに取り組んでいきたいと思います。

早稲田キャンパス11号館ロビーにて、プロジェクトメンバーと。前列左から上田雅和さん(国際教養学部2年)、筆者、大橋りんさん(法学部2年)、後列左から下出彩也菜さん(文学部3年)、前リーダーの戸嶋桃花さん(文化構想学部3年)。この他、小倉聡太さん(法学部2年)もメンバーの一人
「フォーカス」の売店特集でも意見を出すなどで協力しました